謙虚でひたむきな姿勢がウリだった水本


弊クラブ所属DF・水本裕貴選手(22歳)は本人のガンバ大阪を退団する意志により、現在、他チーム移籍に向け本人交渉を含めたクラブ間の交渉を行っております。
現在に至るまでに、クラブとして慰留を前提とした話し合いを本人と継続的に行ってきましたが、最終的には本人の意思を尊重しました。また、昨日の練習不参加については、クラブとして許可を出したものであることをお知らせしておきます。(J's GOAL
 G大阪の発表が出ましたね。
 残念です。




 私だけでなく、水本に期待していたジェフサポはたくさんいました。
 青山直のような爆発的なジャンプ力もないし、足元も決して上手くはなかったし、足も水本本人に言わせれば決して速くはない…。
 それなのに、なぜ多くのサポが水本に期待を込めていたかというと、プレー以上に“謙虚でひたむきな姿勢”が人をひきつけたのではないかと思います。


 懸命に努力して、足元も上手くなったし(縦パスをスパッと入れられるようになった)、しつこいマークを覚えたことで、日本でも有数のマンマーカーになりました。
 そのようなサッカーへの姿勢が、水本の魅力でありサッカー選手としてのウリでもあったはずです。







 ただ、昨年からなんとなく気になっていたことはあったのです。


 北京五輪の最終予選の時あたりから、発言が少しずつ変わっていったんですよね。
 ジェフでも、五輪でも。 
 今までは自分のプレーの話しばかりだったんだけど、チーム全体に関してもどんどん文句を言うようになっていました。
 あるいは対戦相手にも厳しいコメントをすることもあった。


 例えば、味方に対して「もっと点を取ってほしい」みたいな話しもし始めていました。
 でも、水本はオシム監督にから、DFからビルドアップが攻撃にとって非常に重要であることを、みっちり叩き込まれたはずなのに…。
 DFラインの押し上げが、攻撃陣にとって大切なことは解っているはずなのに…。


 それなのに、どうしてそんなことを言うのかなぁ?と思っていました。
 攻撃が上手く行かない責任の一端は、水本にもあるはずですから。







 でも、その時は、さほど大きな変化だとは捉えていませんでした。
 もしかしたらいい意味での貪欲さや、味方に要求することを覚えたとも言えるのかな…と。


 しかし、こうなって見ると、やっぱりその頃から変わってしまったのかなぁと。
 心境の変化…といっていいのかどうかは解らないけれど、彼の中で何かが変わったのは確かじゃないでしょうか。
 だから、ジェフからも出て行った…と。


 昨日のエントリーで「去年から調子に乗っている」と書いたのは、実はそういった意味でした。
 その言い方が、正しいのかどうかは解らないけども。





 もしも私の勘があたって、人一倍努力をすることがウリだった選手がそれを失ってしまう(あるいは既に失っている?)可能性があるかしたら、それは非常に残念です。
 でも、それが私の気のせいなのかどうかは別としても、少なくとも今回の移籍が「謙虚でひたむきな姿勢」のようには、ちょっと見えないんですよね。


 やはり、どこか勘違いしてしまっている可能性もあるのかな、と。
 若くからフル代表に招集され、五輪代表ではキャプテンをまかされ、オシム監督には「日本屈指のマンマーカー」と言われ…。
 それとG大阪でのギャップに、耐えられなかったのかも知れませんねぇ。 



 



 さて、本命は京都ですか。
 水本本人は「五輪のために出場機会を…」と言っているらしいですね。
 そんなに五輪が重要ならば、ジェフに残ってれば良かったんじゃないかと思うんですけどねぇ…。
 それでも移籍したかったのなら、1年待てばいいだけの話しですからね。


 でも、京都に行って五輪までの短い時間で定位置を取れるんでしょうか。
 CBは手島と増嶋。
 スピードでは水本の方が上でしょうけど、2人ともいい選手ですよね。
(ちなみに中澤聡太ならポジションを取れるだろうと思って負けたわけだけど、今度の相手は増嶋。2人とも市船出身となりますね。もっとも増嶋も北京世代なので、五輪では水本に抜かされたことになるわけだけど。)


 それに、北京五輪期間中は長期間、京都を離れなければいけなくなる。
 ただでさえ新チームに移籍して、周りとの連係が取れていない状況だというのに、また連係確保が難しい状況になるわけです。





 G大阪での水本も、代表に招集され続けて連係をうまく取れなかったところがあるんでしょう。
 確かにそれは事実だけど、でもそれも初めからわかっていたこと。
 そして、どこに移籍したってその状況は変わらないですよね。
 そんな中でも、みんな頑張ってるんだからさ。









 それにしても、ジェフサポにとっては複雑な話ですよね。
 水本の移籍ですが、個人的にはG大阪だから少しは納得できたところもあります。
 悔しいけどACLにも出場できるG大阪は、現状のジェフに比べれば明らかにステップアップということになるのでしょう。
 しかし、京都とジェフを比べるとどうか…ということになる。

 
 それと、G大阪の攻撃スタイルにシンパシーを感じていたところもあります。
 クラブとしての方向性もはっきりしている。
 ユースから選手を育てて、それをベースに外国人選手やベテラン選手を補強するスタイル。
 スタジアムを作ってクラブ規模が大きくなれば、西のビッククラブになる可能性もある。







 それに昨日もチラッといいましたけど、祖母井さんとの関係もあります。
 ジェフから去っていった祖母井さんが、グルノーブルで京都と提携を結んだ…。


 さて、はたして祖母井さんは今後ジェフと京都とどちらをサポート(というかフォロー?)してくれるのか。
 いや、今のジェフが祖母井さんに頼るわけには行かないのだけれど、京都さんが強くなってしまうのも怖いわけで。


 京都に監督を紹介したという話もあるし(他にも噂レベルならいろいろと)、今後どうなるかはわからない。
 というか、加藤監督が残留を希望さえしなければ、祖母井さんが紹介した東欧の監督になったのではないかと思います。


 一方のジェフも以前の古河路線なら祖母井さんのサポートは諦めざるをえなかったけど、社長も変わりJR東日本路線に変わりつつある…。
 状況が一変する可能性もあるわけです。






 そこだけ切り取っても複雑なわけですよ(笑)
 昨日初めにカンテーラではなく京都さんの名前を出したのも、このあたりがあるわけ。
 それに当然代理人も絡んでくるんだから、グチャグチャなんですよ。
 裏では表に出ている情報ほど、簡単な話しじゃない。


 他サポや日和見なファンまでもが騒いでいるようだけど、正直「どこまで知ってんのかな?」って思う。
 ジェフサポだけが知ってることや、ここでは言いにくいこと、噂話も含めたら山ほどある情報を元に、昨日もちょこっと書いただけなわけで。



 G大阪サポと京都サポが言うのならわかる。
 でも、当事者ではない他の人たちが、何を騒いでいるんだろうか…。



 ジェフサポも、当事者じゃないように見えるかもしれない。
 でも数ヶ月前までジェフにいた選手(しかも掘り出したのは昼田さん)、カンテーラ、間接的に関係を持つ京都と元GMの祖母井さん…。
 このあたりの裏は、ジェフサポじゃなきゃあまり知られていない話しだと思うし。
 だからああいったエントリを書いたわけで。


 間接的であっても、大きな関係があるわけです。
 黙って見ているわけにも、いかないんですよね。
 心情的に言っても、冷静に考えたとしても。