犬の生活「中盤の両サイドの負担が大きい」


76分、千葉は新居に代えてミシェウを投入。フォーメーションは4−2−3−1になって中盤に厚みが出る。この時間帯になると千葉は疲労するのが常なので、どうしても交代が必要になるのだが、このゲームではミシェウの登場は良いアクセントになった。
千葉が70分で疲労してしまうのは、中盤の両サイドの負担が大きいからだ。トップへのロングボールが多いから上下動を余儀なくされる。しかも深井、谷澤はドリブルを使う(ドリブルは非常に消耗する)。さらに、ボールポゼッションでゲームをコントロールすることが苦手ときているから、両サイドがまず動けなくなる。そうなると中盤の広いゾーンをボランチ2人でカバーしなければならず、相手ボールにプレッシャーをかけられない。ディレイ(相手の攻撃を遅らせる)が精一杯となり、プレッシャーがかからないからディフェンスラインもコントロールが利かず、ただずるずると下がる。押し込まれると余計にロングボールに頼る、以下ループという悪循環だ。
この試合でも深井、谷澤の消耗は大きく、守備に戻れなかったり、戻ってもファウルで抑えるのが精一杯になったりと危険な状況にはなっていた。ただ、これまでよりもパスをつなげていたのと、名古屋のコンディションがいまひとつだったことで、持ちこたえていた。ボールをさばけるミシェウの投入で一息つけたのも大きい。(スポナビ
 SHへの負担が大きい…というのは昨年から言われていたことですね。
 戸田も現在は閉鎖された公式サイトで話していましたけれど。
(もっとも名古屋戦では谷澤の運動量が落ちて、守備に戻ってから前にいけなくなったことによって、前半に起こっていた交通渋滞が少なくなったという逆の部分でのメリットが出ていたように思うのですが。)


 西部さんはドリブルによる疲労を指摘されていますが、サイドでの上下動だけでなくゴール前への飛び出しを要求され、サイドを駆け上がってクロスを上げる以上に走る距離が増えていることも大きいように思います。
 それと単純に選手のスタミナ不足。
 谷澤などはSHではなくトップ下でも90分持たずにばててしまうことが多いですし、深井も今はコンディションがいいので走れていますけど、昨年は早々にばてることも多かったですからね。
 どちらかと言えばスタミナのあるタイプではないように感じます。



 それらの対策として昨年は根本、深井などSHを緊急補強したりレイナウドをSHにまわしたりして、人数で問題を解決しようとしていたのではないかと思います。
 ようするに、ターンオーバーによって、主力の負担を少なくするということ。
 しかし、今年はSHへの補強よりも放出が多くて、結果的に負担はより高まっているように思います。
(放出したSHは候補も含めて数えれば、レイナ、根本、苔口、松本と4人にも上る。)



 そこでどうするのか。
 私は片方をクロッサー役にしてその選手への負担を少なくし、もう片方を飛び込ませた方がいいように思うのですが、今はそういったクロッサータイプの選手はいませんから実施するのなら補強が必要となります。
 あるいは、アタッカーとしてそのまま深井や谷澤の代役になるような選手を補強できるかどうか。


 またはSBが攻撃に参加することによって、攻撃面での負担を軽減させるという手もあるように思います。
 実際に和田が積極的にオーバーラップすることによって、深井も比較的楽にプレー出来ているように感じますし。
 あるいはボランチにサイドの守備のフォローをさせて、トップ下の選手に中央の守備をサポートさせるとか…。



 いろいろと手はあるはずなのですが、今のところSHの頑張りに頼っているような状況なのかなと思います。
 SHの選手の調子がいい状況が続けばそれでいいのでしょうがいつまでも良いとは限りません。
 怪我などの可能性もありえなくはないわけですしね。
 現状だと攻撃は2人のプレーに大きく左右されている部分が強いと思いますし、その2人への負担を少なくするのか代役を作り出すのか(補強するのか)。
 長期的に考えると、そのあたりを考えていく必要性があるのではないでしょうか。