元ジェフ監督ヨジップ・クゼ氏亡くなる

 クロアチア出身監督でJリーグではG大阪やジェフでも指揮をとられたヨジップ・クゼ監督が、先日16日に亡くなられたとのことです。
 クロアチアサッカーニュースの長束恭行さんがtwitterで伝えています。
 海外でもフランスのレキップ紙の他、クロアチアメディアなど多くのサイトで取り上げられています。
 その後、日本でも昨日夜に共同通信が報じ、Yahoo!のスポーツ欄トップニュースにも掲載されました。


 選手時代のクゼ氏は、名門ディナモ・ザグレブユーゴスラビアリーグに382試合出場するほどの名選手だったそうです。
 ユーゴスラビア代表U-21にも選ばれたDFだったそうで。
 最後までディナモ・ザグレブなどでは監督として評価が高かったのも、この頃の活躍に影響があったのかもしれませんね。


 監督としてはユーゴスラビア、ドイツ、クロアチアなどで数多くのクラブを歴任。
 1995年にはG大阪監督に就任。
 宮本や稲本など若い選手を積極的に起用し、97年にはエムボマやその後ジェフでもプレーするクルプニコビッチなどの活躍もあってセカンドステージ2位の好成績を収めます。


 その後、ヨーロッパに戻り、05-06シーズンにはディナモ・ザグレブで自身初となるリーグ優勝を成し遂げます。
 そして、2008年からジェフの監督に就任します。



 2008年シーズンのジェフは、アマル監督を解任した影響で羽生、勇人、山岸、水野、水本と多くの選手が他チームに流出。
 若手主体で戦わなければならない、厳しい状況になりました。
 クゼ監督はそれを知らずに監督に就任した経緯があり、それに関しては当時のフロントもどうなのかなと思いましたが…。


 しかし、チームのベースがない中でベース作りを期待したのですが、あろうことか頻繁に選手だけでなくフォーメーションも切り換え、なかなかチームの基盤が作れませんでした。
 その後、澤入監督代行が就任してすぐに守備の基本が形成でき結果も出たことを考えると、ちょっとクゼ監督はベース作りを作り上げるのは得意な指導者ではなかったのかもしれませんね。
 もちろん厳しい状況だったことは言うまでもなく申し訳のなさも感じますけれども、ジェフでは1勝も出来ず迷走し続けいていたのも事実だと思います。
 G大阪でも監督退任後長らくアドバイザーを務めて外国時選手の補強などに協力していたようですし、ベースが出来ているチームで指揮を執ったほうが良いタイプの監督だったのでしょうか。



 2009年5月にはアルバニア代表監督として活躍しますが、脳梗塞を発症。
 昨年から中国の天津泰達で指揮を執っていましたが、6月に解雇。
 その後、白血病を患い、闘病生活を送られていたそうです。



 ジェフでは非常に残念な結果となりましたが、アマル監督が退任となってオシム路線が終了し、今後ジェフはどうなるのかという不安のある中で、クロアチア人で経験も豊富なクゼ監督が就任してくれたことは、当初ファンやサポーターにとってとても明るい話題でした。
 結果がなかなか出なかったのも選手が流出したことが大きいと評価されていることが多く(まぁ、アマル監督バッシングが強かったのでその反動による影響も極めて大きいものだと思いますが)、実際評価をしにくいところもなくはありません。


 また、人柄が非常によく、温厚な方だったイメージがあります。
 そこがクゼ監督の憎まれないキャラクターに繋がっているのかもしれません。
 まぁ、開幕前のキャンプなどでまったく練習試合を組まなかったところを見ると、トレーニングにおいても優しすぎるところがあるのかな…とも思ったりもしましたが(笑)


 一度脳梗塞を発症しても監督業を続けるなど、この方もまたサッカーが好きだったのだろうなぁと思います。
 ご冥福をお祈りいたします。