「やりたいこと」が明確になってきた五輪代表
昨日のオーストラリア戦でも、このブログで再三言ってきた「内田の前を空けてそこからクロス」という形が出来ていましたね。
この試合では右サイドハーフに左利きの本田圭をおき、本田が中に入ってくることで右サイドにスペースを作っていました。
また、左サイドも「左でためて右に展開」という形だけでなく、場合によっては人数をかけて左サイドを突破する形がみられました。
長友や安田はスペースがなくても、ドリブルで突っかけられる選手ですからね。
サイドバックが攻撃的な分、ボランチ2人は守備的に。
そして、ボランチ二人が守備的だとビルドアップにDFの1人はボールを蹴れる選手を置く…と。
形がなかなか見えてこないといわれてきたこのチームですが、やはり少なくとも今は十分に形が見えてきていると思います。
(もっとも、内田の前を空けてクロスという形は最終予選の頃から見られていたんですけどね。その後、内田はなかなか招集できなかったから連携を深めることができなかったけれど。)
左でためて右で勝負…というのはオシム監督のサッカーにも通じるところがありますね。
もちろんまだまだ課題も多い。
前半の失点に繋がるようなミスが多いのは問題だし、パススピードが遅いのも気になりました。
クロスを上げるまではいいけれどそこからなかなか合わないという課題もあったし、後半頭から全体のラインが下がってしまった問題も見受けられました。
しかし、崩す回数が多かったのは日本だし、逆に崩される場面は少なかった。
そして、結果も出た。
それに、周りは「勝て勝て」とやかましいけれど、そこまで重要なことではない。
重要なのは北京五輪で勝つこと。
今、勝つことではない。
もちろん勝つにこしたことはないけれど、一番怖いのはドイツW杯の時の日本のような状況。
本番前のテストマッチにコンディションを合わせて、本番で失敗してしまうことです。
反町監督も「週末にJリーグがあったばかりだからコンディションは良くない」と話しています。
だから、この試合での出来がすべてではないでしょうし、これから上げていかなければいけない。
ようするに、もう北京五輪は始まっているのです。
コンディション調整もそこを見据えて始まっていなければいけない。
もしかしたら来週のアルゼンチン戦では勝てないかもしれませんけど、それも織り込み済みではないでしょうか。
「負けてガツンとやられたほうがいいかもしれない」なんて言っていた選手もいたし、すべてに勝てばいいって訳じゃない。
このあたりは戦略も含めて、いろいろと考えていかなければ…。
それにしても、マスコミの手のひら返しがまた始まりましたね。
秋津での練習を見て「やりたいサッカーが解らない」とかいっていた、ライターさんたちはどこにいったんでしょう?(笑)
今のチームが強いか弱いかは別として、「やりたいこと」は少なくともはっきりしてると思うんですけどね。
少なくともJのチームで五輪代表より「やりたいこと」がはっきりしないチームは、結構たくさんいると思うんですけどね(笑)