ちばぎんカップから見えてきたもの

 いやー、思ったよりもいい試合ができましたねぇ…。
 この時期にここまでコンディションが良いと、逆にこれからが心配です(笑)


 というのもジェフは開幕戦のG大阪に始まり、清水、川崎とリーグ戦があり、そのあとナビスコ2連戦で川崎、柏と続き…序盤から(昨年の)上位チームと対戦することになるのです。
 ですのでそのあたりの試合はあまり結果を求めず、あえてシーズンの頭にコンディションのピークを持っていかずに、少しずらして調整していくのかと思っていたんですけどね。




 イビチャ監督の時なんかは逆に上位チームにコンディションのピークを持っていくことで、強豪チームとはいい試合が出来るけど、一方で下位チームとやると苦しんでしまう…なんてこともありました(笑)
 まぁ、それでも当時は戦力の部分でも、チームの基盤が出来ているという意味でも今よりも上ですから上位相手でも結果を残せましたけど、今それをやるとどうなのか…。
(ちなみに去年は代表への大量招集で、1シーズンフルにコンディションがボロボロでしたが…。)
 

 一番心配なのは上位チーム相手にコンディションのピークをもっていっても勝てず、コンディションが下がっているところで下位チームと戦ってやられてしまう…という展開ですね。
 












 コンディションは良く全体的には相手を押していたとはいえ、まだまだ課題も多かったですね。
 キレのいい動きを見せた青木も相変わらず相手DFに対する体の入れ方、ボールを置く位置などに関してはまだまだですし、ボスナーも守備時の連係ミスが目立ちましたし、キャプテンマークをつけた下村もパスミスが多かった…。





 全体的に粗削りなチームになってしまったなぁ…という印象です。


 ただし、粗削りなチームが好きなファンも多いでしょうし、私もその1人ですけどね(笑)






 ただ、一点を先にとってからズルズルと全体のラインが引いてしまった上に、あと数分というところでボールをキープすることすら出来なかったのも、粗削りなチームだからだと思いましたしそこに関してはしっかりと反省して欲しいと思います。
 「ちばぎんカップだからいいや」とか「若い選手達だから仕方がない」とかではなく、「練習試合で出来ないことが公式戦でも出来るわけがない」くらいの気持ちでないといけません。


 ってか、この課題は去年と同じじゃん…。









 これがクゼ監督の言うオーガナイズ、なんでしょうね。


クゼ監督
「コンセプトとシステムと、あとはどうオーガナイズしていくか。大切なのはディフェンスの規則とオーガナイズ、つまりどういう形で守るかということ。それができれば、必ずいいチームになっていくと思う。」







 クゼ監督の戦術も、少しずつわかってきましたね。


 ある程度予想はできましたが、1ボランチで1トップということで岡田日本代表のように、前からのプレスの意識が強くなりました。
 この試合のように上手く機能すればメリットも大きいですけど、そのプレスを掻い潜られると脆いところがあるので、もう少し様子見ですね。






 その1ボランチには中島が。
 いい選択なんじゃないですか。
 何度も言っているように1ボランチの場合守備能力も重要ですが、パスを散らす能力も必須になってきます。
 特に今年のDFラインはボスナーも含めてビルドアップは決して上手くなさそうですから、よりボランチの展開力は重要になってくると思います。
 ビルドアップ能力では、伊藤や下村よりも中島が上ですからね。


 しかも、この試合での中島は非常に上手くバイタルエリアのスペースを消していました。
 これに関してはたぶん試合前からクゼ監督から意識してスペースを消すことを言われていたんでしょうけど、去年1年間リベロで培ったカバーリング能力が上手くフォアリベロでも役立ったということなんでしょう。


 前に活きのいい選手が多く配置されましたけど、この試合で本当に活躍したのは後方で踏ん張っていた中島や大輔や立石だったように思います。










 逆に攻撃の方はクゼ監督も言っているように、まだまだですね。


クゼ監督
「ディフェンスは組織としてできているが、オフェンスがまだまだ。経験上、ディフェンスよりオフェンスの形を作るほうが難しいし複雑。そこは私の経験でカバーしていきたい。」
 特に単独ドリブルの多いこと…。ちょっと悲しくなってしまいました。





 あれほどイビチャ監督に「うちにC.ロナウドロナウジーニョはいないんだ!」と言われていたのに、攻撃パターンは単独のドリブルばかりでしたからね…。
 もっと現実的に言えば、「中澤と一対一で勝てるやつがいるのか?」ということです。
 今の選手達の実力では無理でしょう。水野だって無理だったわけですから(笑)


 だから、2対1の数的優位を作らなければいけないんのですが、この試合ではほとんどそういったシーンがありませんでした。
 ドリブルを仕掛ける選手の判断能力の低さと、それに対する周りの選手のフォローの少なさと、両方ですね。
 



 それに加えて監督の意思もあるのかもしれませんが、もしそうだったのならもう少し考え直して欲しいなぁと私は思います。









 それと、ゴール前への飛び込みの少なさも気になりましたね。
 1トップなのだからもっと中盤の選手が積極的に飛び込まないと、いくらチャンスをゴールには結びつきません。
 巻がいればもう少し中で競ってくれるでしょうけど、それにしても相手DF2人を抱えて1人で勝てるわけではないのですから。



 ってか、チャンスの作り方こそ違えど、得点の匂いがしないのも去年と同じじゃん…(笑)




 




 もう少し下村が上下に動いてくれれば面白いのになぁと思います。
 4-1-4-1というとどうしてもチェコ代表を思い出してしまうのですが、その戦術を支えたのも攻撃も守備もでき運動量豊富に動き回るネドベドの存在が大きかったと思います。
 下村がジェフのネドベドになれれば、本人も気にしている“新たなジェフの6番”の形が今以上にはっきりと表れるのかもしれません。 
 ただしそれは高い次元での要求と言うことになるんでしょうけどね。
 下村だからこそ、期待しているという意味で。

 








 まぁ、ともかく一見いい内容のようにも見えますが、相手は前日まで合宿でコンディションが悪かったこと。
 しかもメンバーを落としてきていること。
 逆にこっちはたぶん今がコンディションがピークで、これ以上コンディションが良くなることはないだろうということ(笑)
 木曜の練習試合も若手だけで戦うなど、この試合に照準を合わせてきたようですしね。





 J1の上位チームの本気はこんなもんじゃないと思いますよ。
 柏だってまだまだこれからでしょう。
 もしかしたら石崎監督はあえて手の内を隠してきたんじゃないでしょうか。あの方ならやりかねません(笑)
 菅沼やアレックスが試合終盤から出てきたくらいですからね。


 







 でも、コンディション調整が去年よりもだいぶ楽に出来そうなのは、かなりの収穫ですね(笑) 
 怪我人が多いとはいえ、これだけ選手がチームに残っているわけですから。