ジェフはアジア枠をどう使うべきか

 来年のことを話すと鬼が笑うと言いますし、実際J1に残留できるかどうかで補強の仕方と選手の動向もだいぶ変わってくるとは思うのですが、既に来期の補強に関しては動き出さなければいけない時期で大まかでも来シーズンの構想は考えていかなければいけないと思います。


 来シーズンの構想で考えなければいけない1つのポイントが、新に出来るアジア枠の外国人選手ですね。
 ジェフの練習にも参加し豪州でもプレー経験のある今矢直城氏には、早くも一緒にAリーグの選手を見て欲しい(音が出るので注意)という話しがあったようですし。
 しかし「なるべく積極的に使うべきだ」という意見もあるかもしれませんが、私はなかなか難しい問題だと思っています。



 ジェフはチームのベースを日本人選手で構築し、そこに外国人選手を上乗せする方向性を貫いており、今のところ昼田さんもその方向性を維持する考えではないかと思います。
 そのように感じるのが、外国人選手のポジション。
 紆余曲折があったとはいえ、DF、MF、FWと満遍なく補強しています。
 こうすることによって各ポジションで外国人に頼ることなく戦うことができ、それが日本人選手の成長にも繋がっているのではないかと思います。


 しかし、4人目ともなると当然「各ポジションに1人ずつ」とはいかなくなるわけです。
 ジェフはボスナーがオーストラリア国籍であるため、ボスナーが残留してくれればどの国籍の外国人選手でも、4人目の選手として獲得することができるはずです。
 だから、比較的補強の幅を広げやすい状況にあるといえるでしょう。


 しかし、いざどこを補強するのかというと難しい。
 例えば現戦力がほとんど残ってくれると仮定した上で、ボランチの即戦力となる選手を補強すれば選手層はかなり厚くなるでしょう。
 しかし、その分下村や工藤あたりが外れるとなると、チームの将来が心配になります。
 外国人選手は長くチームに在籍してくれないかもしれない。
 せっかく育った生え抜きの選手である工藤を蔑ろにすれば、今後の若手選手などにも影響を与えるかもしれない。
 それにせっかく頑張ってきた「日本人選手で戦う」方向性もなくなってしまう。
 こういったものはイメージによるものが強いから、一度でも外国人選手に頼ってしまうとそのイメージを失ってしまうかもしれないですしね(笑)
 そうなってくるとチームの内外に影響を及ぼすかもしれない。




 そうやって考えていくと、本当に色々と悩ましいのですが(誰が残ってくれるのかという問題もあるし)いっそ若手外国人選手を呼ぶのもありなのかなぁ…と思います。
 今までのジェフは外国人選手に“経験”の部分を求めていたところがありました。
 ジェフは育成型チームであるため、どうしても若手選手が多い。
 それを引っ張っていってもらうために経験のある外国人選手を呼んできて、足りない部分を補ってもらおうという考え方です。


 しかし、その部分に関しては今の外国人3人に任せ、最後の1人は若手枠として起用する。
(ちなみに私の中では今のレイナウドは十分な戦力です。ターンオーバー制で各攻撃ポジションに2人は必要な状況で、巻の代りというのは他にいないですしね。しかも巻には代表もあるわけですから。)
 初めから出場機会が期待できない状況ではモチベーションに不安がありますから、それなりの実力のある選手でないといけないかもしれないですけどね。
 けれど、ミラー監督は攻撃的なポジションはターンオーバー制を敷いていますし、若手選手でも攻撃的なポジションの選手ならある程度は出場機会をえれるかもしれません(もちろん最終的には本人の頑張り次第)。
 これが上手く行けば、ある程度の選手層が必要となるターンオーバー制のサポートにも繋がるんじゃないかと。
(具体的に言うのならサイドアタッカーの部分でしょうか。谷澤と深井が欠けると途端にサイドアタックが機能しなくなりますし…。)



 無論、有望な若手選手を獲得するのは簡単ではないと思います。
 しかし、オーウェンやデコを獲得するって言ってたくらいなんだから、それよりはマシでしょう(笑)
 むしろ未来のオーウェンやデコのような選手で(実際にそうな風に評価されている選手は獲れないだろうけど)、20歳そこらの伸び悩んでいる選手の獲得を目差せば補強も比較的楽だし安くつくんじゃないかと。
 イメージ的にはもう少し若い青木良や谷澤のような選手でしょうか。
 ミラー監督のコネで西欧の若手選手とかを獲得できれば、面白いかもしれませんね。
 話題性も得られるかもしれないし。




 とにかく、基本的には4人も即戦力の外国人選手を無理に補強するのは反対かなぁと個人的には思います。
 今のジェフは外国人2、3人でチームとしてのバランスが上手く取れていると思いますし、それによって選手達の自覚も芽生えてきた。
 まぁ、来年を「勝負の年」と位置づけるのであれば、即戦力もありかもしれませんけど(笑)
 でも、そう簡単ではないと思いますけどね、上位争いは。
(ただ、ミラー監督の手法だと戦力がある程度必要だと考えられるので、ダラダラ中位でやっているとお金を浪費するだけかもしれません。早めに勝負の年を決めて当って砕け…てはダメか。このあたりも悩ましい。)


 外国人枠が実質4人となって、何でも出来るような状況ではあると思います。
 強固なCB2人とFW2人を外国人枠にして、カウンターサッカーなんて手もあるかも知れない(笑)


 でも、そこでクラブがどのように考えるのか。
 本当にそんなことをやらかしたら、日本人選手の育成に問題を生じる可能性が非常に高い。
 しかし、「日本人選手が育たなくなるから日本サッカー界が心配」とアジア枠に反対する意見も多かったけれど、日本人選手が育たなくて一番困るのは実はクラブの方じゃないんでしょうか。
 どうしても外国人選手は当り外れが大きく、外国人選手に頼りきったクラブ作りというのはいつかどこかで支障が出てしまう。
 それを理解できていればそうはならないわけで、それこそクラブの力量と方向性が問われるのかもしれません。