予算的な優位はあっても継続性で後れを取ってきたジェフ

とにかく、この試合でベルマーレがブチかましたサッカーは、まさに次元を超えたハードワークの集積物とも言い表せるモノだった。
対戦したジェフの鈴木淳監督も、シャッポを脱いでいた。
私は、ジェフが志向するサッカーと、彼らの現状を高く評価しているからね(鈴木淳もまた、とても優れたプロコーチだよ!!)、そのこともあって、「この日のベルマーレ」には、鈴木淳さんとともに脱帽だったというわけだ。(湯浅健二

 多くのサッカージャーナリストが見に来られていたらしいジェフ対湘南戦ですが、湯浅健二氏も観戦されていたようですね。
 たぶん、このあたりの監督への質問も、湯浅さんによるものかな?と感じさせます。

昨年のJ1の時よりももちろん良くなっていて、マイナスではなくプラスの意味で繰り返している。同じことをやっていて全体的にどんどん伸びていっているのが湘南の姿で、まさに継続は力なりです。一昨年、J1に上がった時に私が同じ質問をして覚えていらっしゃると思いますが、今日は質問を全く変えて、今、改めて湘南スタイルとは何かとお聞きした時に簡単に表現できますか。(J's GOAL

 こちらは湘南の曹監督への質問。
 やはりJ1の時よりも良くなっているという印象をうけたのは、私だけではないんですね。
 寄せの激しさや思い切った攻撃参加、そのベースとなる選手1人1人の自信などは昨年以上のものがあるように思います。
 まぁ、なにせ開幕から7連勝ですからね。
 それも大差での試合が少なくない。

今日は湘南にやられてしまいましたが、時間的に言うと1分とか2分とかペースを握ってここでガンガン前に行けたらおもしろいなという場面は何度かあったと思います。やればできると思うんですが、湘南と同じサッカーができたとしたら、また彼らと同じような形で切り替えが速くて攻撃的に前に前に行けたら、千葉はもしかしたら湘南よりもいいサッカーができるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。(J's GOAL

 こちらは鈴木監督への質問。
 ここまで質問だけで、「湯浅さん来てたのかな?」と思わせる方も珍しい(笑)
 純粋に質問者としてはどうなのかとも思わなくもないですけど、質問する側にも個性がある人がいる方が面白くはあるかもしれませんね。


 また、これだけあの試合を見て、ジェフに対して前向きな話をしてくれる人というのもあまりいないんじゃないかなと思います。
 ジェフを贔屓にしてくれているジャーナリストの方ならともかく。
 もちろんジェフ側の気持ちを配慮して…という部分もあるのかもしれませんが、言う時は厳しく言うタイプの方だと思いますし、完全なる"ヨイショ"ではないと思います。



 しかし、実際には湘南と同じサッカーと言うのは難しいでしょう。
 「切り替えが速くて攻撃的に前に前に行けたら」という話でしたが、そこをするのが大変なのだと思いますし。


 いくら監督が走るサッカーを要求したとしても、湘南のように走れる選手がいると言うとほんの数人だと思います。
 ベースとなる選手構成から違うわけで、ではなぜ違うのかと言うと、ジェフは短期に結果を求めてきた結果、ベテラン選手が多いという特徴がある。
 それが5年…どころか降格する前の8年近くもの間、ベースの構築というより上乗せ的な補強しかしてこなかったわけで、そのツケが今来ているのだと思います。


 ジェフはともかく短期結果ばかりを目指してきた。
 一方で今の湘南は1つのサッカーを追及した強化をしてきた。
 曹監督の手腕と言うのは言うまでもないですが、09年に就任した前任の反町監督の頃から頑張って走るというベースは作られてきたとも思うわけで。
 予算的な優位はジェフにあったとしても、時間的な差(継続性)ではジェフが大きく後れを取っていることになります。
 そして、サッカーでは得てして後者の方がチームに大きな影響を与える…。


 今はようやく監督2年目。
 斎藤TDになってようやく走れる若い選手たちも増えてきた印象もあるわけで、ジェフはここから時間的な差を埋めようとし始めている初期段階とも言えるのかもしれません。
 もちろん、それでも結果も欲しいと思ってしまうところはあるわけですが、ある種それはわがままな部分とも言えなくもないのでしょう。
 それでも試合になれば当然勝ちたいですし、出来るだけその進化のスピードを早めたいところではあるわけですが。



 個人的には一夜明けて、いろいろと整理がついたところがあります。
 0-6で負けたという事実はどうあがいても変わらないわけですからね。
 ここからどう立ち直り、どう成長していくかを、今は考えるべきなのでしょう。


 もちろん、あの差を埋めるのは簡単ではないわけですけど、だからといってここで近道を探そうとしてはまた同じことを繰りかえるかもしれないわけで。
 根本的な問題をしっかりと見つめなおし、一歩一歩やっていくしかないんだと私は思います。