WIN-WINを目指すためにも

 以前にも紹介した林みのるさんと『AUTO SPORTS』編集長のバトル。
 あの後も続いていました。


 『AUTO SPORTS』の編集長は元ドライバーの方で、結局F4という育成カテゴリに、童夢などが参加することによって、マシンのパフォーますは上がるかもしれないが、ドライバーに費用面での負担が増えエントリーが減少する可能性が出てくるのではないか。
 それによる様々な不具合を心配しているということのようです。


 しかし、一方の林さんは童夢のような“レース屋”もお金を稼げるような仕組みを作っていかなければ、日本のレース界は廃れる一方である。
 現にドライバーがホンダやトヨタからの資金を頼るばかりになってしまって、日本のレース界全体が消耗してしまったという話しです。



 この話し一番のポイントは、林さんは雑誌の編集長と日本レース界全体を考えた話しをしていたつもりが、編集長はドライバー目線だけで話していたというところにあります。
 どちらが正しいのかはひとまず置いておくとしても、一雑誌の編集者が一方の目線しか持てず、日本のレース界全体を見た発言ができない…というのはやはり残念ですね。



 話しは変わって、サッカーの話題。
 この方達は自分達だけでなく、日本のサッカー界全体を見て考えることができているんでしょうか。


Jリーグ選手会は26日に都内のホテルで臨時総会を行い、今オフから適用される移籍に関する新ルールについての説明を行った。今オフから契約期間満了選手の移籍金が撤廃される一方で、23歳以下の選手がJ1クラブに移籍する場合、21歳までの在籍1年当たり800万円のトレーニング補償金が発生する。
トレーニング補償金について選手会は在籍1年当たり400万円を主張していたが、藤田俊哉会長は「今オフについてはとりあえずこの金額でということになった」と説明した。ただ下部組織出身の選手の場合は最大で5100万円の補償金が発生することから「来季のオフに向け継続して話し合いを続けていたい」と今後も減額を求めていく考えを示した。(スポニチ
 選手会というくらいだから、サッカー界全体を見なくとも自分達の利益だけ主張すればいい…と単純にはいかないでしょう。
 例えばサポーターだって同じで、自分達だけが楽しめればいいじゃなく、クラブ全体のことも考えていかなければ、その時は良くても将来的に辛い思いをしてしまいます。
 「WIN-WIN」の状況になるためにも、全ての利害関係者が組織全体を考えながら、自信の意見を主張することが理想的なんだと思います。



 あえて無理矢理F4の話しに置き換えれば、レース屋がクラブの育成部という話しになり、育成部ばかりが損をする仕組みになってしまえば、日本サッカー界全体も衰退してしまう可能性があります(大切な育成機関が失われる可能性もあるわけですから)。
 一方の選手はもし若手選手が試合に出れなかった場合、他のクラブへの移籍を比較的楽な状況にすることで、良く言えばクラブによる青田買い状態を防ぎたい。


 まぁ、でもF4の話しもそうですけどちょっと甘いようにも感じますね。
 一生懸命やってもそのクラブには合わなかった、良い選手に成長したけど戦術にフィットしなかったという場合なら、心機一転移籍したいという気持ちになるのも理解できます。
 しかし、実際問題として、どれだけの選手がこのケースに当てはまるのかというと微妙なんじゃないでしょうか。
 若い選手でも本当に頑張っている選手は出世していくことが多いですから、そういった選手はこんな制度、関係のないものでしょうし。


 数字の多い少ないですから、適正価格というのは難しい問題ではあります。
 しかし、現段階でも「育成に力を入れて儲かるのか?」と考えるクラブの経営陣は多いようですし、育成部で利益を稼ぐとまではいかないにしても最悪大損のしないシステムを作っていくべきではないかなぁと思います。