移籍金撤廃へ作業チーム発足
まず、Jリーグ(クラブ)のファンとして考えなければいけないなぁと思うのが、“Jリーグの格差”を歓迎すべきなのかどうか。
移籍金撤廃に関して、Jリーグが作業チームを発足させることを決めた。Jリーグは、契約が満了した選手の移籍金を撤廃するなど、現行のルールをFIFAの制度に即したものへと移行させる方針だが、鬼武チェアマンはさらに「ワーキンググループを立ち上げる」とし、早ければ今季終了後の導入を目指すことを明らかにした。J2のクラブは「ほとんどが反対している」(Jリーグ関係者)状態で問題は山積しているが、5月中旬までに最終的な結論を出す予定だ。(スポニチ)
“格差”というと聞こえが悪いけれど、例えばオシム監督なども「Jリーグ全体を引っ張っていくようなビッククラブが出てくるべき」という意見を持っていたはずです。
上位の中の2,3クラブがより強くなっていかなければならない。
そのためにはリソースをその2,3クラブに集中すべきなのでしょう。
それはようするにだいぶ言葉は違うけれど“格差”がはっきりしていく状態。
今回の移籍ルールの変更も、ビッククラブを作り出す上では間違っていないのかもしれません。
そして、下位チームは欧州でもあるように、より選手を売って経営を成り立たせる…なんてことがはっきりとしてくるのかもしれません。
“格差”を作ることにも、メリットとデメリット、両方あるのでしょう。
メリットとしては、オシム監督の言うような「ビッククラブ」を作りだすきっかけとなるかもしれません。
「ビッククラブ」を作り出して、ACLやCWCで活躍するような、世界にチャレンジできるクラブを作る。
そうすれば、世界規模でのJリーグの知名度も上がるし、世界との差を体感できることになる。
世界との差がはっきりしてくれば、強化にもつながる。
韓国人選手がJリーグに流出している1つの原因として、JクラブによるACLやCWCでの活躍があるんじゃないかと思います。
(もちろんアジア枠の問題や円高の影響など、他の要素も大きく関わっているとは思いますが。)
そういったことが、ますます増えてくるかもしれない。
韓国人に限らず、質の高い選手がJリーグに入ってくるかもしれない。
ただ、デメリットもたくさんある。
下位チームは選手を奪われないように、有力な選手への複数年契約や年俸のアップを考えなければいけない。
そうすれば、経営的に厳しくなってくるところもあるだろうし、なかなか伸びてこない若い選手にとっては厳しい時代が来るのかもしれない。
格差が出来れば、ここ数年盛り上がってきた混戦状態もなくなってくるかもしれない。
昨年のような、奇跡的な残留とかもなくなるかもしれない(笑)
ようするに、今まで以上にビッククラブ以外のクラブには厳しい状況が待ち構えているかもしれないし、よりシビアな争い(ピッチ上位外でも)となるのかもしれません。
移籍制度の変更に関しては、確かに時期尚早なのかもしれません。
世界的な不況の影響で全体のスポンサー料も減っている状況でしょうし、一部報道によれば移籍制度の変更は11年からスタートだという話しだったのに1年前倒しで実施しようとしている…とか。
それではJリーグのクラブからの反発が出るのも当たり前でしょう。
ただ、選手会も毎年のように「早くしろ」とせかしている状況があるわけで、移籍ルールを変更すること自体は避けられないことなのでしょう。
問題なのはタイミングと、その後にどうJリーグが変わっていくかですね。
そして、様々な変化がある状況だからこそ、「どのようなリーグを目差すべきなのか」。
「Jリーグらしさ」とはなんなのかが、より一層問われてくるのかなぁと思います。