2012シーズン反省会 GK&DF編 その1

 だいぶ遅くなってしまいましたけど、毎年やってきた企画ということで、ゆっくり進めていきたいと思います。
 反省会といっても、木山監督とチーム全体に関しては何度も触れてきましたから、選手メインということになります。


 自分はついついちゃんと伝わっているかな?という思いもあって、「大事なことなので何度も言います」となってしまうことが多いわけですけど、意外とちゃんとに読んでいただけているのように感じることも何度かありまして、なるべく控えなければいけないかなと。
 それが今年の目標かもしれませんね(笑)
 言い方を変えるなどすればいいのかもしれませんけど。
 毎年恒例ですが取り上げる選手に関しては、全員ではなく主に出場した選手などをチョイスしていきたいと思います。


 まずはGK&DF編、その1。
 岡本、竹内、山口智といった、昨年チームの守備の生命線ともいえる存在を取り上げます。
 基本的にポイントとなるのは、反省会ということもあって、「なぜ夏場以降に守備が崩壊してしまったのか」と「主にシーズン終盤に感じた守備の粘り弱さ」が、来期以降の課題になるのかなぁと思います。 


岡本昌弘
 若いころはミスも多かったですけど、2011シーズンからミスも減り、好セーブや安定したプレーの増えてきた岡本。
 その経験が自信にもつながったのか、2012シーズンは貫禄すらも感じるようになってきました。
 以前はオロオロしているように感じたポジショニングも、かなり落ち着いてきた印象です。
 シーズン途中まで失点数が少なかったのもDFラインの頑張りだけではなく、岡本の存在も大きかったと思います。
 逆に夏の終わりごろジェフの守備が大きく崩れたのは山口智不在の影響ばかり言われていますが、岡本が怪我で戦列を離れていた影響も大きかったのではないでしょうか。


竹内彬
 竹内も山口の陰に隠れてしまった選手の1人だと思うのですけど、昨シーズンも前への強さとビルドアップのパス能力などは十分に見せてくれたと思います。
 リーグ戦でのゴール数が7から2に減ってしまったのは少し残念ではありますけど、シーズン後半に谷澤が加入してから2ゴールをあげたところを見ても、ボールの質だとかセットプレーの狙いに問題があったのかなとも思わなくもありません。
 竹内もまた怪我とまではいきませんでしたが、9月あたりから目に見えて疲労困憊状態で、プレーに精彩を欠いていました。
 岡本、竹内、山口智の3人が同時期にコンディションを落としてしまったというのは偶然ではないように思いますし、苦しむべくして苦しんだというか。
 代わりの選手がいなかったことも含めて、チームとしての不足分を感じる時期だったと思います。


山口智
 昨年G大阪からジェフに復帰し、ミスの少なく落ち着いたプレーぶりと、安定したDFラインのコントロールを見せてくれました。
 ただ、こういった選手にありがちですけど、DFラインの統率ができて自分にスピードがないことがわかっているからこそ、押し上げが無難になる傾向にはあったのかなと。
 また、左CBだったこともあって左SBの守備へのフォローに行くことも多かったですけど、結果的にサイドに釣り出されてそこで仕掛けられてやられてしまうシーンも目立っていたように思います。
 サイドの守備の穴が見えてしまうからこそ…だと思うのですけど。
 9月頃に起きた守備の崩壊は、山口智がいないことによる能力的な問題よりも、連携などの問題のほうが大きかったのではないでしょうか。
 青木良太や大岩にはもちろん課題もありますけれども、あそこまでひどい選手たちではないですし、サイドをつかれた時に大きくポジショニングが乱れてしまうなどの問題は連携の基本ができていなかったからではないかと感じました。
 このあたりは選手たちの問題というより、山口不在の準備が出来ていなかったチーム作りの問題だと思いますが。
 それ以上に残念だったのがシーズン終盤、大事なところでの失点というか集中力が感じられなかったこと。
 山口智は単なる選手としてでなく、守備のリーダーとして期待されていたわけですけど、勝者のメンタリティをチーム全体に植え付けるまでには至らなかったのかなと。
 そこを山口智だけに望むのは難しいところなのかもしれませんけど、まだ中堅の年齢であるミリガンを結果的に放出し34歳の山口を獲得したということは、1,2年でのチーム内の大きな変化を期待していたと思うのですが、そこまで劇的な向上は見られなかったようにも思います。



 総じて3人の能力が高いからこそ、3人に合わせた守備になってしまったと思うのですけど、その分他の選手が出場すると厳しい状況になってしまったということになります。
 チームの戦術的にはDFラインの中央で跳ね返すサッカーを行っておりSBやMFがCB付近に固まっていたため、CBは戦いやすく他のポジションは難しい傾向にあったと思うのですけど、3人に依存した守備になっており最終的には個人能力で跳ね返していた印象で。
 チーム全体でのバランスの良い守備戦術というのができていなかったからこそ、その3人が欠けると厳しくなってしまったような気がします。


 今年はその反省を踏まえて、偏った守備ではなく、安定した守備の組織を構築できるかどうかがまず大事ではないかと思います。
 それに加えて守備の粘りなど、大事なところでの集中力を身に付けられるかどうか…。
 まぁ、昨シーズンは"結果的に守備よりのチーム"になっていたからこそ、そういった守備のメンタリティが必要だったはずだと思うのですけど、今年のチームはまた別のものがより大事になるのかもしれませんが。
 しかし、そうだとしても、守備の粘り、集中が要求される場面は必ず来るはずですし、来季こそはそのあたりを身に着けてほしいところだと思います。