鈴木監督「守備のコンパクトさがない状態で…」

 東日本大震災から昨日で丸2年。
 ここまで早かったような気もするし、2年前が遠い昔のような気もします。
 けれども、今でも地震が多発するとあの頃を思い出して不安な気持ちになりますし、当時の状況や被災地や亡くなった方たちのことを忘れてはいけないのだろうとも思います。


 Jリーグの再開も当時はそれでいいのかいけないのか、思ったよりも早いリスタートに正直戸惑っていたことを思い出します。
 しかし、海外のスポーツ界からの応援の声などは、一人の日本人として素直に励みになりましたし、国内のスポーツ界も立ち止まっているばかりではいられない。
 その分、多くの人に希望を与えられれば…と思いましたし、逆に言うと多くの人に希望を与えることがプロスポーツチームの使命なのだなと、改めて原点を思い起こさせることとなりました。



 例えばジェフは、そのレベルまで達しているのか。
 ただサッカーをやっているだけでは人々に希望を与えるのは難しいかもしれないし、強い志を持ってクラブを作っていっていかなければならない。
 来年にはJ3も出来るわけですけど、J3を目指すクラブはJリーグに入会して何がしたいのか、Jリーグ側もただ増やすだけでなくリーグ全体のクオリティというものを考えていてほしいものだなぁと思いますし、既存のJリーグクラブの一層の努力も期待したいところです。




 さて、いつも通り試合後の監督のコメントを。
 アウェイゲームということで監督のコメントは短めですけど、取り上げてみたいと思います。

鈴木淳監督「内容はさほど良くなかったんですけども、結果的に3-0ということで非常に嬉しく思っています。」(J's GOAL

 もう少しアウェイの試合でも、話を聞けるといいですけどね。
 特に勝ち試合ならなおさらかなぁと(笑)
 負けたら監督もあまり話したくないでしょうから、それはそれでいいとは思いますが。



 ただ、鈴木監督自身は、この試合あまり納得していないようです。

「前半の立ち上がりはそんなに悪くなかったんですけど、15分過ぎ位から前と後ろが間延びして中盤のプレッシャーがかからず、行ったり来たりの展開になってしまって、守備のコンパクトさがない状態で相手に攻め込まれる場面が多かったと思います。」

 3-0で勝ててそのゴール自体は良い流れからのものだったわけですけど、鈴木監督のコメントからすると前半15分から長らく思ったようなサッカーは出来なかったということですから、90分トータルで考えると「良くなかった」とも言えるのかもしれませんね。
 確かに得点直後からなかなか攻撃の形も作れていませんでしたし、前半はまだ相手の攻撃にそこまでの鋭さがなく失点の可能性はあまり感じませんでしたが、後半からは危ないシーンも多かったですしね。
 もしそこで一度でも相手がチャンスをものにしていれば、状況も違ったのかもしれません。


 問題は「前と後ろが間延び」にあると、鈴木監督は分析されています。
 考えてみれば、この試合でも特に後半はひどくDFラインが下がっていたのが気になりましたが、前節の札幌戦でもDFラインが下がる傾向は見られた部分もあったのかなと。
 先制点後の熊本戦もDFラインが下がるからプレスに行けないだけでなく、ポゼッションの部分だとか攻撃の方にも問題が生じてしまったのかもしれません。



 昨年もラインは深く守りがちでしたが、水戸でも守備時は引いて跳ね返すサッカーをしていたイメージのある木山監督ですから、当時の監督のコメントなどを読んでいてもある程度そこは想定なのかと思っていました。
 しかし、鈴木監督の場合は、今回のコメントからしても、よりコンパクトに戦いたい意識が強いのかもしれません。


 やはりそのコンパクトさを維持する部分において考えると、今の最終ラインにはスピードやスタミナが欠けているのかなと思う部分があります。
 ここ数年のジェフを振り返るとスピードのあるミリガンの時はラインを積極的に上げられていましたけど、山口智がDFラインのリーダーなってからは無理にラインをあげず自然と深く守ることが増えた印象がありますし。
 もちろん守備時の安定感などはさすがですけど、その分ミリガンは結果的にリスクを犯してでも全体を前への意識を高める形になっていたわけですし、決して山口智率いるDFラインにも課題がないわけではない。
 シーズンを通して考えると、このスピードとスタミナの問題はより大きくなる可能性も秘めているのかなぁと思います。


 ラインが上げられないのは前線からの守備の問題などもあるかもしれませんが、ケンペスあたりはすごく真面目に守備をしていますしね。
 チーム全体でそういった穴を埋める努力をしつつも、将来を見据えると若い選手たちの成長にも期待したいところではないかなぁとも思ったりします。