フランスとドイツのクラブ収入


昨シーズン、フランスリーグ・1の試合でスタジアムに足を運んだサッカーファンたちは、1人平均たった1ユーロ(約120円)しかお金を使わなかったらしい(チケット代金は除く)。
(中略)
しかし、ブンデスリーガシャルケ04のホームスタジアムでは、何と1試合ごとに6万リットルのビールが消費されるらしい。スタジアムの収容人数が62,000席、ということは、1人につき1リットルのビールを飲んでいる? いや、でも未成年や、お酒が飲めないファンもいるだろう、そんなことを考えながら悶々としていたとき、「ヴェルテンス・アレナ」というスタジアム名は、ネーミングライツ(施設命名権)を地元ビール会社が買い取ったことに由来すると知り、なるほど納得した。そして忠実なファンたちは、試合開始3時間前にはスタジアムに到着し、気のあう仲間たちと(早めの)祝杯を上げると聞き、2度納得した。さらには、スタジアム内にはビール管のネットワークが走っているのだと知り、3度納得した。1ユーロしか使わないフランス人に対し、彼らは試合ごとに少なくても8ユーロ(約1,000円)は落としてゆく。ビール腹ならぬ、太っ腹である。
(中略)
リーグ・1のスタジアムの多くが市営という現状下のフランスでは、ドイツレベルのスタジアムは夢のまた夢だ。現在のリーグ・1の20クラブのうち、本当の意味での“ホーム”スタジアムを持っているのはオセールのみだが、落成からほぼ1世紀が経過した年代モノだ。
市営のスタジアムをホームとするクラブは、自治体に対し使用料を支払う。スタジアムの改修や改築計画には、住民の税金が投入される上、政治的思惑や都市開発計画なんかも複雑にからみ、必然的にさまざまな困難が発生する。反対派による度重なる抗議活動や、行政裁判所へ建設許可証の無効を求める裁判が幾度となく行われ、そのたび施工が大幅に遅れたグルノーブルの例(スタッド・デ・ザルプ、2008年2月15日落成)が記憶に新しい。(WSP
 面白い話しですね(しかし、機種依存文字使うとか、どうなの…)。
 ブンデスリーガが開催時に大量のビールを消費することなどは有名な話しですが、フランスの状況は詳しく知りませんでした。
 


 じゃあ、フランスのクラブはどうやって利益を出しているんだろう?
 スポンサーが多くを支払っているんだろうか…と思って軽く調べたところ、JFAのサイト内に「フランスのクラブは補助金で成り立つ?」という内容の記事が。


クラブの基本的財源は、入場料収入、スポンサー収入、テレビ放映権収入など、他の国と基本的に変わりはない。しかしひとつだけ独特のものがある。地方自治体からの補助金である。
地域住民からの申請により、フランスではあらゆるスポーツ活動に補助金が支払われるシステムになっている。そしておもしろいことに、プロチームをもつサッカーのクラブにも、年間1億円規模の「補助金」が出ている。都市の旗を掲げて他の都市と戦う形になるクラブは、経済的波及効果を生むだけでなく、その都市に誇りや地域の一体感など無数の価値をもたらす。そうした価値への自治体からの投資が「補助金」なのだ。だが、自治体は一方的に負担を負っているわけではない。「入場料税」とスタジアムの賃貸料で、場合によっては投資した額の倍も収入を得ることがあるという。
 内訳がわからないので詳しいところまではわかりませんでしたが、このあたりのシステムの違いは興味深いですね。
 どれがいいか悪いかというのではなく欧州ですら各国に差があるわけで、日本も他国から学べるところは学びつつ最終的には自分たちで考えて道を作っていくしかないんでしょうね。