どのような外国人選手を望むべきか

 サッカー雑誌には外国人選手獲得を目差していると書かれていたり、スポーツ紙にはちらっと外国人FW獲得断念なんて書かれたりもしているけれど、その前にいったいどんな選手を獲得すべきなのか。
 それが非常に難しい選択だと思います。



 何度も言っているように、現在のジェフは中盤の構成力やビルドアップ能力が乏しく、プレスに関しても継続して行うことができていません。
 中後が入れば少しはビルドアップ能力が高まるかもしれませんが、そう簡単には良くならないでしょう。
 しかも、逆にプレスに関しては一番期待できた戸田を放出してしまいました。
 ですから、そのあたりの課題を補うためにも、4-5-1が理想ではないかと思っています。
 以前にも言ったように、4-4-2は難しいのではないかと。


 今のまま4-4-2にしたら、中盤を構成できず、プレスも効かない“縦ポンサッカー”になってしまう可能性が出てきてしまう。
 だからこそ、本来FWである新居や深井もトップ下で起用されたんでしょうし。 


 しかし、確かに4-5-1では、ゴール前の飛び込みの部分で迫力が不足しています。
 ミシェウは守備やパス回しではある程度期待できますが、ゴール前への飛び込みに関してはあまり期待できませんでした。
(もう少しミシェウが良くなってくれれば、それが一番だと思うのですが…。)


 …となると、それら2つの問題を補う選手が欲しい。
 というか、両方を補えず片方だけの選手であれば、獲得してもあまり意味はないのではないかと。
 


 具体的にいえば、『パスをつなぐ能力』があって『プレスが期待』できて『運動量が豊富』で、『ゴール前に飛び込める』選手。
 けど、そんな選手獲得できるのか?って問題があります。
 少なくとも今のJリーグにはいないんじゃないかと。
 良い時のポンテレベルですかねぇ。
  

 何せ、簡単に言ってしまえば「新居or深井」+「ミシェウor工藤」+ある程度身長のある選手、ですからね(笑)
 そう簡単には獲得はできないでしょう。




 まぁ、万が一そういった選手が獲得できたとしましょう。
 そんなスペシャルな選手がくれば無条件で戦力になるでしょうし(笑)
 言うなれば、トッティっぽい選手ですかねぇ。
 FWじゃないけどジェラードでもいいですね(笑)


 けれど、それにしたって、結局CFのサブの穴は埋められないんじゃないかと。
 トップ下での仕事も出来て、ゴール前への飛び込みが参加できる上に、CFの仕事も出来るような選手を求めるってのは、ちょっと無理があるんじゃないでしょうか。
 いくらなんでも1人の選手に求めすぎですよね。



 結局、そういったところがバランスなんですよね。
 全体像を見つつ計画を立てていかないと、最終的に残り少ない枠だけでは、穴が埋められなくなってしまう。
 確かに中後などはいい選手ですけれども、最重要課題が他にあったのではないかとつい思ってしまうのです。


 ようするに獲得した選手、放出した選手を個別に見ていっても、「今年の補強が成功した(ダメだった)」とは言えないんですよね。
 逆に穴が広がってしまう可能性だってあるわけで、全体を見て評価していかないと…。




 …で、まぁ現実的に考えると、そういったスペシャルな選手の獲得に動く前に、まずは戦力の穴を埋めることを最優先に考えるべきではないかと。
 今のままだと、もし巻が怪我で離脱したり07年のように代表でコンディションがボロボロになってしまったら、それだけでチームが崩壊する可能性だってあります。


 そう考えると、巻のサブとして期待でき、サブでも納得してくれるような選手が欲しいところではないかと。
 将来性のある日本人選手が理想だったと思うのですが、もうシーズンをスタートしたクラブも多いですし、今から日本人を獲得するのはなかなか難しいんじゃないかと思います。


 そうなると若い韓国人選手、中国人選手あたりが候補ですかねぇ。
 欧州だとかブラジルの選手では費用もかかるし、日本まで来てサブというポジションに納得しない可能性もあります。
 それですぐに出て行かれたら、また補強するのにお金がかってしまいますからね。 



 まぁ、最悪、巻のサブではなくて巻をベンチに追いやってしまうようなCFを獲得するというのもありなのかもしれませんけどね。
 初めからサブになるだろうと見込まれる選手を獲得するなんて、難しいことなのかもしれませんし。
 けど、それってチーム(現場)としてはあっているのかもしれませんけど、ジェフというクラブにとって正しい選択なのかどうか…(笑)




 …ところで、某雑誌には「ジェフは1トップで巻に負担がかかりすぎていたため、今期は2トップを目差す」と、書かれていましたね。
 しかし、2トップにして中盤を1人減らせば、当然今度はその分中盤に負担がかかるでしょう。
 結局、理想的なフォーメーションなんてものはないんです。
 3-5-2ならサイドに負担がかかるだろうし、1ボランチならそのボランチに負担がかかってくる。


 どのフォーメーションにするのか?を考える時に重要なのは、どのポジションが余計に負担を受けても潰されることなく自分の役目をこなせるのか、でしょう。
 今のジェフの場合、それがCFなのでしょう。
 ようするに巻が一番、負担を受けてもそれを跳ね除けて、自分の仕事をやってのけてくれる選手だということです。



 4-4-2を本気で考えるのであれば、中盤を4枚にして負担が多くなっても耐えられる補強が出来たのかどうかを考慮すべきです。
 私の中ではまだ厳しいんじゃないかと思います。
 中後、アレックスは増えましたが、その分戸田やレイナウド、根本あたりを放出したわけですし、そこまで大幅な戦力増は見込めないと思います。
 となれば今期もやはり4-5-1が基本になるのではないかと思うのですが…。




 個人的に一番怖いのは、個人での突破力のある得点能力の高いFWを獲って、その選手に依存したサッカーになることですね。
 昨年は細かなビルドアップもまったく出来ていなかったし、プレスも機能していなかったのだから、一歩間違えればその方向に行く可能性が高いチームだと思っています。
 そこに加えて得点能力のあるFWが加入すれば、『外国人FWに依存するカウンターサッカー』へのピースは全て揃うことになるんじゃないかと(笑)


 まぁ、とはいえ私個人がそういったサッカーを好まないだけであって、そういったサッカーを完全に否定するつもりもないので、重要なのはジェフの関係者やフロントがどうそれを考えるかですけどね。