木山監督「2、3回、失点してもおかしくない場面があった」

木山隆之監督「最後は東京V戦と同じだと思う。最後は跳ね返さないといけなかった。その前にも2、3回、失点してもおかしくない場面があり、最後の失点はそういうところ。上手く時間を使うとか、ひとりが競り負けても誰かがカバーのポジションを取るとか、勝ち切るためにはそういうところをやっていかないと」(J's GOAL

 守備の課題と、2試合連続に試合終了間際で失点してしまう問題。
 どちらも問題であって、もちろん因果関係はある(守備に問題があるから試合終了間際に失点してしまう)とは思うのですけど、どちらも別々に考えて解決してほしいところなのかなぁと。


 守備に関してはもちろん、木山監督が「その前にも「2、3回、失点してもおかしくない場面があった」と話しているように、最後だけ守備が崩れたわけではない。
 昨日も話した通り、ここ4試合で9失点もしているのだから、守備に問題がないわけはなく。
 4試合で9失点…計算しやすくするために、その前の福岡戦も含めると5試合で10失点と計算すると、1試合で2失点の計算。
 サッカーで防御率が2点となるとかなりひどい数字で、現在36試合ですから計算上はこのペースでいったとすれば72失点。
 これは今期J2最多失点となっている鳥取の36試合73失点とほぼ同じ数字です。



 もう一方で試合終了間際に失点してしまう問題。
 これに関しては、勝負にこだわるメンタルだとか、試合巧者とうかサッカーにおける賢さというか、そういった部分の問題ではないかと思います。
 木山監督も言っているように、もう少しでもうまく時間を稼ぎ、攻撃を受けるにしても相手の攻撃をまともに受けないような状況を作れれば、ああいった問題は起こらないわけで。
 しかも、東京V戦で学んでほしかったところが身になっていないというのが、すごく残念です。


 まだ若かったころの巻が、試合に勝っている状況で途中出場し、時間を稼がずに簡単にクロスを上げてその後失点してしまった場面に関して、オシム監督は起こりながらも「この試合で失かった勝点よりもこの経験で巻が成長すればそれでいい」(文章は覚えていないので曖昧)なんてことを言ったというエピソードが有名ですが、今回の愛媛戦ではまったく東京V戦の経験を活かせていないわけですから…。
 もともとここ数年のジェフというのはそういったプレーにおける賢さだとか、勝負強さ的なところに問題があり、詰めの甘さを感じるチームではあったわけですけど、なかなかに深刻な状況なのかもしれないなぁと感じてしまいました。
 鬼軍曹的な監督のほうが、ジェフのメンタルには合っているんでしょうか…。

バルバリッチ監督「内容はどの部分においても我々が上回っていて、そういう意味で勝ってしかるべきだったし、得点が入っていた試合なので引き分けたことは残念。」(J's GOAL

 一方でバルバリッチ監督のほうは、失点に関してを悔やみながらも「内容においては我々が上回っていた」と評価。
 ジェフからすると勝ちをとりこぼした試合展開ではあったわけですが、冷静に考えると内容的には押されている展開だったといえるのかもしれませんね…。


 攻撃のほうももう1つ勢いに乗りきれず、チャンスを作りきれなかった印象で。
 東京V戦からまたカウンターへの意識が強まってきたのかな?と感じるところがあったわけですが、その分ポゼッション状態においては細かなビルドアップができていないのかなとも感じます。
 それが東京V相手なら相手も前に出てくるのでうまくカウンターも効いていたけれど、愛媛が相手だとポゼッションの質も要求されてくるのかなと。
 まぁ、だからこそ田中をベンチに下げて、兵働を1列前にあげたのかもしれませんが。


 攻撃の課題もあって守る時間が長くなっていたジェフですが、それでも守備がしっかりとしていれば、問題はなかったと思います。
 しかし、その守備にも課題があって、相手にボールを持たせているような状況は作れず、単純に攻め込まれていた時間が長かったですね。
 そのあたりがこの試合の苦しさを感じるところだったわけですが。



 今後も守りながらカウンターを狙っていくサッカーを目指していくのであれば、引いた時の全体の守備バランスが。
 そうでなく前にも出ていくのであれば、プレッシングの整備を考えたいところですし。
 どちらにせよ、もう少し締りのある守備を見せてほしいところではないかと思います。