『敵は己の中にあり』
確かにあの判定自体は微妙なものだったとは思います。
Jリーグ1部(J1)第30節最終日(26日・NACK5スタジアムほか=5試合)大宮に敗れた千葉のミラー監督が「審判が流れを変えた」と家本主審に激怒。1−1の後半開始直後、大宮に決勝PKを与えるファウル判定を受けたが「審判はボスナーが(相手を)倒したというが、ボスナーは触っていない。ビデオでも確認した」と顔を紅潮させた。DF池田も「近くにいたのはボスナーではなく自分」と困惑。8戦ぶりの黒星で入れ替え戦回りの16位へ再降下。クラブはリーグへ意見書提出を決めたが、結果は戻ってこない。(サンスポ)
ボスナーは相手選手に触れてもいなかったように思うし、単純にゴール前での競り合いで相手が倒れただけのように見えました。
(だから池田がファールをとられたんだとばかり思っていた。)
ただ、そればかりを言い過ぎるのもどうかと思う。
私は守備的なサッカーをしたせいで負けたとは思わないけれど、あの試合では明らかにボールを持たれすぎていて、決定機に関しても向こうの方が多かったわけで。
あのPKの場面もサイドバックがどフリーになっていて、そこからやられてしまった形。
90分間を通してジェフの課題であるサイドの守備を付かれていた試合で、あそこでやられなくとも他でやられていたんじゃないかと思います。
というか、それくらいに思わなければいけないほど、守備にはっきりとした問題点があったんじゃないかと。
ようするに守備的なサッカーなんだけど、守備が固いわけではなかった。
それで勝てるはずもないですよね。
そして、相手に勝ち越されるとようやく前に出れるようになって…。
ようするに気持ちの問題じゃないかと思う。
だから、審判のせいにするのは簡単だけれど、ここは気合ちを入れ直すためにも問題点をはっきりすべきじゃないかと思う。
あの試合で勝つべきチームは、大宮だったんじゃないのかということです。
大宮は久々にスタメン出場した小林大梧を中心にボールをしっかりとつなぎ、相手の課題であるサイドをうまくつき、ラフティッチに対してクロスを上げる。
チームとしての狙いもはっきりしており、ジェフへの研究も疎かにしていなかったし、何よりも気持ちが入っていた。
やるべきことをやってきたチームが勝ったと。
それだけの話しで。
家本審判に関しても確かにあの判定は誤審だったと思うけれど、それ以外に大きなミスはなかったようにも思うし、より大きな問題であるはずの『試合全体のバランス感覚』という意味では決して酷く悪かったわけではないでしょう。
ラフティッチに手を焼いていたジェフの守備陣のことを考えれば、ミスはミスなんだろうけどまぁ仕方のないレベルじゃないでしょうか。
確かその前にあったボスナーがラフティッチにスカッと抜かれた瞬間に相手ユニを引っ張っていたプレーは、イエローカードが出てもおかしくなかったと思うし。
だから、私は意見書を出すというのはいかがなものかなぁと思う。
審判に文句を言う前に、チームとしては選手達にもう一度喝を入れ直すべきなんじゃないかと。
もちろん時にはチームが、審判から選手をかばわなければいけない場合もあるとは思います。
けれど、それが今だとは私は思わない。
素晴らしい試合をして、それに対して審判が水をさして、結果が覆ってしまったというのならわかります。
けれど少なくとも今回はそうじゃないでしょう。
むしろ審判に責任転嫁することによって、チーム内の問題点がぼんやりしてしまうのであれば、それこそ私は非常に心配です。
この2試合で結果が出なかったのも、一時期の勢いで5連勝できてしまって「なんとなくこのまま行けば残留できるんじゃないか?」という思いが、チームの中に出来てしまったからではないかと思います。
けれど、実際にはアウェイの戦い方だとか、絞りすぎる守備だとか、ミシェウの使い方だとか問題は山積みで、決して凄くいい内容が続いていたわけではなかった。
けれども、結果が出ていたばっかりに、問題点を解決する意識が薄れてしまったんじゃないかと思います。
だから、はっきりさせるべきでしょう。
『敵は己の中にあり』と。
“敵”というのは言い過ぎかもしれないけれど、勝つのも自分達次第だし、負けるのも自分達次第。
これが余裕のある時期ならまだいいかもしれないけれど、もう我々は崖に追いやられた状況なのであって、言い訳なんかしている余裕はないのですから。
短い時間の中で少しでも問題点を解決していかなければいけない状況なのであって、他方を見ている場合ではないはずです。
だから、今は自分達の中の問題を解決しすることに集中し、残留することに全てをかけるべきでしょう。
そのためにチームがやるべきことは、たくさんあるんじゃないかと思います。