大住良之氏「『日本のサッカー』を放棄することの危険性」

 バーレーン戦に関して、大住良之氏がまとめてらっしゃるのでご紹介。


ある「仮説」を思いついたのは、後半11分、山瀬に代えて遠藤が投入されてからだった。スピードに乗った仕掛けをしてはボールを失っていた山瀬に対し、遠藤はていねいにボールを散らせた。すると、日本の動きは次第に良くなり、リズミカルにパスがつながる場面が増えてきたのだ。
「仮説」とは、こんな戦略だ。
パスを身上とする日本に対し、バーレーンが前線からプレスをかけてくるのは明白。DFラインやボランチなどで無造作にパスを回したり、前線の選手が下がってくる足元にパスを入れるプレーはリスクが高い。ボールを奪われたらあっという間にピンチになってしまうからだ。そこで、「無謀なロングパス」を多用することでリスクを回避し、相手のプレスをかわす。
そして後半の早い時間、残り時間が30分以上ある時点で遠藤を投入し、次第に日本本来のパスワークを出す。
 これは少し私も考えました。
 加えて、芝の悪さもありましたしね。


 しかし、記事中にもありますが岡田監督は「20分までは仕方がない」と話し、その後はパスをつなごうとしていたことがわかります。
 まぁ、でも20分まではそういった狙いも合ったんじゃないでしょうか。



 そして、最後にこのように書かれていますね。


「日本人に適したサッカーを追求するのは、誰が監督をやっても同じ」と、岡田監督は就任時に語った。
これがイタリア代表だったら、私が想像したとおりの戦略を全員が理解してプレーしたに違いない。私は、成熟したレベルになれば、そうしたサッカーがあってもいいと思う。
しかし自分たちのサッカーをつかむ端緒についたばかりの日本に、日本人に適さないロングキックのサッカーを容認したら、チームはどんどん崩れていってしまう。

しかし岡田監督が1試合のうちの短時間でも日本選手たちが「日本のサッカー」を放棄することを容認したのは間違っていたと思う。このように目の前の試合に対処するだけのチームづくりでは、もしワールドカップの出場権を獲得できても、再びファンを失望させるだけの結果に終わる。
 私は一度方向性(軸)を作ったら、その方向性というのは簡単には変えられないものだと思っています。
 岡田監督が横浜FMで「帆を広げすぎた」といったのは有名な話しですし、広島の小野監督も4バックにして今までと違うサッカーをしようとして失敗したことがあります。
 他にもそういった例はたくさんあると思います。


 今年もそれで苦しんでいるJリーグのチームがあるんじゃないかと思います。
 あえてどことは言いませんけど…。









 バーレーン戦まではパスを繋ぐ『日本人らしいサッカー』である程度上手くいっていたと思うのですが、この試合ではだいぶチームが違う方向を向いているように見えました。
 今後修正してまた戻すのか、それとも岡田監督流に勝ちに拘るのか…。


 まぁ、まだ1試合。
 どちらにしても、これからですね。