結局、阿部勇樹なんだよ
ジェフに今年あった課題を解決するには、阿部の獲得が一番だなんてことはわかっているんです。
DFラインにいれればスピードもあるしフィジカルもあるから、ラインの押し上げが上手くしっかりと統率できるし、フィードキックも正確だから攻撃の起点にもなれる。
ビルドアップも正確だから攻守に落ち着きを作れるし、それによってアタッカーであるSHも上がりやすくなることでしょう。
ボランチにおいてもオシム監督仕込みの早いチェックでプレスに参加してくれるだろうし、中盤の運動量も向上できる。
そして、セットプレーにおいても中距離からの直接FKも狙える上、ニアではターゲットになってくれる…。
正直、阿部のような選手が欲しい。
それはシーズン中からずっとわかっていたことでした。
『パスも展開できて守備も期待できるCH』としても、『ビルドアップが出来てフィジカルが期待できるCB』としても、『プレースキッカー』としても期待できる選手。
それって簡単に言ってしまえば、「今一番欲しいのは阿部のような選手」と説明できたわけです(しかも、出来れば2人も)。
結局、未だにジェフは阿部勇樹が移籍した穴を埋めきれられていないとも言えるのかも知れません。
けれど、ここまで頑なに、それだけは敢えて言ってこなかった。
わかっていたとしても、口にしたくはなかった。
ブログだけでなくジェフサポ仲間との与太話でも言ってきませんでした。
それは何故かって言ったら、“プライド”“誇り”です。
阿部はジェフを捨てて、踏み台にして、浦和に移籍したのです。
それ自体はもう恨んでもいないし、今さら掘り返すつもりもまったくない。
ジェフの状況にも問題があったのは事実だろうし、実際問題としてジェフにいてはCWCに出場してミランと戦うことなども出来なかったんでしょう。
けれどだからといって、一度ジェフを裏切った選手にこちらから頭を下げて帰って来て欲しいとは思わない。
…いや、思えない。
それをしてしまっては、まるで阿部がやったこと…ようするにジェフからのステップアップとして、浦和を選んだことを認めたことになってしまう。
それだけは避けなきゃいけない。
なにせ、その阿部が引き金を引いたその後の主力選手大量流出によって、すでにジェフのプライドはボロボロなんだから。
だから、「阿部が欲しい」ということを口に出したり、今回のように「調査に乗り出す」だとか「興味を示す」とマスコミに書かれたりした時点で、もうアウトなんじゃないかな。
精神的に受け付けないし、受け付けるべきでもないと思う。
なぜって、今回のことで最も重要なのは、何よりも気持ちの問題なんだから。
ようするに、付き合っていた女性が他の男に鞍替えして、よくよく聞いてみたらその相手は自分の隣に座っている同僚だったという話し。
そんな女性にいくら魅力を感じ続けていようとも、振られた後もグダグダと未練がましく言うのはダサすぎるだろうってことです。
それが“調査段階”だって同じこと。
「やっぱり昔の方がいいんでしょ」とか「俺も真面目になったしさぁ」とか「まだ金髪がいいの?俺なら金髪が来たら身をひくよ」とか言ってる時点で、プライドも誇りもそこにはないわけで。
…っていうか、ぶっちゃけ気持ち悪い。
これが男女の関係ならばまだ話しに乗るにしても(学生の頃聞いたことあるなぁ…)、今回はクラブ間の話しなわけで。
男女間ならそこだけの話しで済むんでしょうけども、これがサッカークラブともなればそこには多くの人が絡み、多くの人がプライドを求めるわけでしょう?
簡単に言えば、プライドが保てなければそのクラブはダサくなるわけで、ダサいクラブなんて応援したい人なんていない。
だから、戦力だとかお金だとかの問題じゃなく、現実問題とかそういうのを抜きにして、こういった記事が出てしまった時点で非常に残念だと私は思うわけです。
残念以外のナニモノでもない。
喜びなんて全く感じないし、帰ってくる想像すらまったくできない。
そして、クールに受け流すべき議題でもないように、私は感じています…。