反省会'08その8『具体的な補強案について』
まずシステムですが、来期も4-5-1が濃厚ではないかと思います。
なぜ4-5-1なのか。
単純に選手の質の問題で、4人では中盤を構成出来ないのではないかと。
深井、新居、谷澤などをSHに置いてもビルドアップに関しては期待できず、中盤を助けるタイプではありません。
DFもフィジカル重視で足元の上手い選手がいない。
下村も展開力はないしパスをつなげられる選手は工藤くらいです。
ミシェウもパスをつなげますが、SHで使うタイプではないでしょう。
ミラー監督は、基本SHに縦への突破を期待しますし。
これでは中盤を4人で構成できるはずもない。
中盤を5人にした試合ですらパスを回せないのですから、4人にしたらより厳しくなってしまいます。
4-5-1で新居などをトップ下に入れると、パスが回せなくなることからもわかるでしょう。
新居はトップ下でも中盤の構成に参加することは少なく、実質MFは4人気味になってしまいますからね。
また、守備に関しても4-5-1というのが重要になってきます。
良い状況で戦えている試合では、前からのプレスが上手く機能していました。
そのプレスを機能させるためにも中盤は1人多い方が実施しやすい。
4-4-2で前からのプレスをするにはラインを積極的に上げ、中盤の選手のフィジカルが求められるわけですが今のジェフはちびっ子ばかりですからね。
ミラー監督だって、新居や深井は本来FWが起用した方が良さを引き出せる選手だということはわかっているでしょう。
それを実施しなかったことには明確な理由があるのです。
そして、その問題はいくら補強してもそう簡単には解決できないのではないかと思います。
ということで、理想とすべきなのは4-5-1である程度パスを回しサイドを突破するサッカーではないかと私は思うのです。
次に今期の陣営をまとめて見たいと思います。
中盤から前は戦い方を色々と変えてきたので、役割も記述。
ターゲットとなる1トップ…巻、(レイナウド)
タメが作れパスの出せるトップ下…ミシェウ、工藤
スピードのあるセカンドストップ…新居、深井
ドリブルで中に切り込めるSH…谷澤、深井、新居
高質なクロスを上げられるSH…(レイナウド)、(根本)
守備の期待できるSH…工藤
ゲームを作ることが出来るCH…工藤、戸田
守備が期待できるCH…下村、戸田、大輔、早川
右SB…坂本、早川、青木良太
左SB…青木良太
CB×2…ボスナー、池田、早川
GK…岡本、櫛野、立石
まず『ターゲットとなる1トップ』はレイナウドの放出で補強が必須となってしまいました。
補強できなかったらどうするんでしょうね。
来期も中盤から前はターンオーバー制をするのでしょうから、全体的に『SH』も人数が足らないように思います。
新居、工藤は基本的には真ん中の選手だと思いますし。
これを踏まえて、今期の課題だった部分を振り返ってみたいと思います。
残留は出来ましたが、課題はまだまだたくさんあると思います。
・DFラインの押し上げ
終盤に苦しんだ一番の原因はこれではないかと思います。
ラインが押し上げらないためプレスもかけられず、間延びして攻撃も出来ず、疲労も増えてしまいました。
特にSHが動く距離が長くなり、ターンオーバーをしざるをえなかったのもそのためではないでしょうか。
これに関してはDFラインがもう少し我慢しなければいけないところでしょう。
池田、早川だと押し上げられていたところを見るとボスナーに課題があるように思いますが、チームとして解決していきたいところです。
・ビルドアップ能力の欠如
今期のジェフのビルドアップの拙さはかなり酷いものだったと思います。
後方から落ち着いてパスをつなげられれば、時間を作れるようになり「DFラインの押し上げ」も容易になるはずです。
今期はCHに攻撃に特徴のある工藤を置いてもビルドアップができていないため、攻撃に転じることが出来ない試合が多々ありました。
