勝たなければいけなかった

 …ただただ、悔しい。
 その一言に尽きますね。


 でも、それだけではブログも成立しないと思うので、一応振り返っていきたいと思います。
■ミスで序盤の流れを失う
 試合序盤から新潟の選手達は動きが良くないように見えました。
 運動量が少なく、一歩目の出足が遅い。
 やはり8試合勝ちなしにはそれなりの理由があるんだなぁと感じました。



 特に中盤がその影響を強く受け、ジェフは工藤と中後のボランチがフリーでボールを持てる時間帯が長かったと思います。
 しかし、ジェフはそこから先のイージーなミスが多い。
 単純なパスミス、判断ミス、連係ミス…。
 ジェフの選手達の方がコンディションが良く流れはジェフだったのに、自らの手でその流れを失っていきました。



 序盤は動きの悪かった新潟でしたが、ジェフ側のミスもあって徐々に全体の動きが良くなっていきます。
 新潟のフォーメーションは4-4-2でボランチの2枚が孤立してしまうことが多かったのですが、攻撃的MFのマルシオ・リシャルデスと松下がトップ下の位置に入ってくることによって中盤が暑くなり、パスがつなげるようになっていきます。
 そして、サイドの空いたスペースにはSBがタイミングよくからんでくる…。
 新潟は4-3-3の頃もこのようなサイド攻撃が強力だった印象があるのですが、ペドロ・ジュニオールが去りフォーメーションが変わってもそのあたりの動きはチームに残っているということなのでしょうね。
 矢野と大島という大型2トップへのクロスは迫力がありました。
■セットプレー時の守備
 流れが変わってきてしまったな…と感じたすぐ後の前半20分。
 セットプレーから矢野に決められて失点。


 この試合、ジェフは巻が不在でした。
 バイアーノが加入した時から、いつかはこの時が来る可能性があるんだろうなぁとは思っていましたし、驚きはないです。


 監督が変わっても相変わらず縦に早いサッカーをしているジェフ。
 そういったサッカーには、巻よりもバイアーノの方が効果的でしょう。
 それとやはり全体のバランスを考えると、1トップあるいは谷澤のようなMFも使える選手を起用して、前から中盤をサポートしたい。
 サイドから仕掛けていく深井はこの日も個人技で何度かおしいチャンスを作ってくれましたけど、ビルドアップ時のプレーはお世辞にもうまいとは言えません。
 もしかしたら、練習試合で試していたアレックスをSBで起用できれば、前線からではなくDFラインから中盤をサポートできたのかもしれませんが、アレックスはこの試合でもベンチにすらいませんでしたし。



 そうやって考えると、巻の不在も戦術的には仕方のない部分があると思います。
 (感情的には全く納得できませんけどね。)
 しかし、攻撃はそれでいいのでしょうが、巻不在で予想以上に穴が出てしまうのが、セットプレー時の守備です。
 巻はこれまでの試合でもセットプレー時の守備で、何度も何度も相手ボールを跳ね返す壁となっていました。
 巻が出場停止だった柏戦でも相手ボールが通ってしまって、「触れば一点」というシーンが何度もありましたし。


 今回やらてしまったのもそのセットプレー。
 前半終了間際にもセットプレーであわやというシーンを打たれてしまいましたし「巻がいれば…」とは言いませんけど、今後も巻を使わないのなら巻がいない際のセットプレー時の守備に関してはしっかりと考えていかなければいけないと思います。
■ジェフペースがボールを持つものの
 前半の終盤頃から、徐々にジェフのペースが戻ってきました。
 谷澤がふらふらと相手ボランチ付近まで下がってきてボールを受け中盤をサポートし、それまでは上がる回数が少なかった工藤が前線やサイドの高い位置まで飛び出していくことで、少しずつチーム全体に動きが出てきました。



 しかし、なかなか決定的なシュートシーンを作るまでには至りません。
 全体的な印象として、前にスペースがないのにもかかわらず、そのまま強引に攻めようとするプレーが多すぎるように感じます。


 これではいくらボールを保持していても、相手を崩せるわけがないですね。
 世界レベルのチームだってスペースがないところから攻めては、なかなかチャンスは作れないわけです。
 前にスペースがないのなら縦に攻めるだけでなく、他にスペースを探すなどして、もっとボールを動かしていかないと。


