三大リーグやF1にも金融危機の影響が


現在、富士スピードウェイで日本GPが開催されている自動車のF1。チームの運営は巨額なスポンサー資金に支えられているだけに影響は避けられない。国際自動車連盟とチーム代表が、次戦・中国グランプリ(GP)終了後にコスト削減に向けた緊急会議をすることになった。
BMWザウバーのマリオ・タイセン代表は「自動車メーカーはもちろん、あらゆるスポンサー業界も打撃を受けている。F1でも、早急に対策を練らねばならない」と話す。ウィリアムズ首脳はBBCに「1、2チーム、しかも主要メーカーのチームが撤退する可能性がある」と語った。(朝日
 世界的な金融危機でF1もプレミアもNBAも大変なことになりそう…という朝日の記事です。
 MLBでも売却予定だった福留のいるカブス売却が困難な状況にというニュースが出ています。
 実際、F1チームのトップが中国GPで会合するのは事実のようで、なんとここに来てカスタマーシャーシが認められるんじゃないかなんて話しが。


 スーパーアグリは他チームがカスタマーシャシーを反対したせいで投資家が二の足を踏み、資金が集まらずに撤退に至った…という背景があります。
 また新興チームプロドライブも、マクラーレンのカスタマーシャーシを採用する予定だったのがご破算になりF1参戦を見送り。


 このカスタマーシャシーはより安価にF1に参戦するために考えられた案だったのですが、チームの賛同を得られずに(といっても一度は賛同してた…というか反対が出ないまま承認となったはず)大揉めに揉めました。
 なのにここにきて大不況となり他チームも首を縦に振らざるを得なかった…ということでしょうか。
 しかし、それではあまりにもスーパーアグリなどがかわいそうですよねぇ。


 何せ金融危機が起きたからこうなったとはいえ、F1はお金がかかりすぎるということでチームはブーブー言っていたわけですから。
 ようするにチーム関係者は、多大な資金がかかることで親会社やスポンサーがいつか怒り出すんじゃないかと、ビクビクしていたところがあったはずです。
 そのためF1チームはFIAに「もっと安く済むようにしろ!」と抗議の姿勢を見せるのだけど、無駄金を使っているのはどう見てもチーム側。
 あのきらびやかな金のかかったパドックやら装飾品やらを作っておいて、「金がかかる!」と言われてもどうしても違和感を感じてしまうんですよね…。
 自分たちはコストカットの努力をしていないくせいに…とね。
(その点でスーパーアグリルノーの姿勢はとても好印象でした。)


 いや、個人的にはカスタマーシャーシの精神は反対でしたけどね。
 でも窮地に陥ったからといって、何を今さら…と思う。



 また、サッカーでは…。


クラブの負債総額30億ポンド(約5280億円)とサッカー協会長が警告したイングランド・サッカー界。英政府が9日、アイスランドの銀行の資産凍結を宣言し、会長がこの銀行の主要株主であるウェストハムは身動きが取れなくなる可能性がでてきた。
チェルシーは幹部が「我々の債権者はオーナー(アブラモビッチ氏)で、彼は銀行家でも保険会社でもない」と余裕を見せる。だが、同氏も母国ロシアで所有する会社の株式が急落。損失額を120億ポンド(約2兆1千億円)と計算してチェルシーへの影響を伝える英メディアもある。
 イングランドだけでなくスペインも厳しいようで、1部のクラブのうち6チームがメインスポンサーなしとの報道が。
 イタリアでもセリエB金融危機の影響で財政的に厳しい状況になり、ストライキを起こそうとするなどの混乱も。
 ストライキ自体は回避されたそうですが、「クリスマスまでもたないクラブもあるだろう」とリヴォルノの会長は述べているそうです。 



 日本は発展途上国の中では比較的影響が少ないという意見もありますけど、こうなってくるとさすがにJリーグも心配ですね。
 秋春開催なんて悠長に話している場合じゃないかもしれない。
 タイミング的に心配なのは来年度のスポンサーでしょうか。
 JR東日本はそこまで直接的な被害は少ないのかもしれないけど、心配なのは輸出産業の親会社がいる名古屋とか、横浜FMとか、磐田とかですかね。


 まぁ、この金融危機自体がどう転ぶのかまだわからない状況なので、具体的な部分ではなんともいえませんけどね。
 でも、トヨタは既に広告費を昨年に比べ3割削減する見込みだとか。
 トヨタの広告費は1000億円とも言われてますから、相当な額になります。
 もっとも去年トヨタは国内シェア争いにすんごい気合を入れてたんで、例年よりも若干高めだったのかもしれませんが。



 ともかくJリーグは真剣に金融危機への対策を考えておくべきではないかと思います。
 1つ潰れれば連鎖的に…という可能性もあるわけで、もしかしたらリーグ全体で助け合わなければいけないような状況が迫ってくるかもしれません。
 どのような事態が起こってもいいように、今のうちから対処法を練っておく必要があるのかもしれませんね。


 
 ちなみに、今のところブンデスリーガ金融危機に関しての話はあまり出ていないようですね(日本に伝わってきてないだけかもしれないけど)。
 ドイツ自体が比較的金融危機の影響が少ないのか(しかしドイツ政府も遅れて5000億ユーロを国内金融機関に投入すると発表。やっぱり状況は厳しいらしい)、地道に身の丈にあった経営をしてきたリーグ側の成果なのか。
 その方針が正しいと証明されJリーグにも被害が及ばなければ、Jリーグの掲げてきた「身の丈経営」もまた再評価されるかもしれませんね。