また谷澤、深井、新居、ミシェウなどのアタッカーを活かすためにも、後方でパスをつなげるようになることが重要でしょう。
解決するのは簡単ではないですが、『ビルドアップができるCB』が必要なのかもしれません。
ただ、4バックなのでフィジカルも必要となりますから、足元も上手くてフィジカルも強いCBとなるとなかなか獲得は難しいのですが…(オシム監督もよく言ってましたが)。
または、『守備も出来て展開力もあるCH』の補強が有効かもしれません。
・サイドの守備
SHの戻りが遅れて数的不利を作られることが多かったですね。
これも「DFラインの押し上げ」に絡んでくることでしょう。
サイドが突破されると、ラインはズルズルと下がってしまいます。
しかし、SHから言えば「DFラインの押し上げ」が出来ていないから、長い距離を走らされて戻りが遅れてしまうということかもしれません。
「ビルドアップ」と「押し上げ」とも同じく、卵が先か鶏が先かといった感じで問題解決が難しい。
「押し上げ」の問題を解決しつつ『守備の出来るSH』が必要になってくるように思います。
深井、新居は守備能力に課題があったように思います。
また、数的同数の場面でもやられてしまう場面も多かったと思います。
坂本の年齢もありますし『若くて守備の出来るSB』が必要なように思います。
・逆サイドが絞りすぎて穴が出来る問題。
最終節では「監督が逆サイドの良太にもっと絞るように言っています」と解説が話した直後、右からクロスを上げられ絞った良太の先のSHがフリーになってシュートを打たれ、その後のCKからやられてしまいました…。
CBが不安だからSBに絞らせているんでしょうか?
ならばより『高質なCB』が必要となるはずですが…。
これは監督に聞いてみないとわからないですね。
・攻撃の課題
5連勝後は、相手にドリブルを読まれ途端に手がなくなってしまいました。
やはりドリブル突破だけでは限界があるように思います。
個人ドリブルだけで得点を奪おうとなると、1人で2、3人を突破しなければなりませんが、現代サッカーではそれは不可能に近い。
サイドでの1対1でドリブル突破からクロスというのならありでしょうが、今のジェフにはドリブルとクロスの両方を持ちあせている選手がいない。
この結果、最終的にレイナの高質なクロスを活かすサッカーをしざるを得ない状況になってしまいました。
この状況をみると、来期も『エキストラキッカー』は必要だと思います。
来期はレイナよりも安定感のある選手を確保すべきではないかと私は思います。
・プレースキッカーの不在
根本を起用するとセットプレーでチャンスを作れたように、セットプレーからの得点機会が少なかったのは蹴る側の質に問題があったからだと思います。
現代サッカーでのセットプレーの重要性は言うまでもないこと。
『質の高いプレースキッカー』が欲しいですね。
まとめると、巻のバックアップとなる『ターゲットとなる1トップ』は他に選手がいないため絶対に必要。
大島、我那覇が候補になっているけれど巻の年齢を考えると思うと、もっと若い選手が理想的ではないかと思います。
豊田や森島は人気選手になってしまいましたが、豊田次第で同じ山形の長谷川悠とか。
FC東京の近藤とかは出してくれないんでしょうか。
他にはハーフナー、三木あたりが候補か。
藤田も高さがある選手ですが…もう鳥栖からはFW獲りにくいですしね。
『若くて守備の出来るSB』は中村北斗がリストアップされているようです。
若い選手ですし守備も期待できますし、いい補強ではないかと思います。
ただ、将来有望な選手ですし知名度もありますしライバルは多そうですから、次の候補も考えておくべきでしょう。
個人的には京都で解雇された大久保あたりかと思うんですけど。
左SBには青木良もいるし右さえ補強で切れば坂本がバックアップ出来るでしょう。
『ビルドアップも期待できるCB』は、候補自体が少ないように思います。
若い選手ならば福元、吉弘あたりが候補でしょうが…。
