深井は左利きの羽生ではない

 おいおい、ミスターウォーカー。
 確かにあなたはいい記事を書くし、画一的な日本のサッカーライターの中で非常な貴重な存在だ。


 けれど、この記述はどうなんだい?


その夜のジェフのヒーローは深井。決勝ゴールを決めたほか、ジェフの攻撃陣にスピードと気迫をもたらしていた。ジェフは新たな羽生を発見したのか? 左利きのミニ羽生を?
 深井が「左利きのミニ羽生」だって?
 冗談を言っちゃいけない。




 彼は羽生と同じように体は小さいが羽生よりもパワーがあり、スピードもあり、ドリブルのセンスに満ち溢れている。
 強力なシュートも持ち合わせているし、ゴール前でも落ち着いてプレーができる。
 そして、小柄な割りに体幹がしっかりしているから強靭なDFに体でぶつかっても、吹っ飛ばされて観方選手に笑われるなんてこともない!


 確かにフリーランニングでスペースを作ったり、相手のDFラインを混乱させる飛び出しだったり、パスをつなぐ能力などはまだ深井には足りていないかもしれない。
 しかし、それもこれからこのチームで学んでいけばいいことだ。




 それに何よりも、彼はこのジェフを選んでくれたんだ!
 本人曰く「選手生命」をかけて!!


 もちろん、羽生が移籍した原因にはクラブの混乱があったのだろう。
 しかし、深井が移籍を選んだときも、ジェフには問題があった。
 そう、“降格の危機”というとても難解な問題が…。
 



 もちろんこの文章が、ミスターウォーカーによる得意のジョークめいたテキストだってことはわかっている。
 だから私もいつもと違う書き方で、応えてみたというわけ…。