ケンペス3度目度のハットと森本のジェフ初ゴール

 熊本戦でケンペスハットトリックを達成。
 これで今季3度目のハットトリックとなり、得点ランキングでも2位以下に大きく差を広げることとなりました。
 ケンペスはこれまで21ゴールを決めており、2位には15ゴールの神戸FWポポ、MF小川、栃木FWサビアがつけています。


 熊本戦でのケンペスは攻撃だけでなく、守備でも貢献。
 以前のように自身に近いエリアだけに守備に行くのではなくボールのないところでもポジション修正を行い、フラフラと歩いている時間帯も少なくボール奪取回数も多かったですね。
 もともとフィジカルは強い選手ですから、うまく守備に行けさえすれば相手にとって脅威になりうる。
 シーズン序盤の良かったころを思い出しましたし熊本戦で久々に守備で大きく貢献したことにより、逆にこれまでの試合では守備で頑張れていなかったことが改めて浮き彫りにもなりました…(笑)


 運動量が増したのは守備だけでなく攻撃でも同じで、動きが増えたことによって相手の密集をかわしてゴール前に飛び込んでいけたのではないかと思います。
 フィジカルが強いとはいえ1トップですからうまく相手のマークを外す必要はどうしても出てくると思いますし、一点目のヘディングシュートなどもうまく相手3バックの横をついてファーでクロスに合わせて見せました。


 しかし、一方でやはりケンペスにとってはシーズンを通してのコンスタントなパフォーマンスの発揮や、日本の夏の蒸し暑さは身体的につらいところがあるのかもしれませんね。
 年齢も31歳とベテランと言っていい選手だと思いますし、うまく休ませてあげる必要性があったのかなと。
 来年もケンペスが残ってくれるのであればFWの軸となる可能性が高いといえるでしょうし、チームにとっても大きな課題になるかもしれません。



 そこで気になるのがもう1人の1トップ候補森本ということになりますが、森本もようやく熊本戦でジェフ初ゴールをあげました。
 プレー内容は今までとそこまで変わっていない印象で、ドリブル時に相手のチェックがあるとボールを見過ぎて頭を下げてしまって、スピードを止めてしまう傾向があったように思います。
 結果が出ずに自信のない状況だからこそそうなってしまうのかもしれませんし、このゴールをキッカケに変わってくれれば…と思います。


 この試合でもケンペスが1トップで森本と縦の関係になっていましたが、神戸戦の時とは違って攻撃時には森本がゴール前に出ていくようになっていましたね。
 ジェフが攻めこむ時間帯が長かったですから2トップにしても問題ないという部分もあったのかもしれませんが、それでもやはりトップ下がいるときに比べればボールを回しにくい部分はどうしてもあるのかなと思いました。


 しかし、それでも森本にこだわる理由はもしプレーオフなど大事な試合でケンペスが使えない状況になってしまったら…という部分もあるでしょうし、2トップにして攻撃のオプション作りという面も大きいのかなと思います。
 今季のジェフはかっちり4-5-1でパスサッカーを構築し、ポジションごとの役割も明確になっていると思います。
 それだけに選手を交代しても戦い方の根本は変わらず、攻撃に変化をつけにくいという部分があるのではないかという印象があります。
 選手を交代してもチームに大きな変化がないということは、それだけやろうとしているサッカーが明確になっているということで本来はいことだと思うのですけど、選手交代などで変化をつけたい、もう一点取るために加速させたい…という時には悩ましい部分もあるのかもしれません


 そこに森本が加入して、今まではFW不足で試すことすらも難しかった2トップの形をオプションとして模索し始めたと。
 プレーオフでは「どうしても1点が欲しい」状況になることも十分考えられますから、攻撃のオプション作りというのも極めて大事になってきますしね。
 町田、大塚といったトップ下で決定的な仕事ができる選手が出てきたこともあって、軸となるパスサッカーが明確に見え始めてきた今だからこそ、オプション作りにも手を出しやすくなったとも言えるのかもしれません。
 森本が1点を決めたといってもまだそのオプションがうまくいくかどうかはわかりませんけど、ケンペスも森本も能力は高い選手なだけに今後に期待したくなりますね。