スペイン、EURO2008に続きW杯も優勝

 前半序盤はスペインが優勢だったかなと思います。
 守備から攻撃への速い切り替えと正確なテクニックで、攻撃の形を作っていく印象でした。


 しかし、オランダもさすがですね。
 スペインの中盤中央の守備がきついとわかると、サイドをワイドに使った攻撃を仕掛けていき、徐々に攻撃でもきっかけを作って行きました。
 このあたりは、ぜひともジェフも学んでほしいところです。


 そこからは一進一退ではなかったかなと思います。
 といってもかなりのハイレベルで。
 両チームとも中盤の守備がしっかりと組織化されており、攻撃でも両者共にサイド攻撃を中心とし、そこからサイドチェンジを狙ったり、FWのポストプレーを絡めてきたり、裏を狙ってきたりと、相手の守備をかいくぐろうとする工夫を見せてくれました。



 ただ、それでもなかなか崩すとはいかない。
 両者の守備の強さ、局面での集中力を強く感じた試合でした。
 そして、そういった中で一番得点の可能性を感じたのが、両チームのセットプレーからの攻撃だったというのも決勝らしい展開だったかなと思います。
 しかし、その中でもプレーの判断やパススピード、裏に抜けるスピードが速く、個々の基本技術も非常に高く、局面の激しい試合となったため、非常に締ったとても面白い内容になったのではないかと思います。


 後半からはにスペインが攻め、オランダがカウンターを狙う展開がよりはっきりとしてきたように思います。
 しかし、それぞれ決定機はありながらもGKやDFの攻守もあってゴールは決まらず、0-0のまま延長戦へ。
 そして、延長後半11分にようやくスコアが動きました。
 それまで両者、長い間守備で集中していたと思うのですが、消耗が激しかったのか、このシーンだけはスペインのカウンターに対して、オランダの寄せが甘かったようにも見えました。
 その数分前にハイティンハが2枚目のイエローを受けて退場した影響もあったのかもしれませんが、どちらにせよ我慢比べのようにも見えたこの試合は、スペインに軍配が上がったことになります。




 これでスペインはEURO2008に続いての優勝。
 素晴らしい成果を上げたと言えるのでしょうが、W杯では開幕序盤に苦しむなど、そこまでスペクタクルなサッカーは出来ていなかったのかなぁと思います。
 トーナメントに進んで少しずつらしさは見せてくれたように思うのですが、2年前に比べると前回とまではいかなかったような。
 まぁ、もしかしたら2年前の良いサッカーのイメージがあるからこそ、高い期待をしてしまっていたのかもしれませんけど。
 逆に言えば全開でないように見えても優勝してしまったのだから、それこそ本当に強さとも言えるのかもしれませんけどね…(笑)


 個人的には、何度も言っていますが今W杯ではドイツとチリのサッカーに面白さを感じました。
 運動量豊富に選手達がどんどんオーバーラップをしかけ、人数をかけた攻撃を組織的に作ることが出来ていた印象でした。
 スペインのようにテクニックをベースとしたショートパスで崩す攻撃ではなく、運動量と動きの質をベースとした攻撃を目指していた印象で、意外と日本人に向いていると思われるのは前者よりも後者だったりするのではないか…とも思ったりして。
 もちろんどちらも一概には言えないのでしょうけどね。
 


 オシム監督も言っているように、あくまでもスペインはスペイン、ドイツはドイツなわけで日本代表にせよジェフにせよ、そのままコピーするには無理があるはずです。
 『世界基準』を学びながらも、自分達にあったサッカーを目指すこと。
 そこが何よりも重要ですね。