ベタ退きだけでは勝てないということ

 さて、明日は鹿島戦ですね。
 その前に、神戸戦でなぜ勝利できたのかを振り返っておきたいと思います。




 「とても守備的なサッカーからカウンターで勝った」と評価する方が多いようですが、私はちょっと意見が違います。
 確かに前半はかなり守備的でした。
 中盤の4人の選手が守備にまわって、後ろの8人で守備を固める形。


 しかし、点の取ったのは、後半途中からやり方を変えてからです。
 選手交代で苔口を投入して右サイドからつっかけ、中島がを中盤に入れることで中央でパスを散らせるようになりました。
 前半のベタ引きで「とても守備的なサッカー」ではなく、若干攻撃的にシフトしたことで流れを変え得点に結びつけることが出来たんだと思います。
 ようするに「とても守備的なサッカーからカウンターで勝った」わけではなく、正確には「前半は守備的なサッカーで何とか失点をしのいで、後半途中からやり方を変えて点を取って勝った」ということでしょう。



 もちろんだからといって、スタートからから「もっと攻撃的にいくべきだ」と簡単に言うつもりはありません。
 しかし、むしろ神戸戦でわかったのは前半のような守備的なサッカーだけでは点は取れそうもなく、あれだけでは試合には勝てないんだということではないでしょうか。
 先日の名古屋戦もそうでしたよね。
  

 ベタ引きの守備的なサッカーだけでは、今のジェフではなかなか得点の匂いがしません。
 ようするに「ベタ退きからのカウンター」というのは、ほとんど機能しないということになります。




 かといって、ベタ退きを続けていればスコアレスドローを狙えるかというと、今のジェフはそれも難しい
 なにせ、ベタ退きで守っている守備が機能していたかというと、そうではないと私は思います。
 組織的な守備が出来ているかというとそうではなく、その分崩される回数も多い中でなんとかギリギリのところで失点を防ぐ形が多くなっていると思います。


 ようするに、守備に人数を割いたとしても組織的に守れなければ何の意味もないということです。
 そこが例えばベタ引きでもしっかり守れている、イタリア代表のようなチームとの大きな差だと思います。
(もちろんベタ引きの時でも中央を厚くするという“狙い”はあります。しかし、そういった狙いと組織的な守備というのはまた別の話しだと思います。)




 
 さて、そんな中で鹿島戦はどう戦うのか。
 確かに90分間前に行くのは、今のジェフでは厳しいかもしれません。
 G大阪戦のように点が取れないと息切れしてしまう可能性もあります。


 けれど、ベタ退きで鹿島の攻撃からゴールを守りきれるかどうか…。
 いくら内田と小笠原(出場停止)がいないとはいえ、鹿島の攻撃陣は強力です。
 単純にスペースを消すだけでは、やられてしまうんじゃないかと思います。
 

 かといって、サッカーというのはそうコロコロとやり方を変えられるわけでもないですからね。
 選手の能力で変えていけるようになるのが理想ですけど、今のジェフにそれほどの力もない。
 かといって選手交代でやり方を変えるにしても、頻繁に変えられるわけじゃない。
 流れを変えられるだけの選手もいないし、交代枠だって3つしかないんですから。




 そうやって考えていくとかなり厳しい試合になるように思うのですが、どうしたものでしょう。
 守備にいっても守りきれるかどうか。
 攻撃的に行っても90分持つかどうか。


 最近のミラー監督の選択した戦い方を見ると、守備的に行くのかもしれませんけれど相手は試合巧者。
 無失点とはなかなかいかないように思います。
 そうすると、どこでやり方を変えるのか。
 変えてもし点が取れたとしても、その後にうまく対応できるのかどうか。
 ポイントはこのあたりなのでしょうか…。