今シーズンのキャプテンを考える

 Jリーグ開幕に先立って、22日土曜日にキックオフカンファレンスが行われました。
 キックオフカンファレンスには、各チームの監督と選手を代表して1名が参加します。


 クラブの代表選手はキャプテンであることも多く、今季のキャプテンがまだ正式に発表されていないジェフから誰が参加するのか注目していたのですが、今年は兵働が参加となりました。
 しかし、清水時代にキャプテンを務めるなど実績を考えればキャプテン候補の1人として考えられる兵働ですが、昨年の状況から考えると1年間フルに出場できるかどうかには不安が残りますし、90分間の出場においてもスタミナに課題がある選手ということもあって、キャプテンとなると少し意外な印象もなくはありません。
 それだけにキックオフカンファレンスでどのような話がされたのか知りたかったのですが、今年はJ's GOALもキックオフカンファレンスでの個別の取材をやってくれなかったようです。


 その他のジェフの情報を探しても、ネット上で出ているのは千葉日報くらいでしょうか。
 記事の内容に関しては無難な兵働のコメントのみでキャプテンに関するものはなく、開幕戦で対戦する栃木に関しては下野新聞に掲載されていますがジェフ側の情報はありませんでした。
 その他のチームがどれだけメディアに取り上げられたかはわかりませんが、こうなってくるとキックオフカンファレンスの意義もわかりにくくなってくるように思います。
 J's GOALも含めゼロックス杯への取材はされていたようですし、Jリーグのスポンサーに対する意味合いも強いのでしょうか。


 考え方を変えるとすれば、今の時代マスコミに頼らずクラブ側が率先して情報を出していく必要があるのかもしれませんけどね。
 そもそもJ's GOALもJリーグの関連企業が運営しているわけですし、世間一般にはJクラブへの注目などそこまで大きなものではないわけで。
 例えばとして、今回のキックオフカンファレンスで監督と選手が何を話したのか。
 あるいは、キャプテンを誰にしたのか(あえて発表を引っ張っているというのならそれでいいとは思いますが)。
 クラブが発表するのではなくマスコミに流す形でもいいのかもしれませんけど、そのマスコミが興味を示してくれないのであれば自ら動いていかないといつまでたっても状況は変わらないのかなと。



 話は前後しますが、ちばぎんカップでは山口慶がキャプテンを務めました。
 昨年のキャプテンである山口智はこの試合でキャプテンを務めなかっただけでなく、キックオフカンファレンスにも不参加で、千葉市への表敬訪問参加者も健太郎、天野、町田だったことを考えれば、今年の智のキャプテンはないのかなと思います。
 智自身が辞退したのか監督などが決めたなどはわかりませんが、ジェフとしては新たな世代の選手たちに出てきてほしいという思いもある上、他選手の智への精神的な依存も不安視される傾向にありましたから、チームとしては良い方向ではないかと私は思います。


 慶は試合後「キャプテンは今日だけだと思う」と話しています。
 確かに連携面を重視してシーズンスタート時は健太郎と慶で行くのかもしれませんが、新加入の田代も良いプレーを見せておりベンチには勇人もいましたから、ボランチ争いは熾烈となるはずです。
 慶は昨年も終盤しか出場しておらず、今季フルシーズンでレギュラーとなれるかどうかはまだわからないでしょう。



 しかし、慶もキャプテン候補の1人であるということには、変わりないのかなと思います。
 というのも、今季は今のところ確固たるレギュラーというのが、ほとんどいない印象で。
 ケンペスと森本も争ってほしいですし、2列目も山中がちばぎんカップでスタメンとなり、ベンチには谷澤、田中もいる。
 両SBは固定される可能性が高いかもしれませんが、2人とも新加入の選手ですし、CBも右はキム、大岩、竹内に加えて田代も候補になるかもしれない。
 高木がライバルになる可能性も出てきた岡本はさすがにレギュラーで固いと思うのですが、オシム監督なども言っていたようにGKは他選手に声をかけにくいとうことで、あまりキャプテンにはしたくないという考え方も珍しくないと思います。


 そう考えていくと、キャプテン予想は非常に難しい。
 昨年から在籍してレギュラー濃厚の選手ということだけで考えると、岡本、山口智、町田くらいしかいないのではないでしょうか。
 レギュラー候補で、性格も考えると慶、兵働あたり…?
 2人はちょうどキックオフカンファレンス参加とちばぎんカップでのキャプテンということで、やはりキャプテン候補なのでしょう。
 天野も性格的にはありえそうで田代も町田でキャプテンを務めていましたが、移籍初年度ですからいきなりはないかなぁと思いますし。



 個人的にはやはり思い切って町田をキャプテンに…とも思ってしまうのですけど、期待が高かっただけにちばぎんカップでの出来は思ったよりも残念な内容でした。
 キャプテンはプレー内容だけが問われるわけでないでしょうが、「もっと自分から状況を変えよう」というプレーが見たかったですし、だからこそキャプテンに推していたところがあるわけで。


 それとよく有望な若手選手にキャプテンマークを与えるケースとして阿部の話が出てくるわけですけど、あの頃のチームはほぼノーマークでチャレンジャーだったからこそやりやすかったという部分もあると思います。
 今のジェフは多大なる重圧の懸かった状況にいるわけで、下手に1人の選手に期待を集めればその選手が潰されてしまう可能性もあるかもしれない。
 加えて当時は今ほど主軸選手にベテラン選手も多くなかったけれど、今は実績あるベテラン選手が少なくない。
 そう考えていくと"町田キャプテン"というのは、言うほど簡単ではないのかなとも思わなくもありません。


 それでもそこを乗り越えれば町田もただの良い選手以上のものになれるかもしれないですし、個人的には見てみたい思いが強いです。
 ただ、慶がいっているように「だれがつけても一緒」というか、1人1人が強い意識を持って戦うことが何よりも期待したい部分ですね。
 確固たるレギュラー候補が少なく、ポジション争いが激しいことがチームの成長を促す意味でいいことだと思いますし、その状況がプレー面だけでなく精神面にも良い影響を与えてほしいと思います。