年齢は高めですけれど即戦力なら那須あたりでしょうか。
ポジション柄、育てるのも難しいですし、中途半端な選手を取るくらいなら川上を育てて…と思っていたら移籍が発表に…うーん。
外国人選手獲得も噂されていますが個人的には外国人CBが2人というのは反対です。
いつ出て行ってしまうのかわかりませんしね。
もし新外国人選手を獲得するのであれば、ボスナー放出も考えなければいけないのではないでしょうか。
『守備も出来て展開力もあるCH』に関しては、補強するのであればそれなりの選手ではないといけないでしょう。
下村と工藤を足したような選手でなければ上積みは期待できず、外国人選手でもなければ大きな効果は内容に思います。
日本人CHでも選手層は厚くなるかもしれません。
けれど、大悟も中後も工藤、下村もスタメンを希望するレベルの選手だと思います
しかもCHはチームの要であり、監督もこのポジションはあまり選手を入れ替えませんでした。
逆に彼らが獲れるのならば、戸田や早川あたりは放出すべきでしょう。
ベテラン選手の余剰戦力はチームにとっても選手本人にとってもいいことではありません。
最後に根本、レイナウドの放出で人数不足となった『SH』。
『エキストラキッカー』を補強するのであればここに置くしかないように思います。
また、『質の高いプレースキッカー』としても期待したいところです。
ジェフの攻撃の一番のポイントは『SH』です。
(このあたりもミラー監督から近代欧州サッカーらしさが出ています。)
しかし、『SH』の補強も非常に難しい。
ゴール前に人が足らずSHを中に切り込ませるようにしていましたが、SHを中に切り込ませると今度はチャンスメーカーがいなくなってしまった。
しかも、守備もしっかりとしなければならない。
となると『チャンスも作れて中にも切り込めて守備も出来るSH』となるのだけれど、これは外国人選手でもなかなか難しいでしょう。
また、SHは運動量も要求されそのためにターンオーバーせざるを得なかったのではないかとも思います。
しかし、攻撃のポイントとなる『エキストラキッカー』をそう簡単にころころ変えることはあまりしたくはありません。
ですから、ここに重要な外国人選手を補強するのであれば、周りがしっかりとサポートしなければ行けないように思います。
中に飛び込む仕事は逆SHとトップ下がある程度頑張る、SBの攻守におけるサポート、ラインの押し上げ…などなど。
その分獲得した選手にはビルドアップのサポートも期待しなければならないでしょう。
また、守備に関してもある程度頑張ってもらわなければいけません。
もしそれが出来ないのであれば、外国人枠は『CH』でしょう。
あるいは『SH』と『CH』の両方を外国人枠で獲得するか…ですが、あまり外国人選手には依存したくない思いもあるんですけどね。
そういう意味でも、FWとSHも出来るし、レイナウドはちょうど良かったんだけどなぁ…(笑)
『SH』に外国人選手を補強してもサポートができる自信がないのであれば、『日本人SH』を補強しなければなりません。
その場合は、磐田の太田、左利きの渡邊圭二あたりでしょうか。
ただ、個人的には縦にも中にも行けて、守備も運動量も期待できる苔口の復活に期待しているんですけどね。
怪我から復帰していた頃はミラー監督も起用していましたし、上手く経験を積めばSHとしては新居や深井以上にいい選手になるのではないでしょうか。
また、松本にも期待してたんだけど…。
もし『SH』あたりに外国人の『エキストラキッカー』を補強せず、バランサーとして『CH』やフィニッシャーとしてだけの『FW』を外国人枠でとった場合、来期もチャンスを作るのは相当苦労するのではないかと思います。
いくら得点能力のある『FW』を獲得したってチャンスが作れなければ宝の持ち腐れ。
いったいどこでチャンスを付くのか。
それのためにもどのようなサッカーをするのかについて明確な青写真を、強化部と監督とでしっかりと話し合っておいて欲しいですね。