 今のままでは窮屈なプレーも増えてしまい、チャンスも作れず、逆にボールを失う機会も増えてしまいます。
 最近やけに相手選手とのぶつかり合いが多いのも、そのあたりではないでしょうか。
 もっとも前に急ぎすぎるのは、ミラー監督時代からの課題ですけどね。
バイアーノに代えてミシェウを投入
 ボール支配率は上がっても、なかなかチャンスを作れないジェフは、後半16分バイアーノを下げミシェウを投入しました。
 この交代はちょっと驚きでしたね。


 今まで江尻監督は純粋な2トップにこだわっているように感じました。
 流れから谷澤が下りてくることこそあれど基本的には4-4-2し、新潟戦までは相性の良くないであろうバイアーノと巻を使い続けていました。
 特にバイアーノの一発には期待しているのかな…と思ったのですが。


 しかし、この試合ではあっさりとバイアーノを交代。
 しかも、交代した相手は巻ではなくミシェウ
 トップ下で運動量豊富に動き回る選手で個人的にはこういった選手をトップ下に起用していくべきではないかとずっと思っているのですが、まさかバイアーノと巻、両方がいない状況で使うとは…。



 こうなってくると、なぜ今まで巻とバイアーノの2トップにこだわってきたのか、ちょっとよくわからなくなってきました。
 なにせここまで中盤の構成力を欠いてでも2トップにこだわっていたように思っていたのに、いきなり中盤を厚くした0トップみたいな状況になったわけですから。
 ベンチには巻がいたのにもかかわらず。


 試合展開から考えるとなかなかボールはもててもチャンスは作れない状況で、ミシェウのスルーパスに期待したのかもしれません。
 それはわからなくもないんですけどね。
(でも個人的にはミシェウもラストパサー的な役割を与えるより、本来はバイプレーヤーだと思ってるんですけど。)



 どちらがどうとかこの交代が失敗とか言うのではなく、気になるのは江尻監督がどういった攻撃を頭の中で描いているのか、ということなんですけど…。
 実はこの試合での一番の疑問点が、その部分でした。
■巻投入も攻めきれず0-1で終了
 後半21分に巻を投入。
 しかし、巻を投入したのにもかかわらず、ほとんどサイドを深く付いてからのクロスという形はありませんでした。
 なかなかサイドからのクロスという展開が作れないのも以前からあった状態ではあるのですが、新潟は前半のいい時間帯に短い間だったのにもかかわらずサイドの深い位置からクロスをあげられる形を幾度も作れていたのを考えると、戦術的な部分での差は大きいなぁ…と感じてしまいました。


 この時間帯になると新潟は明らかに選手達がばてていて、ジェフの選手は多くの選手がゴール前に集まっていました。
 しかし、集まっていただけでパスワークやスペースを作る動きなどはほとんど見られず、結局は個人技でのドリブル突破という展開ばかり増えてしまいました。
 攻撃にチームとしての連動性が感じられず、新潟からすればかなり長い時間ボールを持たれてはいたけど、守りやすい状況だったのではないかと思います。



 後半ロスタイム、むなしくも右サイドの深くで谷澤のクロスが相手選手にあたり巻がヘディングというシーンがありましたが、しっかりとはヒットせずGKに止められ0-1のまま試合終了となりました。
■勝たなければいけなかった
 新潟の印象はリーグ6位のチームというより、8戦勝ちなしのチームでした。
 コンディションが悪く、選手達が動けていませんでした。


 そういう意味で勝ってほしかった。
 …というか、状況を考えれば勝たなければいけなかった。



 ジェフの方は正直やろうとしていることがチグハグでした。
 気持ちは強く感じても、チーム全体が整理整頓されていない印象です。
 ボールの流れも迷いが見えて、スムーズではない。
 ジェフの方が良く見えたのも、相手のコンディションとこちらのコンディションに差があったのが一番の要因でしょう。
 相手の状況が悪くなければ、あそこまでいい状況にはならなかったと思います。


 このままではまずい。
 それは前からわかっていたことではあるのだけれど、どうしても残り試合数が少なくなると焦りというものが出てきてしまいますね…。
 柏が名古屋に勝利し順位も1つ下がってしまいましたし。