オシム監督の通訳 千田善氏へのインタビュー

 オシム監督の日本代表時代の通訳千田善さんのインタビューがスポナビにアップされています。
 前編はこちら、後編はこちらで。
 千田さんはオシムの伝言という本を出されて、それに合わせてのインタビューだったようです。



 こちらの本、発売されたのは知っていたのですが、さすがにオシム本はもういいだろうという思いと(ネタが被ってることも多かったですしね)、日本代表時代よりジェフ時代の話が聞きたいという気持ちと、千田さんはそこまでオシム監督の通訳という仕事をそこまで好んでいなかったんじゃないかなという思いが正直どこかにあって、これまでスルーしていました。
 しかし、「サッカーをやっているときは、うれしくて楽しくて、やりがいがあってというポジティブな経験でした」とおっしゃっており、私の勝手な思い込みだったようです。
 日本代表監督の通訳になって千田さんのご家族が苦労されたこと、日本メディアへの疑問、後編ではオシム監督が倒れられた後の話など、今回のインタビューだけでも興味深い内容になっています。



 特にこちらのメディアに対しての話しは興味深いですね。 


挑発的というより、ちゃんとした質問が出なくていら立つということはあったと思いますよ。あるいは、サッカーについての大事なことを話しているのに、次にまったく関係ない質問がポンと出たりすると「この人たちは何を聞いているんだろう」と。僕自身「もっとこういうことを聞けばいいのに」とか思うんだけど、そんなことを考えていると訳はできないので(笑)。僕も記者席の方に座っていた時代が長い人間ですが、会見自体がディスカッションの場になっていて、ある種の流れができている中で、ぽっと素人が「ところで」と、まったくレベルの低い質問をするということが日本ではすごく多いんですね。
―うーん、いささか身につまされる話ですね(笑)
で、会見が終わるとエレベーターの前で囲みの取材をするわけですね。会見場では「質問ありませんか?」と聞かれて「ない」ということで終わる。ところが、帰ろうとすると囲まれて質問が始まる。これが日本なんですよ。ほかの国では、こんなことはない。
 陰口を言うように内々では突っ込んだ話しが出来るけど、公の場ではそれが出来ない…ということなのでしょうか(笑)
 そう考えると、非常に日本人らしい問題が起こっていたということなのかもしれませんね。


 今回のインタビューだけを読んでも、面白いお話でした。
 千田さんはこの後、オシム監督の戦術論に関する本の出版も考えられているそうなので、個人的にはそちらの方がとても楽しみです。