今はこのスタイルを貫き通すしかない

 あわわわわわ…。
 って感じで、試合から数時間は放心状態でした。


 でも、冷静に試合を振り返らなければいけませんね…。
 どんな試合でも1試合は1試合。
 きちんと自分の中で消化していきたいと思います。


 ただ、ちょっと今日は個人名多めで。
 責任の所在ははっきりさせておいた方がいいですしね。




 札幌戦の前に、ちょっと前節の試合を振り返りたいとい思います。
 いろいろと悩んだのですが上手く行かなかった理由には、大きく別けて3つポイントがあったのではないかと思います。
1、コンディショニングの問題
 水曜にナビスコ杯があったとはいえ中断明けから間もない試合だったことを考えれば、あまりにもコンディションが悪かった。
 これはミラー監督も含むチームの責任。
 「コンディションが良くないのは選手が悪い」なんて意見もあったけど、それではあまりにも選手が酷。
 特定の選手のコンディションが悪いのならそれはその選手の責任だと言えるのだけど、東京V戦ではほぼ全員が悪かったのだから。
2、戦術面の問題
 選手の起用法などを見ても、ミラー監督は保守的なサッカーを狙ってやっていたと思う。
 中断前のいい時は積極的に前にボールを取りに行くサッカーが出来ていたのに、自らそれを止めたような感じだった。
3、メンタル面の問題
 FC東京戦で「もっとやれる」と思えた状況でもセーブして引き分け、ナビスコ杯名古屋戦ではついに監督交代後初黒星。
 これによって選手達が自信を失い、怖がっているようにすら見えた。


 これらの結果、攻守において「前に行けないサッカー」になってしまったのではないかと。
 「前に行けない」と押し込まれる時間帯が増えるし、リズムが掴みにくい。
 ようするに流れがずっと向うに行きっぱなしの状況。
 

 それでもイタリア代表のようなチームなら、やっていけるのかもしれません。
 しかし、ジェフは「守り勝ち」に慣れていない…というところもあるんじゃないかと。
 去年までは攻撃サッカーを目差していたのに、今年は一気に方向転換。
 そういったメンタリティの変化についていけていない部分もあるのではないかと思います。
 昼田GMが去年までの守備面の課題を考えて守備的なサッカーに転換しているわけだけど、少なくとも今まではうまくいっていないと思います。



 
 さて、これらを踏まえて札幌戦。
 まず、1のコンディショニングに関してはだいぶ改善されていたと思います。
 また2の戦術面に関しても、スタメンを見れば分るようにかなり積極的な姿勢を見せていたと思います。


 これにより前半の早いうちに2失点してからは、どんどん前から行けていました(ちなみに早い時間に失点したのは攻撃的にいったこととはあまり関係がない)。
 もちろん相手の関係もありますが、ここ3試合消極的だったことを考えればこれは大きな収穫と言えるでしょう。



 しかし、全体が積極的に行くことでボールはキープできていたし、相手を押し込むこともできていたのですが、いかんせん攻撃の方法が拙い。
 こちらの前線がレイナウドと新居で相手CBに高さがあることを考えれば、後方からロングキックを蹴っても効果的ではないことはわかりそうなものなのに…。
 特に坂本はベテランであることを考ると、もう少し考えてプレーして欲しいと思います。


 それと何とかボールをゴール前まで持ち込めても、最後の部分の質に問題が出てしまいました。
 ちょっと残念というか心配に思うのは、新居のプレー。
 中盤で起用されることが増えているせいか、ゴール前で躊躇する場面が増えてきてしまいました。
 前から少しずつその傾向は感じていたのですが、この試合でそれがはっきり見えてしまったかな…と。


 去年まではともかくゴールに一直線。
 ボールを持ったらともかくゴールしか見ないのがストライカー新居の一番の怖さでアマル監督もそれを期待していたのですが、その怖さがなくなってしまいました。
 まぁ、調子も良くないように見えるので、また体調を戻してくれば本来の怖さが戻ってくる可能性もあるのかもしれませんが…。



 前半はそんな感じで、ボールを持っても有効なビルドアップが出来ないし、例えゴール前にボールを持ち込んでもラストプレーの質に問題が出てしまう状況でした。
 しかし、ハーフタイムで監督から指示が出たのか、後半からはロングボールが減って落ち着いたビルドアップが出来るようになりました。
 レイナの足元にボールを出しそこから展開する形が増え、ようやく流れが出来てきました。


