憲剛システムというより本田システムでは?


岡田ジャパンに“憲剛システム”の新オプションが加わった。トップ下に中村憲を起用した4―2―3―1を採用した岡田監督は「憲剛のためのシステムだった。試合前に“ジェラードをイメージしてくれ、点を取ってくれ”と伝えていた。素晴らしいプレーをしてくれた」と満足顔だった。
強豪リバプールで今季プレミア得点ランク3位の司令塔のように――大きな期待を背に送り出された中村憲は、幾度となくゴール前に飛び出した。後半19分にはポスト直撃のシュートを放つなど決定的なチャンスもつくり「やれる手応えをつかめた。チームのオプションはいっぱい持っていた方がいい」と目を輝かせた。(スポニチ
 岡田監督は「憲剛のためのシステム」といっていましたけど、意外と本田システムだったのかなぁと思います。
 結果的にそうなっただけかもしれませんが。
 後方には守備の期待できる駒野を置いて(本田の帰りが遅くて可哀想だった)、中にはサポート役の憲剛を置いて、左には本田の分ハードワーク出来る岡崎を置いて、右MFに本田を置くことで本田が自由にプレーすることが出来る。
 右から中に入ってきて、得意のミドルシュートといった形が何度もありました。


 確かに今の日本代表において、ミドルシュートというのは非常に重要なポイントになります。
 ちびっ子FWを1トップに置くことで、相手のラインは下げることが出来るけど、そこからどうするのかが見えてこなかった代表。
 だからこそ、そこからサイドを攻略して、ペナルティエリア脇を狙うという普通に考えてもちょっと窮屈なサッカーを目差していたわけです。


 しかし、早いタイミングで1トップが裏を付いていけば、DFラインだけが下がって相手のバイタルエリアにスペースが出来る。
 そこに右から入ってきて質の高いミドルを積極的に打ちたがる選手がいれば、確かに1つの武器になるのかもしれません。
 逆にこれが出来てくれば、そこまでサイドを突破→ペナルティエリア脇も狙わなくていいのかもしれない。
 実際、チリ戦ではサイドの深い位置を攻略する機会はほとんどありませんでした。
 もちろんそれはSBの人選が両方とも変わってしまったことが大きいのでしょうけどね。
 けれども、SBの攻撃参加というのはこのチームにとって非常に重要な戦術なはずで、「本田を使い続けるのかそうでないのか」というのが巷では話題になっていますけど、SBの攻撃参加数が増えればまたそれだけで大きく違ったチームになると思うんですけどねぇ。



 そして、もちろんいつもどおりですが、俊輔が入ればもっと印象の違ったチームになるんじゃないでしょうか。
 俊輔中心のチームになるのでしょう。
 そして、本田も俊輔同様にタイプ的には王様プレーヤー(悪い意味と言うわけではなく)で、彼中心のチームにならなければ活躍できないところがあるんじゃないでしょうか。
 2部で活躍してますます自信をつけたことで、よりそういった印象を受けました。
(ところで、チリ戦で何度かパスを出して前にスペースがあっても走り出さないことがありましたね。それでも2部なら許されるんでしょうが、それ以上のレベルだとそうはいかないんじゃないでしょうか。来期はより高いレベルでプレーして上を目差してほしいですね。)


 逆に憲剛はむしろ癖のあるタイプの選手ではなく、周りにあわせることも出来るタイプの選手ではないかと思います。
 もちろんSHでは活きづらいのでしょうし、この試合では相手が低い位置からボールをつないでくることで、トップ下で使われた憲剛の守備能力がぴったりとフィットした印象はあります。
 けれども、例えばトルシエ監督やオシム監督が俊輔を活かすために4バックにした(オシム監督は元々フォーメーションにはあまりこだわらないけれども)という感じの憲剛システムではなかったのではないかと思います。
 憲剛はボランチでもしっかりとプレーできるはずですしね。