来期の青写真について

 補強や放出などいろいろと話は進んでいますけど、来期の青写真について考えて見たいと思います。
 クリスマスだし、夢を語ったっていいじゃない。
 クリスマスだってのに、何してんだって話しもありますが(笑)


 まず、今期の攻撃パターンについておさらい。
 主にパターンは2つで、はっきりとやりたいことが分れていたと思います。

[パターン1:SHの切り込み]

 本当はCHやDFラインも書こうと思ってたけど、後ろの方はあまり変化が無いからいいや(笑)
 基本的にSHの2人が切り込み、ドリブルで仕掛ける、あるいはミシェウがスルーパスを狙う形をやろうとしていたんだと思います。
 その間、巻は囮になるプレーや後方からのクリアボールのターゲットや守備などを任されていました。


 しかし、シーズン終盤は相手にドリブルの癖を読まれ、打つ手が限られて来てしまいました。
 また、両SHへの負担が大きく、戻りが遅くなることで、実質4-3-3のような形になってしまっていたと思います。
(これには5連勝で上手く行ってしまった分、両SHがゴールを狙いに行き過ぎたといった問題もあるように思います。)
 それだと守備も厳しくなるのは当然のこと、攻撃面でも流動性が失われてしまいます。
 中盤から飛び出す動きというのは、相手のマークをずらし、トップスピードでDFラインに仕掛けられる(オフザボールでもオンザボールでも)という部分にあるはずなのですが、そういった形が全く作れなくなってしまいました。


 よく言われる“前線の蓋”という状況ですね。
 まさにそれに近い形になってしまっていたように思います。
 ミシェウのスルーパスが機能しなくなった一端に、その受ける側の問題もあるのかなぁと思う部分もあります。
 もちろんそれだけの問題ではないでしょうが。


 なのになぜ、SHを中に切り込ませるパターンに最後の数戦までこだわったのか。
 これは単純にミラー監督のサッカーの考え方が「ドリブルで仕掛けることが得点への近道である」という考え方だったからではないかと思います。
 そして、それを仕掛けるのは中央。
 基本的にミラー監督は「ゴール前は何よりも人数が重要である」と考えているように思います。
 だから守備に関しても中に絞らせる守り方をさせるし、攻撃でも結果的に3トップになってしまいました。




 しかし、それではスペースがなくなってしまうし、一番相手が警戒しているエリアに強引に突っ込んでいくことになってしまう。
 例えばオシム監督も人数をかける攻撃はしていたんだけれど、ゴール前に一斉に飛び出すのではなく、むしろ囮になってゴールとは離れる方向に無駄走りをさせてみたりタイミングをづらして飛び出させたりしていました。
 その点が今期のうまくいかなかった頃のジェフとは大きな違いがあったと思います。


 だから今シーズンのラスト2試合はその形に固執することなく、外からのクロスという展開が増えてきたと思います。
 特に最終節は右利きのレイナウドを右に、左利きの深井を左において、クロスを巻にあせるというパターンを明確にしてきました。
 それが2パターン目。

[パターン2:SHからのクロス]

 シーズン終盤だけでなく、緊急補強を実施する前にもクロスからFWに合わせるパターンをやっていました。
 そこに深井というドリブラーとタメを作ってパスを出せるミシェウが入ったことで、[パターン1]に移っていきました。
 しかし、先ほども言ったように[パターン1]では厳しい状況になり、最終的に[パターン2]に戻ったような感じだったと思います。



 けれども、それだと今度はゴール前に人数が不足がちでした。
 そこで非常に単純だけど、青写真。
 シーズン終了直後はこんな感じがいいなぁと思っていました。

[青写真:片方からクロス片方から飛び込む] 

 右に新外国人のエキストラキッカーを置いて、左には基本右利きの谷澤を飛び込ませる。
 そのエキストラキッカーをフォローするために坂本を前方に押し上げる形。
 坂本のフォローのためにも即戦力でビルドアップの期待できるCBと、坂本の疲労を考えて若いSBが欲しい。
 

 レイナは途中までCFで起用されていたし、いざとなったらエキストラキッカーの代わりにもなるだろうから契約延長。
 新外国人のエキストラキッカーが上手く行くかどうかはわからないから、その保険もかねて。


 これによって、エキストラキッカー1人、SB1人、CB1人が必要となる。
 足りないところはマツケンや伊藤、益山あたりを使って、何とかやりくりしてもらう。
 …ってのが、あくまでも私の勝手な[青写真]でした。


 けれど、実際にはレイナを放出。
 これによってFWのサブも必要だしSHも補強しなければならない(アレックスが候補ですが)。
 新外国人もフィットするかわからないし。
(まぁ、そういう意味で日本での経験豊富なアレックスはいい選択かもしれない。けど、ずば抜けた大当たりともいかないかもしれないけれど…。)
 こうやってレイナだけでなく、現戦力をなるべく保持しつつ足りない部分を補強するのがベストだと思っていたんですけどね…。
 それがリスクマネジメントってヤツでしょう。




 まぁ、しかし、[パターン2]にしろ個人的な[青写真]にしろ、場合によっては[パターン1]でもそうかもしれないけれど、ちょっと気になるはやはりトップ下なんですよね。
 基本的にはSHからの切込みが攻撃のメインだとしても、サイド攻撃ならばクロスからのバリエーションは必要不可欠でしょう。
 その場合いくら逆SHが切り込ませても、トップ下に高さのあって得点力がある程度ある選手でないと、1トップではなかなか厳しいんじゃないかと思うんですよね。
 これに関しては、ミシェウが入団当初から心配していた問題ではあったのですが…。
 かといって、トップ下の選手に中盤の仕事もしっかりやってもらわないと、現状ではなかなかチームが上手く回っていかないのでしょうし。



 だからといって、ミシェウが悪いというつもりもないですけどね。
 けど、戦術を突き詰めていくと、結局はそこに行き着くのかなぁとも思わなくもないのです。
 『2つ以上の役割が平均以上にできる選手』。
 平たく言えば1人2役が出来る選手。
 例えば1ボランチだと、守備も出来て運動量もあってパスも散らせなければいけない。
 アンカー(英国風に言えばスクリーンプレーヤーだけど)+パサー。
 そういった選手がいれば前目の選手が1人増やせることになり、そこで相手よりも有利に立つことができることになります。
 オシム監督が代表時代に守れてパスの出せるボランチが欲しいと言っていたのも、もっと優れたFWが欲しいと言っていたのも、それらの選手によって1ボランチあるいは1トップを実現させたかったからではないかと思いますし。


 もちろんこれは初めに言ったとおり、「戦術を突き詰めること」が条件(笑)
 そこまでに言っていないクラブも多いでしょうし、ジェフも現状ではミラー監督の理想の戦術にまでは程遠いのでしょう。



 では、それだけの選手がいない場合はどうするか。
 …となると、もう走るしかないんでしょうね(笑)
 いつもの話しに戻っちゃいますが。
 相手よりも走って、能力の足りない部分があったとしてもそれを補う。
 一番基本的で、だけども一番有効な策なのでしょう。


 だからもしいい選手が見付からなくとも、最終的には走れる選手を呼んできて欲しいですね。
 走れることも能力のうちだと思っていますので…。
 ミシェウももっと走らないとね。
 守備は頑張っているから、主に攻撃に移ったときに。