自信を持てないというか、負のオーラというか…
あえてピッチとは別の話をしますけど、観客動員に苦しんでいるのはジェフだけではないですかね…。
J2のどこのスタジアムを見ても今年は寂しい感じで。
唯一J2で頑張っているのが、松本山雅でしょうか。
G大阪のようなビックチームが不在というのもあるのかもしれませんが、それにしてもこの時期にこの状況はちょっと心配です。
増税の影響やら、サポーターによるピッチ外での騒動が多かったことなども影響しているんでしょうか。
しかし、それにしても今後が気になるところです。
■守備で見られた局面の弱さ
ジェフは森本に変えてケンペスをスタメンで起用。
これはもう単純に点を取りたい、攻撃で強さが欲しいということでしょうね。
ここ数試合、スタートのメンバーだと守備では穴が少なく、戦えていた。
しかし、攻撃では高い位置でのタメや変化が作れず、なかなかチャンスを作れなかった。
だから、スタメンのどこかは変えてくるかなぁとは思っていたのですが、1トップを変更してきましたね。
まぁ、どこかを変えるといっても、候補としてはケンペス、兵働、谷澤あたりしかいないのでしょうが。
前半は予想通り、長崎がロングボールを出して、ジェフが繋いでいく展開。
ジェフの守備は前節同様、中盤のアプローチが遅いですね。
中盤のアプローチが遅いから、ミドルサードの低い位置で前を向かれて、そこからアーリークロスをポンポンと上げられてしまう。
それによって前半の早い段階から、全体のラインが下がってしまっていました。
前半24分。
中盤で寄せに行くも中途半端なところから、ボールを展開されてしまいます。
町田が相手ボランチへのチェックが遅れ、縦パスを出され山口智が前に釣り出されます。
智は簡単に大久保に前を取られ、大久保が1-2で出ていったところを追わずに、シュートを放たれてしまいます。
そのシュートを岡本がはじいたところを、野田が拾って先制されてしまいます。
1人1人のアプローチが遅く、寄せが非常に弱かったですね。
あれだけ局面で激しく行けないと、どうしようもないんじゃないかなというレベルの状況でした。
それにしてもあのシーンは、大久保についていってほしかったですが…。
それまで攻撃に関してはようやく山中の連携も改善されてきて、良くなっていた印象もあったのですけどね…。
ケンペスが入って、やることがはっきりしたの良かったんでしょうか。
前半中頃から全体の動きも改善されていきます。
前半30分には後方で大岩がボールを奪い、カウンターから左に開いた町田へ。
中村がオーバーラップしてクロスを上げると、ケンペスが中央で納めて、ボールを奪いそのまま飛び出していった大岩がどフリーに。
その位置にいたのは素晴らしかったのですが、残念ながらこれを外してしまいます。
大岩、ここ以外にも攻撃参加が目立っていましたが、前に強い選手なのでDFラインが下がり気味の状況の方が戦いやすいんでしょうか。
しかし、前回の山口智もそうだし毎回思うのですが、点を取られてからではなくその前から攻撃的な姿勢をもっと見たかったところですが…。
状況が改善されつつあるかな…と思った前半38分。
ジェフの右サイドからシンプルにクロスを上げられると、中央の奥埜がどフリーでゴール。
このシーン、2つの問題があったと思います。
1つは田中の戻りが遅れたこともあって、寄せが甘かったこと。
実は前節も寄せの甘さが目立って、前でクロスを上げられていた田中。
攻守に頑張れることがウリな選手なだけに、守備で貢献できないのはちょっとよくないですね。
もう1つは言うまでもなく、ゴール前で奥埜がどフリーだったこと。
基本ゾーンで守っているわけで、奥埜を見るべきは基本大岩でしょう。
あるいはGKが飛び出せそうな位置でしたから、GKとしっかりと声を掛け合ってマークのやり取りをするか…ですが。
どちらにしろ、ジェフが巻き返そうという時間帯での残念な失点でした。
■前半途中から改善されるもスタミナ切れ
ジェフは前半終了間際に1点を返します。
まず左サイドの位置でFKをえると、山中がストレートの強烈なシュートを放ちますが惜しくも決まらず。
その流れからのCKで、大岩がヘディングで合わせるもクロスバー直撃。
そして、もう一度ジェフが拾って山中がクロスを上げると、山口智が中で受けてゴール。
CBコンビが絡んで、1点を帳尻合わせした感じですね(笑)
後半から長崎は後方に下がって、慎重に試合に入っていった印象でした。
先に2点取ってジェフの動きが徐々に良くなっていき、前半終了間際に1点返されたのですから、まずは相手の勢いを警戒するというのは当然の流れでしょう。
また、単純にスタミナの問題も出てきていたように思います。
ジェフは健太郎に変えて兵働を投入。
相手前方のチェックが緩くなってきたところでしたから、ちょうど良い流れでの起用となりましたね。
