巻「僕はこのクラブが大好きなんで」


チームリーダーの坂本は「うーん…」とうなったまま絶句。巻は「見ての通りです」と唇をかみしめた。日本リーグ時代の65年から44年にわたって1部に在籍する唯一のクラブ。試合前、江尻監督は「うちは鹿島より重い歴史を積み上げて来たチーム。ミスを恐れず戦おう」と選手を鼓舞したが、プレッシャーに打ち勝つことはできなかった。
それでも「僕はこのクラブが大好きなんで、最後まであきらめずに戦います」と巻。最後の意地を見せることができるのか。選手のプロ魂が試される。(スポニチ
 巻のような選手がこういったことを言ってくれるのは、クラブにとってもサポーターにとっても、とてもありがたいことだと思います。
 鹿島戦後、様々なテレビ番組が巻を中心に特集を組んでくれましたが、巻は真摯にインタビューに答え、しっかりと前を向いていました。
 それだけ真面目にサッカーに取り組み、ジェフを愛してくれているのでしょうが、その分だけ辛い思いをしているのでしょうし、私は巻をそのような状況にしてしまったことを心苦しく思ってしまいます。


 こういったジェフを愛してくれている選手や関係者のことを考えても、やはり現在の状況をしっかりと受け入れるべきだと思います。
 良い部分や小さな希望を持つことももちろんですが、悪い部分や問題点も含めて。
 現状を理解し、しっかりと反省して、次につなげることを学ばなければいけないと思います。
 このような状況になってしまった原因は、絶対にどこかにあるはずですから。
 もちろんそれは1つの問題だとか1人にだけの問題ではないはずですから、皆が少しずつ成長していくことが重要なんだと思います。




 自分はテニスもやっていたのでたまにテニス雑誌も見るのですが、この夏にとある雑誌でメンタル強化の特集が組まれていて、「切り替えようではダメだ」というコラムが書かれていました。
(テニスはファンも多いですがプレーヤーも多い競技ですから、雑誌ではプレーヤーに訴えかけるコラムや練習方法などが書かれていることも多いのです。)
 前向きな考え方も重要だけど、すぐに「切り替えよう」だとか「次の試合に行こう」という気持ちだけでは細かなミスを反省しないこととなり、次の試合に活かされず選手も成長していかない。
 そして、結局同じミスを繰り返してしまう、という趣旨の話しでした。


 サッカーでも選手が同じミスを繰り返すというのは良くある話しだと思いますが、1対1(あるは2対2)で戦うテニスで同じミスばかり繰り返していては似たような試合展開になってやられてしまいます。
 もちろんそれはサッカーでも同様のことが言えますが、似通ったシチュエーションの多いテニスの方がより明確にそのあたりが出てくるのかもしれません。


 そして、それをもっとマクロな話しに置き換えればスポーツではなく日常生活でも同じことなのでしょうし、サッカーで言えばチーム運営などでも同じことでしょう。
 しっかりと反省し、次に活かさなければ成長はない。
 そのためにも、時には現状の問題点を把握し直視しなければいけないのではないでしょうか。
 もちろんだからといって絶望的になる必要は全くないと思いますけど。


 例えば鹿島戦での完敗も、あの日だけの問題ではなく今までの積み重ねの差というのがとても大きかったはずですし、あの試合の敗因を分析するためには現在を見るだけではなく過去も含めての長期的な視点が必要になってくるはずです。
 過去を振り返り問題点を直視することが、ときにはよりよい未来のジェフに繋がるかもしれませんし、前向きなチーム作りの糧になるかもしれないわけです。



 今シーズンが終ったらしっかりと今期の反省と今後について、一度整理しなければいけないのではないかと思います。
 私はそれがジェフが未来に進むための重要な第一歩だと思うからです。


 もっとも報道の通りなら来季以降の自チーム選手への交渉は既に始まっていますから、そのあたりがジェフのフロントにとって悩ましいところなのかもしれませんが…。