可夢偉が参戦するWEC、今週末開幕
小林可夢偉がフェラーリ・AFコルセから参戦するFIA世界耐久選手権(WEC)が、今週末から開幕します。
日本ではJ SPORTSが放送する予定で、現在のところ開幕戦のシルバーストーン6時間レース、5月に行われる第2戦スパ・フランコルシャン6時間レース、6月中旬に行われる第3戦ル・マン24時間耐久レース、10月に富士スピードウェイで開催される第6戦富士6時間レースなどが生放送で開催されることになるとのことです。
詳しくはJ SPORTSの公式サイトで。
ル・マン24時間耐久レースは一時期日本で中継がされていない時期もありましたが、昨年からトヨタが参戦することになってスポンサーも付きやすくなったのかもしれませんね。
そのトヨタが参戦するに至った1つの理由として、昨年からWECが始まったというところがあると思います。
それまではインターコンチネンタル・ル・マン・カップ(ILMC)という名前で行われていたわけですが、主催はル・マン24時間耐久レースを実施していたフランス西部自動車クラブ(ACO)でした。
そのACOとF1などを運営するFIAが協議を行い、FIA主催で92年まで行われていた「世界耐久選手権」を復活させる形で大会を発展させたという経緯があります。
今年は小林可夢偉のフル参戦もあって、WECへの日本での注目度がより高まるのではないでしょうか。
これによってトヨタも目立つ機会が増える…。
そして、可夢偉はそのトヨタ出身…というのは、さすがにただの偶然なんでしょうか。
しかし、可夢偉が参戦するのはトヨタなどが出走するLMP1というトップカテゴリーではなくLMGTE-Proクラス。
カテゴリが下だからといって単純にレベルが低いといえるものではないのでしょうけれども、やはり花形とは言いにくくそれなりの評価しか得られないのではないかなぁとも思わなくもありません。
可夢偉自身もLMP1との速度差に驚いたと話していますし。
しかし、可夢偉が所属するフェラーリ・AFコルセは、昨年WECのLMGTE-PROクラスのチャンピオン。
ル・マン24時間耐久レースでもクラス優勝を果たしている名門ですから、今年は連覇がかかります。
とはいえ、昨年チャンピオンになったのは51号車。
元F1ドライバーで日本でもおなじみのジャンカルロ・フィジケラと、ミナルディからF1参戦経験のあるジャンマリア・ブルーニのイタリア人コンビで優勝しました。
可夢偉は昨年FIA GT1世界選手権にAFコルセから参戦し、ル・マン24時間耐久レースなどWECにも数レース出場したトニ・バイランダーと71号車を走らせます。
ハコモノでのレース経験のない可夢偉としては、まずはフィジケラなどに追いつくこと。
そして、あわよくば追い抜いてチャンピオンを目指すことが目標となってくるのではないでしょうか。
フィジケラといえば、佐藤琢磨のF1デビューイヤーのチームメイトだったわけですが、琢磨はフィジケラの壁をなかなか越えられずに1年間苦しむことになりました。
今年の可夢偉にとっても大きな壁となる可能性はあると思いますが、一度離れてしまったF1復帰を果たすためには並大抵の結果ではアピールは難しいと思いますし、ぜひともフィジケラを追い抜いてF1復帰を果たしてほしいと思います。