ロータスの複雑な諸事情  

 今期から佐藤琢磨の乗るKVレーシングをサポートしているロータス
 来季も同様のサポートをすることを明らかにしたようです。


 ただし、佐藤琢磨の来季に関しては今のところ正式発表はないようです。
 佐藤琢磨本人は「来季もインディカーに集中したい」と話しているようですが…。



 ちなみに、KVレーシングをサポートしているのは、プロトンロータス・グループの方にになります。
 94年にマレーシアのプロトンが、ロータスカーズなどを含むロータス・グループを買収。
 現在F1に参戦しているロータスレーシングも、このプロトンとの協力関係の下、エアアジアのCEOトニー・フェルナンデスが代表として活動しているチームになります。


 往年のチーム・ロータスロータス・グループは別組織で、当初は“チーム・ロータス”の名称権を所有するデイビット・ハント(元F1チャンピオンであるジェイムズ・ハントの弟)にもF1でのチーム名の復帰を反発されてたはずです。
 そのため以前の「チーム・ロータス」ではなく、「ロータスレーシング」として参戦することになりました。
 しかし、先日のシンガポールGPで、交渉の末2011年からはチーム・ロータスとしてエントリーすることが決まったと発表されました。
 けれども、今度はロータスグループ側がこれに対して反発(当時からチーム・ロータスをサポートしていたロータスカーズは、ロータスの商標を持っていたと言われています)。
 どうもチーム・ロータス復帰の裏にはロータスグループとF1チーム側の決裂があったそうで、来季“ロータス”名前を使用するために、チーム・ロータス側と本格交渉を行い権利を買い取ったとか(その交渉先がどこなのかも問題になっている模様ですが)。
 このロータス問題は裁判にまでもつれ込むと言われています。



 ということで、F1では複雑なロータス事情があるわけですが、ロータス・グループはGP2やル・マン24時間耐久レースなど様々な分野への参戦や、テストトラックの建設やドライビング・アカデミーの開始などを一気に発表しており、今回のF1チーム側との関係悪化も独自のモータースポーツ活動を進めるためとも言われているため、KVレーシングとの関係は大きな影響がないのかなとも思います。
 むしろこれだけ大々的なモータスポーツ活動を行うことになれば、IRLの方のバックアップも増えるかもしれませんし、KVレーシングにとっては追い風かもしれません。
 琢磨としてはそこに残れるよう頑張らなければいけませんね。