「虚偽説明」と揺らぐ信頼


昨日(12月13日)、開催いたしましたサポーターカンファレンスの質疑応答の中で、昼田宗昭 前強化シニアマネージャーの契約解除について、「なぜ解任のリリースをしなかったのですか。」とのご質問をいただき、三木博計代表取締役社長が「ご本人の意向であります。」と回答いたしました。事実は、当時のチーム状況を考慮したうえで、クラブが発信しないことを決めた対応でありました。つきましては、下記の通り発言を撤回し、訂正させていただきます。
「なぜ解任のリリースをしなかったのですか。」とのご質問へのご回答
「当時のチーム状況を考慮したうえで、クラブが発信しないことを決めたものです。」
この件につきまして、ご迷惑をおかけいたしました昼田宗昭様に、心よりお詫びを申し上げます。
また、お集まりいただいたサポーターの皆さまにも混乱を生じさせてしまいましたこと、深くお詫び申し上げます。
ジェフユナイテッド株式会社
ジェフ公式サイト
 ということで、昨日のコメント欄での予想が当ってしまいました。
 虚偽の内容自体は大きな問題ではなかったと思います。
 とはいえ、サポーターに嘘をついたという事実。
 言うまでもなく、こちらの方が大きな問題ですね。
 

 それと今回の謝罪文、三木社長の名前ではなく、クラブ名で謝っています。
 しかし、過ちを犯したのはこの場合クラブではなく、社長なのではないのでしょうか。
 せっかくジェフの名前を付けた新たな会社名。
 こんなことに使ってほしくないと思うのですが。



 それにしても、昼田さんに熱心に謝る文章になっていますね。
 私は昼田さん自身が成績不振の責任をとって辞任したのだと思っていたのですが、この謝りようを見ると納得した形での離別ではなかったのでしょうか…?




 それはともかく。
 はっきりいって、フロントの信頼は少しずつ揺らいでいると思います。
 昨日私が「虚偽の説明」があった可能性があるのではないかと書いたのも、それまでの経緯があったからです。
 功労者である昼田SM退任の発表がなかったこと、功労選手に対する深夜の解雇発表、シーズンチケットの値上げなしの“虚偽説明”、サポカン開催の曜日と時間…。
 これらの問題がなければ、私もあのようには書かなかったと思います。


 フロントを「疑っていた」というわけではないけれど、明らかに「逃げているな」とは感じていました。
 1つ1つは大きな問題ではないかもしれません。
 けれど、信頼というのはコツコツと積み上げていかなければいけないように、逆に信頼を落とすようなことがこうも続くとなると次もあるんじゃないかと思ってしまう。
 それが人間の心理というものじゃないでしょうか。



 それに対して逃げ道を作ってしまっているサポーターの優しさも、逆にクラブにとっては良くない方向に導く可能性もあるのではないかと。
 来季の目標に対しても「スポンサーに向けて言っているだけ」だとか「どのクラブも言ってるからいいんだ(そもそもJ2に落ちるクラブなんてどこも欠陥抱えたクラブなんだからそこに合わせてちゃいけないんだけど)」とか「誰も信じてないからいいんだ」とか、どんな内容でもいいからともかく助け船を作ろうとしてもらえる。
 フロントの言葉など関係なく、逃げ道を広げてもらえる。
 けれど、本当にスポンサーへのごますりのためだけに、あそこまで目標を強く叫んでいいのか。
 サポーターとしてそれを認めていいのか。
 それで最終的に選手も監督もサポーターも本当に幸せなのか。
 私にはフロントがノルマありきで強く話しを進めた結果、逆にクラブ全体がばらばらになってしまっているようにすら見えるのですが。


 オシム監督が来日した際、「オシム監督にまたジェフでやってほしい」なんて話を冗談半分で聞いたのですが、少なくとも簡単にノルマを作ってしまうフロントがいる限り無理だろうと思いました。
 いや、誰にとってもやりやすい状況とは言えないでしょう。
 身内であり降格した責任も感じてしまっている江尻監督だからこそ、それを許されている部分があるんじゃないでしょうか。



 サポーターから逃げている、現実から逃げている…。
 そういった姿勢というのは、例え初めは周りが手助けしてくれることによって隠れてしまっても、いつかは徐々に表に出てきてしまうものだと思います。


 今回の発言も“いつも通り”周りが助けてくれれば、明るみには出なかったかもしれない。
 スポニチがあのような記事さえ出さなければ、当然公式サイトでの発表もなく、議事録もそのままだったことでしょう。



 逆にいえば、なぜこういったことが起きてしまったのか。
 それは「虚偽の説明」という逃げの行動をしても大丈夫だろうという思いが、どこかにあったからではないかと。
 

 やはり周りが甘えを与えすぎているんじゃないかと思うわけです。
 もちろんその甘えに乗っかるフロントの方が大きな問題ではあるわけですけど。