松本憲のシンガポール行きに思う
ようやく松本憲のアルビレックス新潟シンガポール移籍が発表になりましたね。
移籍リストで明らかになってから発表まで時間がかかったので、とりあえずホッとしております。
マツケンの移籍ですが、個人的には非常に残念。
ジェフを去ることになったのはもちろんだけれど、まさかシンガポールにまで行くことになるとは。
シンガポールがどうこうではなく、これだけの潜在能力のある選手がJリーグの網に引っかからなかったということが非常にショックです。
確かに粗削りであり完成度は高くありません。
けれども、ポテンシャルは十分にあり、将来性には非常に期待できた選手でしょう。
確かに守備能力とフィジカルには課題があるから、SBでの起用には無理があったと思います。
(ただ、ジェフリザのような育成機関で足りない部分を補うためにSBで我慢して使っていたというのであれば、その考えは頭から否定されるべきではないと思います。)
しかし、長い距離を上下動する運動量があり、Jでもトップクラスのスピードがあるであろう素材の持ち主。
足元の技術に関しては決して上手いとはいえないけれど、トップスピードに達した状態でボールを持っても、技術力があまり落ちないところに可能性を感じていました。
フィジカルや守備面、足元の基本技術はこれから補っていっても十分“間に合う”と思っていたので、これからに期待していたのですが。
残念だけれど、今のジェフとはタイミングが合わなかったということなんでしょう(私はSHは手薄だと思うからそうは思わないけれども…まぁ仕方がない)。
けれども、それでもJ2のクラブやJ昇格を目差すクラブあたりには、落ち着くと思っていたんですけどね。
毎年、将来性は高くじっくり育てればモノになる可能性があるように見える選手でも、周りに埋もれて目立たず、そのままサッカー界を去ってしまうケースも少なからずあるはずです。
しかし、松本の場合チームは厳しい状況ではあったけれども、昨年のシーズン前期にJ1でも出場経験のあった選手。
各クラブのスカウトへデータが不足していたとは考えにくいでしょう。
そう考えると、今のJリーグが全体的にそういった傾向にあるのかなぁと。
世界的な不況の問題もあり、どのチームも運営費を削らざるを得ない状況であると言われている中で、計算できるベテランをメインに考え育つかどうかわからない(あるいは育てるのに時間がかかる)若手選手はあきらめるという傾向になっている…といった可能性が(Jリーグ全体の選手登録数は増えたが、J2に3クラブ増えたのに対し50人弱しか増えていない)。
まぁ、ジェフもそうなのかもしれませんが、ジェフの場合はチームの変革や監督の交代の方が大きいような気もしますけどね。
ただ、本来は諸々含めてそういった時のためのリザーブズなんだと思うのですが…。
この考え自体はクラブの経営面を考えれば、ある程度は仕方がないことなのかもしれません。
しかし、そう考えると、移籍の自由化というのも考え物だと思うんですけどね(こんな話しも出てるけどクラブからすると余計に費用がかかるんじゃないでしょうか)。
移籍が自由化され各クラブの財源を苦しめるようなことになれば(安い移籍金で有望な選手が移籍するようになるかもしれないし、移籍させたくなければ長期契約が必要となるし)、逆に伸びきっていない若手選手が路頭に迷う可能性もある。
また、移籍の自由化はそれに加えて上位チームが有力選手を買い集めて、有力選手の出場機会が少なくなる可能性も出てくる。
だから、移籍を自由化せよというのであればそれらも含めて考えていかないといけないと思うのですが、例えば選手会などはその辺りをどのように考えているんでしょうね。
話しはだいぶそれましたけど、ともかくマツケンにはシンガポールでも頑張ってほしいですね。
アルビレックス新潟シンガポールは育成面において着実に結果を出しているチームだと思いますし、新潟Sから欧州に移籍して成功した例も複数あります。
マツケンはメンタル的にも海外でやっていけるだけの物を持っていると思っていますので、これをチャンスだと思って海外でその才能を発揮して欲しいと思います。