がむしゃらに走って逆転勝利

 先日、江尻監督のお父さんがお亡くなりになられたとのことで、お悔やみ申し上げます。


 さて、昨日行われた東京V戦。
 私は残念ながらいけなかったのですが、ジェフが2-1で劇的な逆転勝利を決めました。
 これでJ1昇格争いにも望みをつなげた…のかな?
■内容が悪くいきなりの失点
 前半のジェフは非常に酷い内容でしたね。
 選手達も動けておらず、プレスも中途半端だったし、パスも効果的につなげない状況でした。


 相手がある程度前線からプレスをかけてくると、どうしてもDFラインからのビルドアップにも課題が出てしまうようですね。
 前節札幌のように、ジェフのロングボールと前線からの圧力に対してラインを下げて対応してくるチームが相手であればボールを前に持ち込めるのですが、しっかりとラインを上げて守備バランスを保って前から追いかけられると、後ろでパスを回していてもおろおろしてしまう…。
 加えて相手の技術もあって、前半はジェフのプレスももう少しでしたね。
 高い位置で囲い込もうとするのだけれど、それよりも早く相手がパスをつないでいって、簡単にジェフのプレスを掻い潜られていていました。



 東京Vはやはり1人1人の技術力が高い印象でした。
 特にポストが入った瞬間に、周りの選手が素早くサポートして、そこから1タッチでポンポンっと繋いでいって、前に出ていく攻撃が印象的でした。
 そのあたりの攻撃がスムーズでやることがはっきりしているんだな…というか、攻撃の形が迷いなくできていたように思います。


 ジェフが先に失点もその形から、平本が決めたもの。
 このシーンでは中盤から出ていった選手が前線でポストになって、後方から平本が走り込んでいってゴール。
 前半7分でした。
■米倉の投入で徐々に流れを引き寄せる
 得点してから、徐々に前への展開が少なくなり、プレスも攻撃も落ち着いて行った印象だった東京V。
 ジェフのボール支配率は高まっていますが、ボールを持ってから明らかに1人1人がプレーの選択を迷っている感じでしたね。


 相手のラインが下がっている状況であれば、ともかく前に放り込むことでパワープレイ的にゴール前にボールを供給できることになるわけですが(その精度はともかくとして)、相手がラインの高さを保っていると強引に前に出しただけではラストパスにならない。
 だからこそ、ビルドアップでの揺さぶりやそこからの明確な攻撃パターンが重要になってくるはずなのですが、そこが出来ていないということなんでしょうね。



 しかし、ジェフは前半34分に早くも伊藤に変えて米倉を投入。
 このあたりから、徐々にジェフの良さが見られてきたように思います。
 米倉が積極的に中盤から前に出ていって、相手を押し下げる働きをする。
 また、高い位置で体を張ることで、そこでポイントを作る。
 長い怪我からの復帰を果たした米倉ですが、ここ数試合、体を張って献身的に動き回ることで、スーパーサブとして良い仕事をしてくれていますね。
■後半動きが良くなっていくジェフ
 後半開始とともに、再び東京Vが一度ギアを上げてきたので、ヒヤッとしましたが、なんとか持ちこたえると、少しずつ東京Vの選手達の運動量が落ちていき、後方にスペースが出来ていきます。
 逆にジェフの選手達は尻上がりに運動量が増していき、選手達のキレも良くなって行きました。


 この展開はさすがに予想外でした。
 前半の動きが悪かっただけに、まさかここまで調子を上げていけるとは。
 工藤や米倉など、いつもより走れる選手が中盤に多かったのも大きかったのかもしれません。



 すると後半15分。
 ジェフのショートコーナーから、大外アレックスがゴール。
 若干この日の東京Vはセットプレーの守備に難があるように感じていましたが、それ以上に角度のないところを良くアレックスが決めてくれました。


 続いて、後半26分。
 勇人が中盤でボールを奪ったところから、思い切ったミドルシュート
 勇人のゴールらしい地を這うようなシュートが、ゴールポストに当たって見事に決まりました。
 勇人がボールを奪った直後で、まさかシュートを選択するとは思っていなかったでしょうから、虚を突いた形になったのではないでしょうか。


 最後は東京Vが三度攻撃の勢いを増してきますが、この2点をジェフが守り切って、2-1での逆転勝利となりました。
■残り4試合全勝するつもりで
 東京Vとしては、得点が入る時間が早過ぎのかもしれませんね。
 それによって、気持ち的に受けに回ってしまったというか。
 前半のうちに止めを刺そうと前にこられていたら、ジェフとしてはすごく嫌だったと思うのですが。


 それと後半の戦い方が中途半端だったというか、ジェフとしては他チームのようにラインを下げて対応された方がやりにくかったと思います。
 運動量が落ちて後方にスペースがある状況なのにラインを保とうという意識が比較的強かったので、守備が中途半端になっていた印象を受けます。
 ラインを下げるという戦い方がチームとしてないのかもしれませんけど、90分間持たないというのであれば…。
 5月にフクアリで行われた試合でも、東京Vのスタミナが切れジェフが試合終盤に得点を決めて2-1で逆転勝利をあげていますし、もしかしたらそのあたりに課題があるのかもしれませんね。
 まぁ逆に言えば、ジェフが形は良くなくても、がむしゃらに走りきって勝利したとも言えるのかもしれませんけど。


 前半途中までの出来があまりにも良くなかったですし、ゴールもスーパーなものだったので、個人的には正直あまり勝った気がしない試合でもありました。
 しかし、それこそ今は何にかけても勝利がほしい状況だったので、結果が出たことに関してはともかく良かったです。
 


 J1昇格圏内の3位にいる福岡はなんと大分に0-0の引き分け。
 これでジェフとの勝点差は5となります。


 しかし、こうなってくるとやはり札幌に勝ちたかったですねぇ…。
 「たられば」は御法度なのはわかっていますが、1試合の結果で順位が変わる可能性が勝点差2以内で追えるかどうか…というのは、数学的にも精神的にも非常に大きいところだと思いますし。
(得失点差は現段階で福岡が25、ジェフは21なので勝点差3以内ではなく勝点差2以内となります。)
 ようするにF1などモータースポーツで言えば、追い抜こうとしている前車に0.5秒以内に近づいて、プレッシャーをかけ続けられるかどうかがまずは大切…みたいな。
 って、逆にわかりにくいかもしれませんが(笑)


 ともかく、福岡はここに来て、負け、引き分けとなっていますし、まだジェフにもチャンスはあるのかなと思います。
 次節は福岡対東京Vとなりますし、東京Vにも頑張ってもらわないと…ですね(笑)
 ジェフは残り4試合全勝するつもりで、戦わなければ。
 「電車が行ってしまった」のかどうかは、その後に判断したいですね。