巻の新ライバルは現役マケドニア代表

 まさか元ジェフのジョルジェビッチが対戦相手にいようとは…(笑)
 twitterで教えていただいて気付いたのですが、今年4月にパルチザン・ベオグラードからロシアのクリリア・ソベトフに移籍。
 18日に行われた巻の所属するアムカル・ペルミとの試合では、CBでスタメンフル出場を果たしました。


 一方、アムカルの巻はこの試合でもベンチスタートとなってしまいました。
マケドニア代表FWリスティッチ
 アムカルのこの試合でのスタメンFWは前節1トップだったクシェフでもなく、2試合前にスタメンだった巻とクネジェヴィッチの2人でもなく、前節MFで起用していたヴォルコフと99番のリスティッチでした。
 リスティッチは188cmの長身で、今年の8月下旬に昨年ウズベキスタンリーグの王者ブニョドコルからアムカル・ペルミに移籍
 現役のマケドニア代表のフォワードなのだそうです。
 移籍するまでは、ウズベキスタンリーグ得点ランキングトップ。
 09年には浦項スティーラーズで活躍しACL優勝に貢献し、それ以前には全北現代モータースでプレーしていたそうです。




 アムカルはそのリスティッチを前線中央の高い位置において、スピードのあるヴォルコフを衛星のように走らせるサッカーを展開していきます。
 アムカルはこれの攻撃がぴたりとはまりました。


 クリリア・ソベトフの両SBはボールサイドに引っ張られる傾向もあって、リスティッチにボールが入ると中央に選手が固まり、サイドが多く空く傾向に。
 中央にいたジョーレとしては、なかなかやりにくい状況だったのではないでしょうか…。
 その空いたサイドのスペースにヴォルコフや中盤の選手達が後ろから走り込んでいくことで、アムカルが序盤から決定的なチャンスを作っていきます。




 すると前半15分。
 右サイド中央寄りの位置からフリーでピエフがシュート。
 相手GKがこぼれたところを、リスティッチがつめてアムカルが先制します。


 リスティッチは動きは少ないのですが、どっしりと真ん中で構えるタイプのFWで、ポストプレーもシンプルではありますが確実に叩けるタイプの選手のようです。
 アムカルの監督はポストプレーを非常に重要視しているようですし、巻のとっては嫌なライバルの出現となってしまいました。
■巻は鋭いシュートを放つも…
 前半、押してはいたものの、アムカルの守備は緩いところがあり、相手の攻撃一発で一気にゴール前まで持ち込まれるシーンが目立っていました。
 そして、前半終了間際、アムカル左サイドからの展開で同点弾を受けてしまいます。


 しかし、後半からはその守備も安定。
 クリリア・ソベトフの攻撃の動きが止まったこともあって、より安定したアムカルペースとなっていきます。


 後半2分にアムカルが左サイドからのセットプレー。
 アムカルMFトプチュが大外でフリーになり、ダイレクトボレーでゴール。
 これで2-1となります。
 ここでもクリリア・ソベトフの守備は、中央に集まりがちでしたね。



 巻は後半34分、ヴォルコフに変わって出場。
 ファーストプレーとなる右サイドからのFKに合わせて、鋭いヘディングシュート。
 惜しくもGKが片手で反応し、ゴールとはなりませんでしたが、良い形でのシュートでした。
 アピールのためには、決めておきたかったですね…。


 ヴォルコフの位置にそのまま入った巻はセカンドトップとして激しく動き回り、攻守において貢献します。
 チーム全体に疲れの見え始めていた時間帯でしたから、巻の運動量は貴重なものだったと思います。
 しかし、念願のゴールとはいかず…。
 チームはそのまま2-1で勝利となりました。
■前への動きと運動量で勝負
 まず、この試合一番の印象として、アムカルの中盤の動きが前節とは全く違っていました。
 ホームとアウェイでこれほどまでに動きが違うのかと。
 前節は相手が上位チームで気持ち的に受けてしまったところもあるのかもしれませんけど、ジェフとは非にならないほどホームとアウェイで差が激しいんじゃないでしょうか(笑)


 対するクリリア・ソベトフもアウェイだったせいなのか分かりませんけど、全体的に動きが良くなかったですね。
 特にサイドや中盤での守備の緩さは、前節のアムカルを見ていたような拙さでした…。



 そんな中でうまくアムカルの攻撃にフィットしたのが、FWリスティッチでしたね。
 落ち着いたプレーでアムカルのポイントが下がりがちな攻撃に(というかクシェフの影響が大きいんだと思うのですが)、一本筋を通していた印象でした。


 そうなってくると、巻を応援する者としては複雑なところがありますね…(笑)
 確かに降格してほしくはないですから勝利は嬉しいのですけど、巻にとってはまた強力なライバルが出てきてしまいました。




 この試合で見せた巻のセカンドトップ起用には、可能性も感じました。
 攻守の切り替えが素早く、前への動き出しの速さや運動量はあのポジションでも通用する部分があると思います。
 ただ、ドリブルなどはないですし、そこから前への鋭いパスが期待できる選手でもないですから、セカンドトップではヴォルコフの方が分があるのかなぁ…と。


 そうなってくると、やはり巻のライバルはリスティッチがになるのかなと思います。
 巻にあってリスティッチにないものと言えば、前への積極的な動きと運動量になるはずですので、その中で得点を取ることが一番のアピールになるのでしょうね。
 相手にとって不足はないと思いますし、是非この相手を実力で乗り越えてほしいと思います。