もう少し落ち着いて見せて欲しかった日本GP

 ふざけんなよJap!
 なにが中嶋一貴だ!
 上位争いを見せろ!
 

 …と、スタート直後の争いで世界中のF1ファンがテレビに向かって叫んだに違いない。




 いや、叫んだのは私だったりして(笑)


 あのシーン、レースの中でも大きな見せ場だったはずです。
 フェラーリの2台とハミルトンが絡む格好で第一コーナーに入っていって、その混戦を掻い潜ってアロンソクビサが抜け出す…かどうか、というところでフジテレビはまさかの中嶋へのスイッチ。
 クラッシュしたクルサードを心配してその場面を写すのならばともかく、カメラは中嶋が復帰するかどうかというほとんどレースには関係のないところを放映。
 レース中の国際映像はフジテレビが撮影したものだけが使われるF1ですから(ちょっと前までは勝手にテロップをつけるのすら禁止だった)、全世界に恥を晒したということになるはずです。


 昔はフジテレビの映像ももっとまともだったんですけどねぇ。
 トヨタとか電通とか、お金が絡むとこうなってしまうのか…。



 その後もフジテレビはカメラのスイッチを頻繁に行い、じっくりレースを見せようという意識を全く感じませんでした。
 最近はよくスポーツの放送あり方に関して問題定義されることが多いですけど、フジテレビのF1放送も同じですね。
 日本対UAE戦の日テレも酷かったなぁ。
 藤井アナ、もっといい環境ならいいスポーツアナウンサーに育ったんでしょうけどね。


 
 レースの方は、そのスタート直後の絡みによって、混乱した展開となりましたね。
 しかし、個人的にはこういったレース展開はあまり好きではないです(…というか、それを認めていいのかって思いもある。アクシデントを主催者側が人工的に作ればよくなるわけで…)。
 パッシングシーンは確かに増えますけど、マッサやハミルトンが格下のマシンを抜いたところで「それで?」という感じ。
 シューマッハーみたいなすんごい追い上げがあれば面白いと感じるかもしれませんけど、今はレギュレーションの問題もあってそういった驚異的な追い上げは起こりにくくなっていますからね。
 いや、もちろんドライバーの方にも問題はありそうですが…。
 だから、市街地コースは好きじゃないです。
 シンガポールでの荒れたレースもさほど面白さを感じなかったのはそのあたり(まぁそれでもモナコバレンシアよりは“まともな”バトルがあったけれど)。


 あのアクシデントがなければ、あまり動きのない展開になったのではないかと思います。
 ブルツは「富士はいいタイムが難しいチャレンジングなサーキット」といったそうですが、これは見解違いだったことが証明されました。
 スターティンググリッドを見ればわかるように、チームメイト同士が綺麗に並んでいます。
 唯一差ができたのがタイヤ選択を間違えたというニックと、いつも差が出てしまうアロンソピケjr.。
 それ以外は下位チームも含めて、ほとんどチームメイトと近い位置にいます。
 ようするにドライビングの小さな差はほとんど現れず、マシンの差だけでタイムが決まってしまうサーキットということですね。



 唯一、面白かったのがクビサライコネンを追う10数週目のバトルでした。
 この争いはそこまでマシンの差がないはずで(いやでもフェラーリの方がいいはずだけど)、純粋に見ていても楽しめたかなぁと。
 でも、結局はやっぱり抜けなかったですけどね。
 クビサががんばったというのもあったでしょうけど。
 長いロングストレートが一番の売りである富士だけど、1コーナーで並んでもインを閉めていれば大丈夫という部分がはっきりと出ちゃいましたねぇ。
 ライコネン種割れも通用しなかったか…(笑)



 優勝はアロンソ
 目立ちはしませんでしたけど、落ち着いた走りを見せてくれたと思います。
 優勝争いをすると憎たらしさばかりが目立ってしまうキャラクターですけど、こういった上位争いを荒らす役目だとヒールに徹することが出来るので面白く見えてくる…って感じがします(笑)
 ピケjr.の決勝での走りを観るとチーム自体もよくなっているようだし、来年に予定されているルノーのテコ入れが成功すれば面白くなるかもしれませんね。
 いや、でもあまり成功しすぎても、また憎たらしさが目立っちゃうのかなぁ(笑) 
 逆にマッサとハミルトンは…まぁ、残り数レースに期待したいと思います。




 ちなみに観客動員数は3日で21万3000人。
 去年は天候が悪かったのにもかかわらず28万2000人だったわけで、だいぶ減ったことになります。
 今年の運営は問題なく終わったという話だけど、人数が減ったことが一番大きかったんじゃないかと…。
 キャパシティ的にこれが限度なんじゃないかと思いますが、どうなんでしょう。


 諸問題に関しては、そりゃ20億円もかけて去年あれだけ問題が出きってしまえば、ある程度解決できるのは当たり前でしょうし。
 むしろそれで解決しなかったら、どうなのってことになっちゃう。
 というか、むしろ問題なのはやればできる初年度からできなかったことで、その爪跡はそう簡単に消えるものじゃないでしょう。



 なにせ、06年の鈴鹿は36万人だったということですからね。
 



 まぁ、個人的にはトゥルーリが一時的に1位を走っていたのに、トヨタ席がノーリアクションだったところが一番面白かったかな(笑)
 しっかり運営に投資したのなら、社員のサクラもしっかり育成しとかなきゃ(笑)