劣悪環境での日本人らしいサッカーとは

 前日の女子代表に続き、残念な試合になってしまいました。



 アメリカ代表はサイドハーフが積極的に攻めてくるという事前情報があったようなので、サイドバックは長友などを使い守備にも対応できるように。
 その分梶山や谷口のような選手を中央で使い、中盤から攻めよう、パスをつないでいこうという狙いがあったのではないでしょうか。


 しかし、その肝心の中盤がうまくいきませんでした。
 パスが繋がらず、運動量も少ない…。
 ここがうまくいかなければ、サッカー内容もよくならないのは当たり前。
 チャンスの数はほとんどかわらず、勝利に結びつかなかった直接の原因はゴール前での差だったのかもしれません。
 しかし、内容を期待していた自分としては非常に残念でした。


 では、なぜここまでうまくいかなかったのか。
 その1つに、環境の問題があるのではないでしょうか。




 芝はボロボロで芝の下も緩い状況だったから、ボールが走らないし踏ん張りも効かない。
 だから、うまくパスが回せない。
 また、気候も暑く湿度も高いから運動量も上げられない。
(それにしても梶山、本田圭あたりには、もう少し頑張ってもらいたかったけど。)


 結局いわゆる『人もボールも動くサッカー』というのは、こういった劣悪な環境で戦うには厳しい戦術ということなのでしょうか。
 対してアメリカはラグビーのような…というかアメリカだからアメフトのようなサッカーでしたね(笑)
 日本のサイド裏に長いボールを出して、そこからクロス…と。
 真ん中には高い選手が待ち構えているから、それでも試合にはなってしまう。
 ボコボコのピッチでパスを回さなくてもいいし、運動量も少なくていい。
 

 こういったサッカーの方が、あのような環境下では有効なのかもしれません。
 実際に日本も試合終盤に豊田を投入してロングボールを蹴り始めたら、ある程度ゴール前で形にはなりましたからね。
 ただし、じゃあ同じサッカーを初めから日本がやっても勝てるのか、といったらそうではないでしょう。
 やはりそういったサッカーになれば、体の大きい選手が多い国の方が有利となるはずです。
 “日本人らしからぬサッカー”ということになるのでしょう。


 オシム監督は非常に芝にこだわっていましたけど、こういった面もあるのかなぁ…と。
 パスを回すにはやはり芝がきちんとしていないと、きびしいですもんね。
 


 あのような劣悪な環境下で“日本人らしいサッカー”をどのように行うのか。
 これは五輪代表だけでなく、そのほかのカテゴリの代表、あるいはクラブチームにとっても、大きなテーマになるのかもしれません。


 とはいえ、まだこの戦い方でダメだと結論が出たわけではない。
 あと2試合あるんですから、頑張ってほしいですね。