選手たちの成長を愉しむ
ミシェウが入ってようやく(08年シーズンという意味では「ようやく」だけどミラー監督が就任してからという意味では決して遅くはないか)攻撃の部分も活性化し始めて、選手たちが伸び伸びとやれるようになって来ましたね。
これにより選手たちが攻撃面で活性化し、本来の良さが出てきました。
まずは工藤。
縦への勝負がなくなかなか苦労していたのですが、ミシェウが中央でプレーすることで少しずつ右サイドでも機能し始めてきましたね。
実は縦へのドリブルもあった…というか、最近になって習得し始めてきたんでしょうね。
もちろんもともとドリブルがない選手ではありません。
けれどもドリブルと一言でいっても、タメのドリブル(ミシェウだとかレイナとか)、縦へのドリブル(水野とか谷澤とか)だとかいろいろある中で、工藤はむしろタメのドリブルの方が多かったと思います。
縦へのドリブルもまったくなかったわけではないのでしょうけど、それを完全にモノには出来ていなかった…といったところでしょうか。
けれども数試合右サイドハーフを経験することで、PA脇の右サイドでどのようにプレーすべきかをドリブルも含め、体で学んでいる段階なのではないかと思います。
今まではトップ下やボランチでのプレーが多かったので、縦へのドリブルというのをなかなかチャレンジしづらい状況だったんでしょう。
けれど、そういったセンスも持ち合わせていたということなのかもしれません。
確かに足元もうまいし、スピードも意外ともっている選手。
しっかりと練習すれば縦へのドリブルも武器になるということなんでしょうね。
もちろんまだまだドリブルやフェイントの種類なんかは学ばなければいけないでしょうけど、今後が楽しみになってきました。
もっとも、今後といっても完全に右サイドハーフをマスターするのはまだ先のことだと思いますが…。
しかし、工藤は右サイドの適正があると見込んでいたから、ミラー監督は工藤を右にしてあえて右で機能していた谷澤を左にまわしたんでしょうか。
確かに工藤が右サイドでチャンスを作れるようになれば、谷澤の方が左サイドから中に切り込んでくるプレーは期待できそうだから、工藤が右、谷澤が左でもうまくいくのかもしれません。
そこまで読んでいたとしたら、すごいなぁ…。
それと青木良太。
今までは『守備専門サイドバック』と言う感じだったけれど、ここ2試合はようやくオーバーラップが1試合に2、3回見られるようになって(まぁ鹿島戦は相手が良くなかったから攻めやすかったけど)、攻撃でも持ち味が見え初めてきましたね。
なかなか攻撃参加のタイミングが良いから、攻撃に参加するとそれだけで相手陣内の奥にまで侵入することが出来ています。
そこからのドリブルも思ったより有効だし、シュートも積極的に打っていますね。
以前からミドルは結構狙っていたのでシュートには自信があるのかもしれませんが、その他の部分はサイドバックをやり初めて覚えてきたのではないかと。
今年から本格的に左サイドバックを始めたとは思えないほどのプレーぶりですね。
あとはクロスですかね…。左足は…どうなんでしょう?
また、成長したわけではないですけど、戸田のチームへのフィットも大きいですね。
やはり比べると悪いけど、大輔よりもビルドアップはうまい。
柏戦でも、巻にズバッとくさびのパスを出したプレーがありました。
コントロールも素晴らしかったし、パススピードも良かった。
そして、守備範囲が非常に広いし相手を捕まえるのが速いから、周りの選手も守りやすいしラインも上げやすくなります。
このあたりが大輔とは大きな違いでしょうか。
もちろん大輔にも良さがあって、1対1には非常に強いし、時折見せる美しいロングパスもある。
(戸田は継続的にいいパスを出せるタイプで、大輔は一発があるタイプだと思います。どっちも悪くないんだけど、パスをつなぐなら前者ですね。あと相方のボランチもどちらかといったら一発タイプなので、相性として戸田の方が一歩リードなんでしょう。)
けれど、どうしてもDFの経験がすごく長いから、相手が来るのを待って守ってしまうんですよね。
そうすると、ラインが上げにくくなってしまう。
それと戸田が入ったことで、ボランチが縦の関係ではなくダブルボランチ気味になったんだと思います。
下村と大輔だと下村が攻撃に少し重点を置き、大輔が守りに重点を置く形でしたけど、下村はもともと攻撃ではそこまで活きる選手ではない。
そこに戸田が入ったことで役割分担が五分五分に近い形となり、下村も少しずつですが本来の良さを取り戻してきたのではないかと思います。
逆にまだもう少しフィットするには時間がかかるのかなぁと思うのがミシェウ。
柏戦は怪我があったそうなので仕方がない部分もあるとは思うのですが、周りの選手がどこにボールを欲しがるのか理解していないとか、逆にミシェウがどこにパスを貰いたがるのかを周りがわかっていないだとか、そういった連係不足の典型的なミスがいくつかありました。
もう1度どのようにミシェウを使うのか、あるいは使われるのかをチームで再確認してやっていかないと、ちょっと心配です。
しかし、完全にフィットするまでには時間がかかるかもしれませんが、身長が低くてもオフザボールの質が高く、足元の技術もあり、性格もまじめで謙虚なミシェウの加入は、多くの選手にいい影響を与えていくのではないでしょうか。
例えば工藤あたりもお手本にすべき選手だと思いますし、レイナウドも柏戦では比較的球離れが早くなっていたように感じたし、たぶん新居も今後は影響を受けていくんじゃないかと思います。
こういったいい選手(いろんな意味合いで“いい選手”)が入ると、周りへのそういった相乗効果も期待できるんですね。
逆にミシェウもこれからJリーグで日本サッカーを学んで、より成長する可能性だってあるんじゃないでしょうか。
ハースが素早くJリーグのDFに対応したように、このミシェウもいい方向での変化を期待したいですね。
でも、出来ることなら、出来るだけ早く…(笑)
そういった移籍による化学変化だったり選手たちの成長をまじまじと見て愉しんでいたりすると、それを活かせる場面を見るためにも、あるいはこの成長の続きをより高いレベルで見ていくためにも、やはり来年もどうしてもJ1に残りたい。
このまま落ちちゃいけないんだと、改めて思ったりするのでした。
(あれ、昨日とまとめが同じ?)