激しい展開が予想される『わんわんダービー』

 さて、明日はいよいよ甲府犬対秋田犬兄弟による『わんわんダービー』ですよ。
 こんなネーミングにすると凄く可愛いらしい感じになってしまいますが、実際にはJ1昇格圏内の2位、3位を争う重要な試合。
 2位甲府は勝点33で得失点差+14、3位ジェフは勝点30で得失点差+15だから、ジェフが勝てば順位は入れ替え。
 この試合が終わればW杯中断に入る節目の試合でもあるわけで、非常に激しい展開になることが予想されます。



 ホームで迎え撃つ甲府は、今期開幕前にFWを中心に大幅補強。
 しかし、シーズン序盤は攻撃陣の連携がもう1つで、大味な攻撃になっていた印象です。
 その後、メンバーの入れ替えもあって、チームが安定。
 第5節の鳥栖戦から前節北九州戦まで、2つの引き分け以外全勝で来ています。
 その引き分けのうち1試合は首位柏との試合。
 もう1つは前節の北九州戦でしたが、中盤中央で細かくつなぎ、そこからウイングに展開して素早く縦に突破を図るサッカーは、見応えのある内容だったと思います。
 中盤でのパスワークはJ1の頃の甲府を思い起こさせましたし、そこからの展開も狙いのはっきりとした攻撃になっていた印象です。
 そういったサッカーがプレッシングをウリにしているジェフ相手にできるかどうかも含めて、甲府の攻撃がどこまで機能するのか純粋に気になりますね。


 対するジェフは、ここ数試合の攻撃の停滞感、水戸戦の敗戦、ネットの出場停止などもあって前節愛媛戦で攻撃陣を大幅変更。
 巻、米倉、太田を起用することで、ロングボールによるビルドアップと、ダブルボランチを維持しながらの前線からのチェイシング、前線で“水を運ぶ選手”とサイドアタッカーが入ったことによる前線のバランスの改善と、新たな可能性を見出すことが出来ました。
 しかし、一方で江尻監督は愛媛戦での戦い方を理想とは少し違うと話しており、甲府戦でどういった戦い方をするのか。
 どこかを残すのか、完全にすべて戻してしまうのか、江尻監督の選択に注目が高まります。 




 ジェフとしてはもちろん勝ちたい試合ではあるのだけれど、4位福岡、5位栃木との勝点差はたったの4。
 アウェイでは毎試合のようにコンディション調整に苦労し、良いサッカーが出来ていないことも含めて冷静に考えると、もしかしたら『勝つ』こと以上に『負けない』ことが重要になってくるのかもしれません。
(そして、『負けない』ことを考えると、前節でよかったところをなるべく残す方向の方が、無難ではないかと思うのですが。)
 ともかく、中断前最後の試合ですから、全力を出し切ってシーズン前半の集大成を見せてほしいと思います。