今シーズンの選手達を振り返る GK,DF編

 ちょっと思うところがあって、今年は選手1人1人を振り返ってみたいと思います。
 基本的に対象はある程度試合に出場した選手。
 といっても、登録選手が少なかったので、ほぼ全員になると思いますけど(笑)
 なるべく選手には失礼のないように書きたいのですけど、その辺りご了承ください。


岡本昌弘
 今シーズンはチームが攻め込まれる試合が多く(昨シーズンもだけど)、GKとしては苦しいシーズンだったと思います。
 しかし、その中で好セービングを見せてくれた試合も少なくなく、「岡本だけは頑張った」と言われた試合も多かったのでは。
 残念ながらそれがチームの結果に結びつかない試合も多かったものの、ここ3年の経験によってプレーに落ち着きが増してきた印象があります。
 ただ、最終節G大阪戦で見せたように、時折集中力を欠いたようなミスもあり、そのあたりが解消できればより安定感のある守護神になれるんじゃなかと思っています。


櫛野亮
 今年の開幕戦のスタメンは岡本ではなく、櫛野でした。
 その後、第5節までレギュラーGKとして出場するも、チームの結果が出ないこともあり岡本に交代。
 江尻監督に交代するとまた5試合スタメンで出場するもその後は出場なしと、2度もレギュラーの座を奪われる悔しいシーズンになってしまいました。
 とはいえ、2人の監督にチャンスを与えられたのは櫛野のメンタリティや激しいコーチングが、このチームには必要だと思わせることが出来たからではないかと思います。
 プレーの方は試合勘の問題もあるのかもう少しだったかもしれません。
 特にフィードキックに関しては昔からの課題で、そこが改善されればまたチャンスも出てくるのかもしれませんね。


斎藤大輔
 昨年、澤入代行監督の下でまさかのアンカー起用。
 それが見事に当たり苦しかった今シーズン序盤もアンカーで起用され、守備面で落ち着きを与えてくれました。
 シーズン終盤にはCBで出場。
 相手がパスを受ける瞬間にボール奪取を狙う、あるいは相手に前を向かせないといったオシム監督時代は普通に見られていた“タイトな守備”を思い出させてくれました。
 今期限りで現役を引退。
 お疲れ様でした。


ボスナー
 長年ジェフにはいなかった、高さで跳ね返せるCBでした。
 ただ、ラインの統一は得意ではない選手で、特に帰陣が周りよりも早く前のスペースを使われることも多々ありました。
 ちょっと面白かったのはそうやって全体のラインが下がると、ボスナーのロングボールを跳ね返す能力が目立ち、雑誌や新聞などでは高い数字が付いてしまうこと。
 確かに全体が下がった後のプレーは良かったのだけど、ラインが下がる原因の1つはボスナー本人にあったりして…。
 清水行きの噂もありますけど、個人的にはJリーグには合わないタイプの選手なのではないかと思っています。
 サラリーキャップがあるから難しいかもしれないけれど、ACLに出場する(あるいは出場を目指す)Aリーグ移籍なども面白いのではないでしょうか。


和田拓三
 ミラー監督時代はSBの3番手。
 守備の意識が強いミラー監督とは合わずあまりチャンスには恵まれませんでしたが、出場した際は積極的にオーバーラップを見せ鋭いクロスを上げるなど攻撃を活性化してくれました。
 攻撃的なサッカーを目指す江尻監督に代わって出場機会が増えるのかな?と思っていたのですが、あまり状況は変わらず。
 これは守備面での課題もあったのかもしれませんが、和田がボールを出す側の選手というよりボールを受けて活きる選手だからなのかもしれません。
 これはSHにも同じことが言えますが、江尻監督はまずパスを出せること、ボールを丁寧につなげることを第一にして選手を選んでいるんだと思います。
 その点で和田は江尻監督の理想のSBとも少しずれがあったのかなぁと。


池田昇平
 シーズン終盤は怪我で苦しみましたが、それまでは多くの試合に出場。
 一時期雑誌だか新聞だかに「フィジカルがあるわけではない」というようなことが書かれ、ネット上でもそういった評価をされることが増えてしまったけれど私はそうは思いません。
 十分高さはあるしスピードにしても短い距離に関してが決して遅いというわけではないでしょう。
 しかし、来年で池田も29歳ということでベテランの域。
 これからは経験を活かしたリーダーシップや、読みの部分で頑張っていかなければいけないんじゃないでしょうか。
 それとジェフに残ってくれるのであれば江尻監督はビルドアップ能力も求められると思うので、そのあたりの意識をもう一度(アマル監督時代は頑張っていたんですけど)高めていかなければいけないんじゃないかと思います。


福元洋平
 シーズン途中からチャンスを得ると、若手とは思えない落ち着いたプレーとカバーリングでレギュラーを獲得。
 攻撃面ではミラー監督の頃はCBから浮き球のボールを求められることが多くその精度に苦しんでいましたが、江尻監督体制になってからはグラウンダーで1人飛ばすパスが増え、少しずつ持ち味が出てくるようになってきたと思います。
 もう少し判断スピードを早くすることと、チーム全体でビルドアップを作る形が出てくれば、より期待できるようになるんじゃないかと。
 しかし、今シーズン終盤はドリブラーへの対応に戸惑うシーンも見られるなど、もう少し一対一での守備で粘れるようになりたいところ。
 あとは自信を持ってプレーしてほしいですね。


青木良太
 守備7、攻撃3くらいのSBでミラー監督の好みにはぴったりの選手だったのではないかと思います。
 SBながら本来はCBということもあってカバーリング能力が高く、時にはCBの位置まで守備のフォローしていました。
 しかし、スピードがあるわけではないため一対一になると弱いところがあり、SBでは苦労した部分もあったんじゃないでしょうか。
 また、攻撃時もキレのあるドリブルや脚力があるわけではないため、なかなか難しいところがありました。
 キックの精度自体は悪くなく、綺麗な軌道のボールを蹴れる選手だと思うんですけどね。
 個人的にはCBに戻すことも考えてあげるべきではないかと思っています。
 江尻監督はSBにも攻撃時の貢献を求めていますし、もともとクレバーで最後まで粘り強く相手についていける選手だと思います。
 そのあたりを活かすためには、CBの方が向いているようにも思うのですが。