2012シーズン反省会 まとめと13年に向けて
今年スタートした2012年反省会。
今回がラストということで。
2012年のまとめということで、やはり木山監督にも少し触れておきたいと思います。
何度か話しては来ましたが、木山監督はチームの大枠は作ることができていたと思います。
守備ではCBを中心としてSB、ボランチが絞ってゴール前で跳ね返すサッカー。
攻撃ではポストプレーなどを使ってパスをシンプルにつないで、前を向いて前線の選手に仕掛けさせるサッカー。
例えば2010年の江尻監督は、その大枠もぶれることがあった気がしますし、そこを作り上げたことは1つの成果なのではないかと思います。
ただ、チームの器になる部分は出来ていましたが、そこから先の細部の構築なかなか進まず、シーズン終盤のチームの仕上がりを見てもあれがあの時点での完成形なのではないかと感じました。
もちろん時間をかければチーム作りが進む可能性は否定はできないのでしょうが、コメントなどを読んでも選手の質の話が多く、戦術的な細かな要素にはあまりこだわりがないのかなと言った印象を受けました。
特にジェフの立場とJ1昇格という目標を考えれば、点を取る部分。
ゴール前での「崩し」に関して組織的な動きが作れておらず、単純に「FWに前を向かせて点を取らせる」というアバウトなイメージしか作れていなかったように思います。
そればならば外国人選手を起用して個の能力での得点を期待したいところですが、シンプルなパスワークにこだわったため外国人選手はあまり好まなかった印象で。
あるいは、外国人選手に限らず個の能力を伸ばす方向にいけば…ようするに、若手選手の育成などが期待できれば…とも思うのですが、大岩や武田や町田の起用法や久保への扱いを見ると、育成面もそこまで得意なようには見えなかったかなと…。
そうなってくると続投したとして、今後の希望が見えるのかどうか。
組織的な崩しも、外国人選手などの補強も、若手選手の育成もない…となると、日本人選手の補強なのか。
しかし、予算は限られているわけで、得点力のある日本人選手なんてそうそう獲れるものでもないでしょう。
そうやって考えると、このチームの未来は?と疑問を感じる部分がありました。
ただ、一方で木山監督以上の監督を期待できるかどうか…という部分も心配であり、消極的な続投支持派であったわけですが。
この辺りは何度も話してきたことですので、他の意見も参考にさせていただきますと…
ボールポゼッションまではだいたいできるんですよ。2シーズン前の江尻篤彦監督のときもそれはできていました。しかし、ボール支配を勝ちにつなげるには、相手に引かれても崩せる、点がとれるという裏付けが必要です。それは簡単なことではないのですが、避けて通れない部分でしょう。
木山隆之監督も、その課題に取り組んでいましたが確たる回答は出せませんでした。その点に関してはあいまいな印象が残りましたね。終点は見ていても、そこへ到達するための最後の行程が見えていない。そんな感じでした。(スポナビ)
水戸では相手が前に出てくることが多かったですからカウンターで点も奪いやすかったでしょうし、カウンターなら最後はアバウトでも個の能力で戦えたのかもしれません。
しかし、ジェフの立場を考えると相手に警戒されますし、だからカウンターではなくパスサッカーという選択だったのかもしれませんけど、パスサッカーの細かなノウハウまでは持ち合わせていなかったのではないか…と思います。
ちょっと背伸びをしすぎてしまったのかなと。
そういった考えが自分の中であったので、鈴木監督がサポコミで「崩し」の部分に言及されたのは、好印象でした。
もちろんそれがうまくいくかどうかはわかりませんが、木山監督などは(江尻監督もでしたが)パスサッカーを目指しつつも最後は個々の能力に任せていた印象があって。
ポゼッションした上で得点の部分を個人技に任せるということは、相手が引いた状況で個人突破を目指さなければならないわけですからそう簡単ではないはずで、組織的に「崩す」という意志が大事ではないかと思いますし(それでもJ2だと相手が勝手に崩れてしまうこともあるわけですけど…笑)。
選手の補強に関しては、当初は左SB、アンカー、ラストパサーが必要ではないかと思っていました。
左SBに関しては藤本が帰ってきたものの昨年は大きな怪我をしてしまいましたし、渡邊も怪我が多い選手ですから現状でもすごく心配で。
アンカーに関しては健太郎がいますけど、もっとボールを跳ね返せる選手がいないとラインを高く保つのも難しいだろうし、守備の安定においても大事ではないかなと思います。
そこはナム・スンウに期待したいところで、ナム・スンウが大当たりとなれば、健太郎を左SBに回すことも可能だったりするのでしょうか。
そして、ラストパサー…高い位置でタメを作れて、精度の高いラストパスを出せる、攻撃のアクセントが作れる選手が欲しいところかなと。
兵働もいるわけですけど、兵働は木山監督の意向で獲得した選手ということもあって、シンプルなパスワークに絡んでそのままスルーパスを出す選手といった感じで、攻撃に変化を与えられるような選手とは少し違うのですよね。
かといって、遠藤や憲剛のようにボールに積極的に絡んで、パスワークの起点になれるような司令塔タイプの選手でもないのかなと。
そうやって考えるとラストパサーと司令塔…両方の選手が欲しい気もしますが、後者は伊藤やCBを中心としてチーム全体で作り上げるとして、前者は外国人選手などを補強して攻撃のアクセントを作れれば…と思っていました。
どうも近年のジェフは緩急の差が作れていないというか、攻撃が素直すぎる気がしますし。
まぁ、実際にはそうはならなそうですけどね。
鈴木監督のイメージとしては大宮ではパスサッカーを目指して上手くいかなかったですけど、新潟時代でのプレッシングサッカーにはいい印象があるので、その頃のサッカーを期待したいところかなぁと(あくまでイメージですけど)。
まぁ、プレッシングサッカーもちょっと古いのかな…というか、パスサッカーが主流になったことでプレスをいなされることが増した傾向にあるようにも思いますから、あの頃のようにとはいかないのでしょうし、バランスを考えつつプレスと「崩し」の部分を作っていくしかないようには思うのですが。
とはいえ湘南などはそれに近い方向性のサッカーだと思いますし不可能ではないとも思います。
もし激しいプレスをベースとして仕掛けていくのであればベテラン選手のスタミナが正直心配で、逆に米倉や伊藤、町田など中堅から若手の選手に期待したいところではないかと思います。
そういった流れなってくると、今期はより一層「走る」ことができるかどうかが重要になってくるのかもしれません。
そして、「走る」部分を取り戻すということになれば、ジェフの歴史を思い返しても、サポの望むところの1つなのではないかと個人的には思ったりもします。
プレッシングサッカーかどうかだとかジェフの歴史などはひとまず置いておいたとしても、もっと走れるチームになってほしいなぁと期待したいところです。