 しかし、そんな状況だったにもかかわらず、後半12分にそのレイナに変えて巻を投入。
 この交代は失敗だったんじゃないかと思います。
 それまでは早い段階でレイナの足元にパスを出し、そこでタメを作り、中盤を押し上げ、そこから展開してサイド攻撃という形ができていました。
 しかし、巻では中盤を押し上げるだけの時間が作れない。
 どちらの選手が良い悪いではなく、求められる仕事と、選手のタイプの問題です。
 確かに高さで負けていたので巻を使いたくなるのもわかるのですが、それなら新居と交代すべきだったのではないかと。
 なにせレイナウドは「組み立ての軸」だったわけですから。
 また、巻を入れてサイドからクロスを狙いたいはずなのに、苔口に変えて米倉というのもわかりませんでした。
 こちらも同じくタイプの問題で、米倉は中に入ってくるプレーに関しては期待できましたが、サイドをえぐるプレーはあまり得意ではない。
 巻を入れるのならクロスで勝負したいはずなのに、ミスマッチな組み合わせだったと思います。


 この交代で周りの選手達にも、迷いが生じたと思います。
 「あれ?レイナが下がった。変わりに巻の足元に入れていいの?でもタメを作るタイプではないよね?じゃあ組み立てはどうしよう。まさか放り込めってこと?」って感じで(笑)
 巻を使うにしてもどういった形で巻を活用するつもりなのか、まったく見えてきませんでした。
 これは今後も大きな課題になるのではないでしょうか。 
 チームとして巻をどう使うのか、巻が出たら単純にロングボールを合わせるべきなのか、レイナ+巻で行くのか、いっそ守備固めやパワープレー要員とするのか。
 今のままでは巻を使ってもチームとしての狙いがさっぱり解らないないので、可哀想なだけだと思います。
 もしかしたら監督としては巻にラストプレーの部分で(ようするにヘディングシュートで)期待していたのかもしれませんけど、レイナがいなくなって組み立てが出来なくなればラストプレーにまで行けませんから…。


 また、3枚目のカードを切らなかったのも残念です。
 確かに戦術的には切る必要が無かったのかもしれません。それは理解できます。
 しかし、「このままではいけないんだ」ということ「例え勝てなくてもとにかく1点は取るんだ」という意思がチームにはあるんだという姿勢を、選手たちや周りに見せて欲しかったと思います。
 いや、交代枠を使わなくても、ボスナーを前線に上げるのでもいい。
 細かなことかもしれないけれど、そういった姿勢をチームとして見せることが、今後に繋がるんじゃないかと思います。
 特に今のジェフにとってはそういったことが非常に重要。
 個々の選手だけではなくチームとして戦える集団にしていかなければいけないと思います。 






 この試合に負けてしまった直接的な原因は2つ。
 1つは早い段階で2失点してしまったこと。
 警戒していたはずのセットプレーでやられてしまったというのも非常に残念です。
 ファールをとられた時点でなんとなく嫌な予感はしていたんですけどね…。


 それにしても、ボスナーにはなんというか粘り足りないですね…。
 基礎能力は素晴らしいしFKも近距離ではいいボールを蹴ることがある(ロングで狙うのは止めてほしいけど)。
 けれど、守備の要としては粘りがないのがツライ。
 1失点目もボスナーが目測を誤ったところからだし、2失点目も淡白なプレーでやられてしまいました。
 3失点目もボスナーのカバーが遅れていました。見た目は一番ボールに近い池田のミスのようにも見えるだろうけれど、あそこは1つボールから離れたボスナーがカバーに行かなければ…。
(相手選手がオフサイドポジションにいたけれどボールに関与せず、2列目から出てきたダビィに対応が遅れた形だったかと。それでも池田は遅れてダビィ付いていったけど、ボスナーは完全にオフサイドだと決め付けてカバーに行かなかった。だから見かけ上は池田の責任が大きいように見えるけれど…。)
 選手も含め多くの人が期待しているだけに残念です。
 まぁ、守備時の粘り弱さ、ボール際の良さに関しては他の選手も一緒なんですけどね。
 でも、もっと頑張ってもらわなければいけない選手ですから。