長崎によるジェフのボランチ付近への寄せは前半から比べて完全に落ちていましたから、ボランチからの展開もしやすい状況で。
寄せが甘い状況でのパスワークでは、やはり兵働は上手いですよね。
問題はそうでない時のプレーなわけですが。
前半5分、左サイドの山中からゴール前の町田へ斜めのパス。
町田はどフリーでボールを受けてシュートを放ちますが、決めきれず…。
山中の視野の広さ、町田のポジショニングの良さが生んだチャンスでしたが、ここは決めてほしかった。
一方で長崎はこの後の守備でも、最終ラインのマークが不安定になってきましたね。
前半の大岩のシーンでもそうですが、どうも後方からの飛び出しへのマークが苦手なところがある印象でした。
後半それが目立ったのは、それだけジェフの選手たちが前に出ていける状況にもなったということになりますが。
しかし、チャンスがあるにもかかわらず決めきれないと、やはり流れは悪くなっていってしまいます。
後半15分には谷澤を投入しますが、その頃にはジェフの選手たちの動きが重くなって、足元でボールを受けるプレーが増えていってしまいました。
守備でも戻りが遅くなり、カウンターを受けることによって、さらに流れも悪くなってしまった印象で。
相手も警戒してきて、兵働の前も開かなくなってしまいましたね。
相手もこちらも運動量が落ちて、試合は中だるみした展開に。
後半35分。
町田に変えて、森本を投入。
羽生じゃないですけど、町田も運動量がある分、90分間は持たない選手なのかもしれませんね。
前に出ていく選手が増えて、状況は改善されたと思います。
しかし、それによってチーム全体のギアを一段引き上げるというまでには至らず。
そのまま1-2で敗戦となってしまいました。
■力を出し切れず昇格できるわけもなく
前半途中からの内容は悪くなかっただけに、守備の局面での甘さがなければ、十分良い試合が出来たはずだと思うんですけどね…。
前節に続いてそこをやられてしまっただけに、すごく残念な試合でした。
90分間局面で激しく相手を潰せるかというとそれは難しいのでしょうけど、その前の寄せの部分だとか相手の1-2にしっかりついていくとか、そういったところが出来ていないというのは、個々の集中力や意識の問題ではないでしょうか。
特に田中は2試合続けて寄せが甘かったところがありますから、正直残念ですね。
攻守に頑張れる選手ですし、個人的にもそういった選手は好きなだけに、報われてほしいとは思うのですが…。
もちろん、田中だけでなく町田やボランチあたりも甘さは目立ちましたが。
また、CBもこの試合ではミスが多く、内容は良くなかったように思います。
開幕してからこれまで山口智のコンディションは悪くないのかなと思っていたのですが、一瞬のミスでやられてしまうところがありますね…。
スタミナの問題もあるのか、90分間集中しきれないところがあるのか。
しかし、一方でCBの2人にせよ、町田などにせよ、攻撃面では良い部分もあって。
ゴールに絡んだ山中などを見ても、明らかに連携は向上していますね。
あとはやはり決定力…というレベルのところも大きかったと思います。
けれども、攻撃も改善してきているし、守備も組織的にはそこまで悪くないと思うのですけど、チーム単位でみるとなかなか波に乗れない。
チームの勢いを付けられないという点が、今は気になるかなぁと。
もちろん結果や一時の勢いだけでは、どうしようもない部分がある。
昨年もシーズン折り返しの前に6連勝を決めたものの、そこから夏のコンディション低下もあって、その後は勝点を重ねられずに終わりましたし。
それだけに勢いだけでなく、中身もすごく重要だとは思うのですが。
けれども、どうにも明るい雰囲気になりきれないというか、自信を持てていないというか、負のオーラがあるというか…。
サポも含め周囲もそんな雰囲気だから選手にそれが伝染してしまっているのか、その逆なのかはわからないですけど、どうにも何かが引っかかったままシーズンが進んでいるところがあるような気がします。
まだどこかで「勝てて当然、なのに実際は…」という意識があるのか。
そして、戦犯探しへという流れが多いのか。
どうにもクラブ単位で思い切ってサッカーに集中する…というところにまで、至っていないような印象がある気がします。
それではもちろん100%を出し切れるわけもなく、力を出し切れずに昇格できるほど甘い環境にいるわけもなく。
なんとなくですけど、今はそちらの方が気になったかなと。
リアルタイムで試合を見れずに、Twitterだけ見ていただけだからかもしれませんが(笑)
サポも含めてクラブであるのなら、当然そういった世論的なものもチームに影響を与えるはずで。
チーム状況など以上に、今はそちらの方が気になるところがあります。