『過信』ではなく『自信』を胸に

 ゴールデンウィーク中のジェフの成績は2勝1分。
 試合内容に関しては課題も多く、手放しで喜べる状況ではありませんが、結果に関しては良好な3連戦となりました。
 もちろんまだまだこの程度の結果では上位との差を縮めたことにはなりませんけど、なんとか上位戦線を伺う位置には踏みとどまっていますね。


 対する富山はこれまでのところ4勝5敗4分。
 開幕直後は勝ち、負け、勝ちとまずまずの結果を出していましたが、ここ4試合は勝ち星なしで2敗2分となってします。
 昨年までの富山は元ジェフの苔口などスピードのあるFWや、こちらも元ジェフの黒部のポストプレーなどを活用して、縦に早いカウンターサッカーを展開してきましたが、今年はパスをつなぐ方向にシフトしています。
 今年の富山がとどれだけ変化したのか、ジェフ相手にもパスをつなぐサッカーができるのか、楽しみなポイントではないかと思います。
 なお、黒部は左膝の手術から現在リハビリ中となっており、ジェフ戦には間に合わない見込みです。
 少し残念ではありますが、前から怪我は少なくない選手でしたし、しっかり治してほしいですね。


 富山も最近Jリーグで復権してきた3バックで戦うチームではありますけれども、流行に乗って3バックを実施しているのではなく、2010年途中に安間監督が就任してから独特な3-3-3-1の布陣を基本的に継続して行っています。
 守備時はインサイドハーフの選手がサポートに回ってサイドの人数不足などを埋める形で、選手がワッと集まって守る戦い方ですね。
 そのため全体の運動量が求められるわけですが、ジェフはそれに対してしっかりとボールを散らして、相手のプレスを交わし相手選手を走らせていきたいですね。



 ジェフの攻撃は基本的にはパスを回しつつ、相手のバイタルエリアを取って前を向いて仕掛けるか、サイド裏をついていくパターン。
 これをしっかりと続けていって、質の部分を高めていくことが必要だと思います。
 あとは2列目の組み合わせをどのように選んでいって、最終的な形を作っていくかが大事なポイントになってきそうです。


 一方、守備に関しては前節の岐阜戦で再びジャイールをスタメンから外し、全体的な運動量が増した印象でした。
 また、谷澤、ナムが前線でプレーした結果、前々節のケンペス、兵働のコンビよりプレスは効いていたと思います。
 ただし、相手を追いすぎてスペースが空いてしまった印象はありますし、サイドの守備などにおいての寄せの甘さ、後方のスピード不足などは相変わらずですが。


 寄せの速さ、厳しさなどに関しては、このところ途中出場しているキムはすごくセンスを感じますね。
 まぁ、他の選手がそこを出来な過ぎている印象もなくはないですが…。
 健太郎の調子もいまいちで他に守備で強いボランチもいないですから、少しずつでもキムのボランチも見てみたい気もしなくもありません。
 一番の対策は夏の移籍市場などで、そのポジションを補強することなのかもしれませんが。
 昨年はシーズン開幕直後から積極的に補強していた印象ですけど、今年はより予算が厳しくなっているんですかね…。



 戦術的な課題やコンディションの問題もありますけど、メンタル面もうまくいっていないように最近は感じています。
 昨日も少し言いましたが、チーム全体が自信を持ってプレーできていない印象があって。
 一方で、相手を下に見ているといった"甘さ"があるから、真剣に守備に戻らなかったり、個人突破に走ってしまったりする印象もあるわけですが…。
 これらは今年に限らず、J2に降格してから毎年の問題として。


 『過信』と『自信』のなさが同居してるいる感じを受けて、どういうことなのかなと自分でも悩んだのですけど…。
 要するに、「自分たちはできるはずだ」という『過信』がベースにあるわけだけど、実際にやってみるとそこまでうまくいかないために『自信』を失い、プレーに悩みが出てしまうのかなぁと。
 逆にポンポンと点が入った試合では選手たちが活き活きとプレーできているように見えるわけですが、それは「自分たちはやればできるはずだ」という思い込みが現実のものになった時は、吹っ切れて戦えているということなのかなと。
 もしかしたら、「自分個人は劣っていないのに、チームはなんとなくうまくいっていない」という気持ちもどこかにあったりするんでしょうか。
 これだけ「戦力では優ているジェフ」と毎年のように言われ続けているわけですし、勘違いしてもおかしくはないのかなと。



 まずはしっかりと相手をリスペクトして、謙虚に現実を受け止めることが大事ではないかと思います。
 その上で、自分たちのチームのサッカーにも、自信を持ってプレーすることが今は必要なのかもしれません。
 確かにそう簡単に2点3点と大量得点は出来ないかもしれないですけど、相手が守りを固めてくる中で苦労するのは当然であって、じっくりとでも点を取って勝てればそれはそれでいいはずですし。
 特に今年は個人技に頼るサッカーではないだけに、例年ほどの爆発力は期待できないかもしれませんしね。
 それとやはり去年などより各チーム、守備は安定している印象もありますし。


 そういった思いというのは、もしたしたらサポーターなどが作り出すスタジアムの雰囲気にもかかわってくるところなのかもしれませんし、簡単なことではないのかもしれませんけど厳しくかつ明るく前向きな雰囲気というのが作れたらいいですね。
 それがチームの雰囲気向上だけでなく、伸び悩む観客動員などにもつながってくるのかもしれませんし。