テレ朝社長、TBS亀田寄り実況に「スタンスが分からない」


亀田大毅問題で、試合を放送したTBSの実況が亀田寄りだったとの苦情が寄せられるなど、テレビ局の“放送責任”が問題視された件について、23日の定例会見でテレビ朝日君和田正夫社長は「スポーツ(の放送は)ルールという点から我々は考える。(亀田戦を)見ていないから何とも言えないが、スポーツとして扱われているのか、イベント的に扱っていらっしゃるのか、TBSさんのスタンスが分からないので明快に答えられない」と語った。
 まさに「お前が言うな」(笑)







 私も例の試合を見たわけではないから、詳しくは知りませんけどね。
 見たら負けかな?と思いましたし。



 要するにはっきりとしたヒールを作って、その人がやられるかどうかで注目を集めて視聴率を獲るのがTBSの作戦だったわけでしょう?
 そのヒール役に乗っちゃった本人達もおバカだなと思いますけど、そんな前提で視聴するのなんてもはやスポーツ観戦じゃないんじゃないかと思っていたので。


 ある意味でTBSは勝ち組なんでしょう。この作戦に成功したおかげで高い視聴率が取れたそうだし。
 個人的には何が良いのか解りませんでしたが。
 まぁ、基本的にボクシングとかK-1とかの類は、個人的に苦手なのでそういった部分もあるんですけど(笑)
(そういったスポーツ自体を否定するわけではないですけど。あくまでも個人的に受け付けないというです。)










 しかし、ですよ。
 じゃあ、テレ朝がどういったスポーツ報道をしているのか、ということです。
 例えばサッカーだと、何でもかんでも俊輔だ、高原だ、平山だ、海外組だ…。
 ようするに絶対的なヒーローを作りたがっているわけでしょ?


 アジアカップでも後半の高原はいまいちだったし、俊輔だってずば抜けてよかったわけではないのに、大会を振り返るテレ朝のVTRなんかを見ると「アジアカップで大活躍したのは俊輔と高原だけ」となっている。
 でも、本当にそうだったのかと。他にも良かった選手はいるんじゃないのかと思うのですが。








 要するにです。
 テレ朝は単純にヒーローを作った。特定の選手以外はその他大勢として報じた上でね。
 で、TBSはヒールを作った。


 これって本質的な狙いは、さほど変わらないんじゃないかと。
 もちろんやり方だとか、細かいところは色々違うだろうけども。


 道徳的な観点ではヒールよりヒーローを作るほうがいいのかもしれないけど、テレ朝の社長が言ったような「スポーツとして」という観点で見るのならヒーローもヒールも変わらないでしょ。




 結局、スポーツとはなんぞやという話しになるはずです。
 「スポーツか、ただのイベントか」と言っているからには、その定義がはっきるすことが前提となるはずなんだけど、それをあのテレ朝が解っているとは到底思えないわけです。






 
 まぁ、とはいえスポーツとしてではなくイベントとして放送したこの前のボクシングが、高視聴率を取ってしまったのも事実。
 また、日本代表にしてもイベントとしては評価が高くスポーツとしては評価が低かったジーコ時代の方が、イベントとしては評価が低くスポーツとしては評価の高いオシム監督時代より人気が高かったとも、言われているわけです。
 

 だから、一概にテレビ局やマスコミだけ批判するのもどうなのかなあとも思わなくはないです。
 けれど、だからといって庇うつもりも一切ないけれど。
 でも見る側にもどこかに問題はあるんじゃないかということです。






 日本人の右へ倣えの考え(ブームにはとりあえず乗れみたいな)を考えると、なかなか良くなってくのは難しいのかなとも思います。
 それ自体を変えるには、教育方針とか文化とか社会そのものを変えなければいけないわけですからね。


 けど、だからこそ、“スポーツ(もっと大きくいえば文化)を知っているはずのマスコミ”が頑張るべきなんじゃないの?と思うんですけどね。