犬の生活「ある程度引いてカウンターを狙う時間帯はアリ」


17位の千葉と18位の磐田、共に勝利がない同士の対決。千葉は4−3−3のフォーメーションで臨み、それは前半で成果を挙げていた。
第一に、巻誠一郎へのサポートの早さ。巻は3秒以上キープできないFWで、またそれ以上キープしてもあまりいい形にならない。その代わり競り合いには無類に強く、クロスボールをたたき込んだり、競り落としたりするプレーは抜群である。長所短所が非常にはっきりしているストライカーなので、チームとして巻を生かす意識が不可欠だ。4−3−3にしたことで、巻を生かす形ができつつある。左右に深井正樹谷澤達也、後ろから工藤浩平、アレックス。トップの巻と近い距離に4人が囲むようにサポートすることで、巻がワンタッチでボールを預けることができるようになった。
第二に、工藤とアレックスが前向きにボールを持つ回数が増え、巻の落としから工藤、アレックスのパス、深井と谷澤のランがつながるようになった。
第三に、斉藤大輔が中盤の底に入ったことで守備の圧力が増し、プレッシャーがかかるのでディフェンスラインを押し上げてコンパクトな守備ができるようになった。(スポナビ
 このあ辺りの感想は試合後の更新でも言いましたけど、ほとんど一緒ですね。
 内容はよくなっているし、何よりやることがはっきりしたことで、チーム全体がうまく機能していたと思います。



さて、押し込まれたときミラー監督はどうしてほしいのでしょう。ある程度引いて、カウンターを狙う時間帯はアリだと思います。単純にスタミナがアップすれば解決するのかもしれませんが、割と早い選手交代もしていますし、もう目いっぱい走っていると思うので、やはりボールを使ってどうしのぐかでしょう。
自陣からパスをつなぎながら相手を押し返してしまえればいいのですが、そこでミスが出ている。そうなるとロングボールをどう使うか。極論すれば、どうボールを捨てるか。ディフェンスラインを押し上げるために、いったん相手陣内へ長いボールを蹴る。ただ、単純に巻に蹴るだけでは何も変わらない。サポートが必要です。引いているときにも、巻の近くに人を残しておく手が1つ。しかし、押し込まれていてそれも無理なら、前線に巻以外の選手が出るための時間を作りたい。パス1本分の時間です。中盤を越すボールを蹴るための1本のつなぎのパス。それも無理なら、巻が人に近づくしかない。真ん中よりもサイドで受けた方がサポートしやすいし、マイボールにならないとしてもプレスと押し上げがしやすいのではないかという気がします。
 このあたりがポイントですね。
 よく走っていると思いますし、あれ以上求めるのは現状では厳しいのでしょう。
 そうなるとボールを持ったときにどうするかなのだと思うのですが、そこが難しい。


 西部さんは「ある程度引いて、カウンターを狙う時間はアリ」とおっしゃられているけれど、私は退いた時の守備には不安があると思っているし、一度退いてしまうと戻すのは難しいと思っています。
 唯一戻せるのは、失点するなどして状況が一変した時だと思うのですが、失点してはじゃあ仕方がない。
 もちろん残り短い時間帯で相手が特攻を仕掛けてきたりした場合は、退くしかない時もあると思いますけど、現状では後半の早い段階から退いてしまっているわけですし。



 私はなるべく攻めているときに、早い攻撃が上手く出来なかった場合は、低い位置でボールを回すなどして、相手を走らせてこちらは休む時間帯を作るようにしていければなぁ…と思うのですが。
 そのためにはビルドアップの苦手なDFだけではなく、時間帯によって工藤あたりを低い位置に移動して、そこでボールをキープするようにするとか。


 いろんな手が考えられると思うしどれが最適かは難しいところでしょうけど、ともかくこの課題に対してしっかりと対策をしていかないと、今後も同じように「後半途中からスタミナ切れで防戦一方」となってしまうのではないかと思います。
 このあたりに関してはチームでしっかりと考えていって欲しいですね。