ブラジルW杯壮行試合は1-0で勝利

 埼玉で行われたブラジルW杯壮行試合日本代表対キプロス代表戦は、1-0で日本代表の勝利ということになりました。
 日本代表は鹿児島でかなりきつめの練習を組んでいたようで、さらにそこから移動ということですから、コンディションはあまり良くなかったのでしょう。


 特に前半は選手たちが動けず、相手が組む4×4のボックスの前に選手が経ってボールを回す時間が多かったと思います。
 そこから前に出た瞬間にスピードアップできれば、バルセロナのような感じで良かったと思うのですけど、そこの加速が出来なかったというところが前半の大きな問題だったんじゃないでしょうか。
 悪い時の日本代表はそこからFWやトップ下にパスを出して、ホンダ中心にその周辺選手と狭いエリアで何とかしようとしてしまう傾向にありますね。


 後半に入ってから選手たちが動けるようになり、また相手チームの動きも落ちてきて、相対的日本代表側が動きやすくなったように思います。
 サイドのアップダウンも増え、パスもシンプルに回せるようになり、人もボールも動かせるようになっていった。
 ただ、ゴールが決まったのは前半で、後半はスコアが動きませんでした。
 キプロスは長身選手が多くサイドなどを攻め込んでも大久保などではターゲットになりにくいし、ゴール前に引かれてスペースにも出ていけなかった。
 前半から動けないこともあってテクニックで崩そうというプレーが多かったですけど、あのような状況になった時にどうするんでしょうね。



 山口蛍や大久保などシーズン中のJリーグ選手を中心に、コンディションが良い選手と悪い選手が判断できたこと。
 また、長谷部や吉田など怪我明けの選手がしっかりプレーできたこと(スタミナなどはまだわかりませんが)、大久保、伊野波といった代表選出当確線上の選手が起用できたことは良かったのではないでしょうか。
 まぁ、この辺りは練習でもある程度はやれることだとは思いますが。


 ただ、一方で後半のように攻め続けても、得点が取れない時にどのような策を取るのか。
 また、カウンターに対する守備も課題で、特にサイドの守備は相変わらず数的不利になりがちです。
 どちらの課題も今までもあったものの修正してこれなかった問題ですから、今から大きな修正は期待できないのではないかと思いますし、内部でどう"微調整"するのかといったところなのかもしれません。



 4年前も大会前は状況が悪かったとはいえ、むしろ結果が出ないことで大きく舵を取れた印象もあります。
 しかも、岡田監督は短期決戦に強く奇策をを練れるタイプでしょうが、ザッケローニ監督は良くも悪くもこのままいくのではないかと思います。
 それだけに、今回の練習試合も「コンディションが悪いからこんなもの」というような見方で良いのかは、個人的には疑問かなと。


 特に後半は動けていたものの課題も出ていた…といった印象もあるだけに、あのような状態で本大会の戦い方になる可能性も十分あるのではないでしょうか。
 むしろ「4年前も悪かったんだから」という雰囲気が蔓延してしまったら…という不安も、なくはありませんが、そこは海外でプレーしている選手も多い現在の日本代表。
 さすがに"世界仕様"に、気持ちと身体を持っていってくれるのでしょうか。


 今の日本代表にどのレベルのを望むのか、どんな結果を期待するのかでも話はだいぶ違ってくるのかもしれませんけどね。
 ともかく、今は残りの時間で更なる成長を期待したいところです。