 もう1つは2失点とられた後にボールはキープできていたのに、得点を奪えなかったこと。
 こちらも個人能力の問題が大きいと思います。
 前著の新居の問題などに加え、ボールを出す側の精度の問題もあります。
 攻撃面でのセットプレーの質の低さにも課題があります(キッカー谷澤じゃダメなのかな…)。
 強いチームにはやはり得点のパターンがあります。
 数年前のジェフも、「コーナーからニアの阿部」とかありましたしね。
 けれど、今のジェフには形が見えてこない。
 これに関しては時間がかかることだとは思いますけど、少なくとも1つは得点に関するパターンらしきものを早く作っていかないと、手遅れになってしまう…。





 まぁ、とはいえ、基本的には今のスタイルを続けていくしかないと思います。
 選手が急によくなるわけもないんだし、スタイルを変えるにしても時間がかかるわけですから。
 もちろん課題は山積み。
 細かな修正をしなければいけないポイントは山ほどある。
 攻守に関してのセットプレーの問題、守備時の球際の弱さ、ロングボールが多すぎるビルドアップ、ラストプレーの質の問題…。
 言っていけばキリはないけど、まぁそれが最下位ってもんですよ。
 すんごい悔しいですけど。



 ただ、方向性というかヒントは見えたんじゃないかと。
 1つは前からボールを取りに行かなきゃいけないということ。
 全体のラインを押し上げ、サイドの選手が積極的に前からプレスをかけるサッカーをやっていくしかないんじゃないか、ということ。
 アウェイだろうがなんだろうがやっぱり自陣に引き篭もっているだけじゃ、形にはならないですよ。


 それと早い段階でレイナの足元に預けて、そこから展開という組み立ての形。
 たぶんこれからレイナへのマークは厳しくなるだろうけど、でもとにかく今はそれをやっていくしかないと思います。
 それでダメになったら次を考えるしかないでしょう。


 問題は展開後のプレーの質。
 けど、これに関しては選手の質の問題ですからね…。
 頑張ってくれとしか言いようがありません。


 結局去年から「試合を決められる選手の不足」に悩んでいるわけですね。
 エキストラキッカーというべきか、スペシャリストというべきか、スーパーなキラータイプの選手というべきか…。
 レイナもその点では物足りないですしね。





 外国人選手を補強というのもアリなのかもしれません。
 けれど、スーパーなストライカーを獲得しても現状では厳しいんじゃないでしょうか。
 何度も言うけれど、今はレイナが「組み立ての軸(ラストプレーに絡んでいるわけではないので“攻撃の軸”ではない)」。
 ストライカーを連れてきたところで、組み立ての軸にはならないだろうから結局レイナは外せない。
 他で「組み立ての軸」を作ることも可能かもしれないけれど、またゼロからのスタートになってしまうし時間がかかる。


 しかし、レイナ+ストライカーでは、たぶん守備や運動量に不安が出てしまうでしょう。
 それにストライカーを獲ったところで、誰がそのストライカーにパスを出すのかという大きな問題が残る(笑)
 結局、今苦しんでいるのも、そこに課題があるわけですから。


 そう考えていけば、中盤の選手が欲しい。
 ラストパスを出せるサイドハーフか、総合力の高いボランチですかね…。
 個人的な要望だと、大輔くらいに守備ができて工藤のようにパスを散らせて、運動量があってセットプレーでキッカーも期待できて…って無理ですよね(笑)


 けれど、今から補強しても獲得するまでに時間がかかるし、そこからフィットするまでにもまた時間がかかるですよね…。
 だからフルゴビッチのことをきちんと中断前に判断すべき(おもにコメント欄で)と言ってたんですけどね。
 中断期間を上手く使えば、新外国人と合わせる時間はある程度見込めたはずだし。
 結局怪我なんですかね。よくわからないですけど。




 とにかく凹むような結果だけれど、切り替えないと。
 東京V戦の後は「切り替えろ」とは言えなかった。
 内容が酷すぎて、悪かったところを反省して根本からやり直さなきゃいけないと思いました。
 だけど、今回は「切り替えろ」と言えると思います。
 それが唯一の救いでしょう。
 もちろん細かな部分は修正していかなければいけないし、細かな部分で弱さが出てしまったわけだけど、それは言っても仕方がない。
 それよりもメンタル面での切り替えの方が重要なんじゃないかと思います。
 どうせ次は水曜日に試合なので、修正するにしても時間はないんだしね…。





 それにしてもこのタイミングで抗議ですか?
 抗議すれば良くなると思ってるのでしょうか。
 それなら、シーズン前半に甘やかした自分達にも責任があるんじゃないでしょうかね? 
 シーズン前半にもいくつか重要な試合を落としていたはずだし、内容がもっと酷かった試合は山ほどあったのにね。


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