オシム監督「空っぽになった感じだ」

 朝日のウェブサイトにオシム監督のインタビューが掲載されているので、ご紹介いたします。
 オシム信者(笑)にとっては聞いたことのある話しが多いですけど、非常に興味深い内容になっています。


今の気持ちは。
「空っぽになった感じだ。ただ、日本という立派な国で代表監督ができたのは名誉なこと。日本は生まれ故郷のボスニアに匹敵する大事な国。いい形で痕跡が残ればいいな、と思っている」
 やはり現在進行形で「痕跡を残したい」と思っているようですね。
 それなのに…。



十分に痕跡を残した。
「努力はしたが、残っているかどうか。日本代表をコレクティブ(組織的)な集団にまとめようとした。いろんな個性があった上で、同じインスピレーション、同じアンビション(大志)、同じアイデアを持っている集団。でも時間が足りなかった」
 このあたりのチームの組織力というか、連係力。
 ピッチ上の全員の選手が同じイメージを抱いて、そのサッカーを目差すことが重要であるということですね。
 そのためには監督がしっかりと明確なビジョンを築き上げなければいけない。
 だから…。

「日本は欧州の一流のサッカーと大きな差はないと思うが、何が一番違うか。それは練習に取り組む姿勢がどれほど真剣かということ。欧州のビッグクラブの練習を見に行くといい。簡単そうに見える練習でも全力でやっている。練習を完璧(かんぺき)にできて初めて試合でいいプレーができる」
 選手は普段の練習から真剣に取り組むことが重要と言う事ですね。



ほかに助言は。
「日本サッカーに対して、はっきり言える人が誰かいるべきだ。批判があって初めて前進する。例えばお店でおいしくないコーヒーを出されたとする。誰かがおいしいと言うと、次の日もお店の人はそのコーヒーを出す。本当のことを言うことが大切です」
 日本サッカー…ようするに代表だけの問題ではないと思いますね。
 祖母井さんも「サポーターはクラブの運営に関しても、もっと厳しい目で見るべきだ」と言う話しをしていましたし。
 もちろんオシム監督が言っているのはサポーターに対してというわけではないのでしょうが、サッカー関係者全員がもっとサッカーに真剣になることが重要なのではないかと思います。
 最後に。

「今後も私はいつでも手伝う準備はできている。日本のクラブの指揮?オファーがあればその時に考える。ただもっと体を良くしなければいけない。こうして生きて話していることが奇跡だと言うお医者さんもいる。前のような仕事に就くことができたら奇跡の2乗ですね」
 とのことです。


 ジェフサポとしてはつい「いつかジェフの監督に…」と思ってしまうところですが、我々はアマル監督をしっかりとサポートしないまま解任し、一度オシム路線を粉々に打ち砕いたわけです。
 であるのであれば、もう一度しっかりとしたチームのベースをもう1度気づき上げない限り、「いつかジェフの監督に…」なんて言葉は恥ずかしくて口にすることすら出来ません。
 オシム監督を招集した時だって、祖母井さんを中心に既にチームのベースは着々と作り上げられていたわけですしね。


 では、どうやってチームのベースを作るのか。
 そこで重要なのが、強化部による長期的なビジョンに基づいたクラブの方向性ですね。


 そして、その強化部を支え、時には「はっきりと言い」、時には共に助け合っていくのがサポーターとなるのでしょう。
 クラブ運営にとってフロントが重要な役割を担うのは間違いないわけですが、クラブというのは本来フロントのものではなくサポーターも含めた関係者みんなのものです。
 ここ2年間のジェフの流れを振り返ってもわかるように、サポーターのがクラブにとって大きな影響を与えることもあるわけです。
 だからサポーターも強化部に丸投げすることなく、しっかりとクラブのビジョンを考えていかなければなりません。



 とはいえ、チームのベースを作るというのはそう簡単ではないように思います。
 オシム監督このインタビューで若手が育っていないのは5年、10年前に問題があったからといっているように、若手を育てチーム育てていくためにはそれだけの年月がかかるわけです。
(だから今から安易な補強はするべきではないと言っているんですけどね。)
 だから、サポもチームもフロントも我慢すべきところは我慢して、じっくりとチームを作りあげていかなければいけないんじゃないかと思うのですが。




 ともかく、オシム監督が早く良くなることを祈りたいと思います。
 そして、オシム監督の体調がよくなられた時に、胸を張って「帰ってきて欲しい」と言えるようにしておきたいですね。