佐藤勇人が練習合流、18日復帰へ


10月20日の浦和戦で左ひざを痛めたが、この日の練習から合流。「チームも勝っていないし、残り3試合しっかり勝って終わりたい」と目の前の試合に集中していた。「このまま順調にいけば」と18日の横浜戦での復帰は濃厚。MF水野、DF水本のU-22日本代表コンビが不在の試合なだけに、主将の復帰は追い風になりそうだ。
 伊藤と工藤は頑張ってるけど、やっぱりG大阪のような強い相手だとレギュラー2人との差がはっきりしてしまいます。
 主に攻撃面…その中でもビルドアップの部分は簡単ではないな、という印象です。


 そういっていると「じゃあボランチ補強しろ」という話しなりがちだけど、そう簡単な問題ではないと思います。
 テクニックや攻撃力だけ見れば、勇人や下村より工藤の方が上でしょう。
 それでもビルドアップが上手くいかないのは、やっぱり連係だとか共通理解の部分が大きいんじゃないかと思うのです。









 例えばチームでサイドチェンジをしようとしているシーン(またサイドチェンジの話しになるけど、それが今の戦術の基本だから)。
 左サイドで山岸、羽生、大輔あたりがボールを繋いでキープし、ためをつくって右サイドに移そうとする時。
 いきなりロングボールで右サイドに振るのはリスクが多すぎるから、サイドを変えるための橋渡し役として中央にすっとボランチが入って来て欲しいんだけれど、G大阪戦ではそこにボランチがいないことが多くありました。


 あるいは、これはボランチじゃなくてDFの話しだけど、同じように左サイドに人数をかけてキープし、一度DFに戻してDFラインでサイドを変えようとする時。
 右ストッパーの選手は右サイドの選手を押し出すためにも、広くピッチを使うためにも、サイドに開いてボールを受けて欲しいんだけど、ジョレはその動きが出来ていなかったり遅かったりします。


(どちらのケースも、「言うは易し」なのは言うまでもなく。DFならカウンターを気にしなければいけないし、サイドチェンジばかりでは読まれてしまうからあえて違う動きを狙うのも間違いじゃないかもしれない。チームとしてケースバイケースで対応しなければいけないわけで、だからこそ「連係」が重要になるわけです。)





 でも、例えばロングフィードだったり、足元の技術だったりは水本よりジョレの方が上です。
 フィジカルも高さもスピードもあるんだけど、連係だけはイマイチ。


 だから悩ましいですよね。
 ジョレを切るにしたって、あれだけの選手はなかなか取れないと思います。
 とはいっても、そういった細かなプレーが出来るかどうかは獲ってみなければわからないところがあります。











 何をいいたいかと言うと、うちはそういった細かな動きや連係で成り立っているチーム。
 だから、「選手層が薄い」のは確かかもしれないけど、実際に補強するとなるとかなり難しいと思いますよ。


 イビチャ監督もアマル監督も、実際に使えるのは11人+5,6人で構わないと言っています。
 それも連係を深めるためには、そんなに大勢の選手がいると逆に邪魔になってしまうということなんでしょう。
 日本代表もそういった感じでレギュラーはほとんど変えずに、チームビルディングを進めています。
 






 ということで、補強も重要ですけどレギュラーの成長だとか怪我などでの欠場とかの方が、実はもっともっと重要なのです。
 当たり前ですけどね。
 でも、その当たり前が実はあまり論じられていなかったりするのは、残念なことだと思います。

















 余談だけど、「何のためにビルドアップをするのか」という五輪代表関連の記事が以前ありました。
 内容はあまり覚えてないんだけど、もっとラストパスを打てとかシュートを打てとかそういう内容だったような。


 でも、それっておかしいんじゃないかと。
 ビルドアップってラストパスやシュートのためにあるものであって、ラストパスやシュートを打てていないようなビルドアップは、ビルドアップじゃないんじゃないかと。
 あるいは、ビルドアップの仕方そのものに問題があるのではないかと。







 例えばジェフなら、右サイドで水野が一対一で勝負するためにサイドチェンジをするわけです。
 後は水野が似るなり焼くなり…縦に突破してクロスを上げるなり、中に切り込んでシュート打つなりすればいいだけ。
 要するに、サイドチェンジに成功して水野がボールを持った時点で、もうラストの部分なんです。






 ビルドアップをチームで作り出すということはそういうことでしょう。
 ラストの部分が見えていなければ、“チームとしてのビルドアップが出来ている”なんてとてもじゃないけど言えない。ただのボールまわしですよ。


 悪いけど、今の五輪代表はただのボールまわしをしているようにしか見えません。
 得点も偶発的なものが多いのが現状です。
 でも、それでも勝てちゃうのがまたサッカーなんです。





 だから、「何のためにビルドアップをするのか」というタイトルはおかしい。
 正確には「何のためにボールをまわすのか」でしょう。







 逆に言えば高質なビルドアップさえ出来ていれば(チームの共通理解の下、ビルドアップが出来ていれば)、必然的にシュートもラストパスも増えてくるはずなんです。
 もちろん、相手がいるということは忘れてはいけませんが。