西部氏による降格の分析

 ちょっと取り上げるタイミングを失ってどうしようかと思ったのですが、一応メモも兼ねて。


降格の原因の第一は、チーム構成の失敗だと考えます。簡単にいえば、補強が十分でなかった。昨季は残留したといってもぎりぎりでした。同じ戦力では今季も苦しいと考えられたはず。千葉のような立場のチームは、有能な外国人選手をそろえて軸に据えるべきだったと思います。オーストラリア出身のボスナーはアジア人枠が適用できるので、最大4名の外国人選手を起用できる。しかし、このメリットを全く生かせなかった。数はいましたが、中心になって活躍した選手はアレックスぐらいでしょうか。ネットの加入もシーズン中盤で遅かった。
第二に、アレックス・ミラー監督の戦術がフィットしなかった。「1−0が理想」という戦い方を全うするには守備の堅さも、前線のタレントも不足していたと思います。川崎のジュニーニョみたいなタレントがいれば、堅守速攻でももう少しやれたかもしれませんが、J1を戦ううえで失点ゼロが前提という戦法はあまり現実的でなかった。
第三に、江尻篤彦監督への交代。江尻監督はチーム作りには自信もあるようで、方向性は今後に期待を持たせるものがありました。しかし、あのタイミングで任せるのに経験不足は否めなかった。歴戦の監督との対戦で、采配(さいはい)でやられた試合がいくつかありました。僕は、J2から任せるなら江尻監督は良い監督のような気がします。しかし、結果的に降格阻止のために1勝も挙げられなかった。プロの監督としては残念ながらアウトです。(スポナビ
 このあたり、特に付け足すことはないでしょう。
 もっともミラー監督の戦術がフィットしなかったのか、戦術にフィットする選手を確保できなかったのかという点で第一と第二は大きく関係していると思うのですが。


 重要なのはなぜこれほどまでに問題が多発してしまったのか。
 そして、問題が起こっていた時になぜ誰もそれを声を大にして指摘しなかったのか、ではないでしょうか。



 何度も同じことを繰り返すようであれですけど、私は慢心と甘え。
 フロントと周りの関係が「なあなあ」になってしまったこと。
 これが一番の問題点なのではないかと思います。


さて、来季は「1シーズンで昇格」が目標として掲げられるのでしょうが、あまりそれにこだわらない方がいいと思います。今季の戦力を維持できれば、昇格は可能かもしれません。しかし、厳しい言い方をすれば、降格した戦力のまま2年経過して、見違えるように強くなるとは考えられません。主力の半数以上が入れ替わっているぐらいでないと、上がってもすぐに降格の危機を迎えるでしょう。
カギを握るのは育成になりそうです。補強もいいですが、自前でチームを支えていく選手を作るのが第一でしょう。とはいえ、それは1年や2年ではできません。中長期的な展望を持って計画的に、ある程度時間がかかることも覚悟して、腹を据えてかかるべきではないでしょうか。どんなチームならJ1で安定的に勝てるのか、ファンの支持を得られるのか、それには何が必要なのか。そのイメージを持つ必要があります。
 このあたりも同意見ですね。
 「主力の半数以上が入れ替わっているぐらいでないと…」という部分が、重要ではないかと私は思います。